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せんだい豊齢学園特別講座「大人も楽しい!動物園に行こう」レポート

 今年は寅年。仙台市政だより1月号の表紙を飾ったスマトラトラでおなじみの、八木山動物公園フジサキの杜からお二人の講師をお招きして講座を開催しました。

 始めに基本情報をおさらい。東京ドームのおよそ2.5倍の広さに590点余りの動物たちがいて、59人の職員の方が働いています。入園者数は震災の翌年以降 増え続け、平成30年度は約58万人が訪れました。会場でも「ここ1年以内に八木山動物園に行ったことがある人は?」の問いに、何人もの手が挙がります。一昨年と昨年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のために臨時休園したことなどが影響して入園者数は減ったということですが、根強い人気は健在です。閉園中は、ふだん見ることができない動物の様子の動画配信にも力を入れたとのことで、私たちもおうち時間で楽しめます。

 続いて、動物園の役割についてのお話を伺いました。動物園といえば、まず動物の展示が思い浮かびますが、他にも種の保存の取り組みや環境教育など様々な役割を担っています。子どもだけでなく大人でも、団体であれば利用できる学習プログラムもあるそうなので、もっと学びたい!と思う方は八木山動物公園のホームページで「学習申込み」をチェックの上、お電話でお問い合わせを。

 野生動物が絶滅の危機に瀕しているというニュースをよく見聞きしますが、八木山動物公園では他の動物園などと連携し、希少種の繁殖に力を注いでいます。アフリカゾウも近い将来 国内の動物園では見られなくなる心配があり、岩手・秋田の動物園と連携して繁殖を目指す東北3園プロジェクトとして、八木山のリリーと秋田の花子の交換が行われました。リリーの搬出と花子の搬入の様子を映像を見ながらお話を聞いたのですが、大きな体と繊細な神経を持つゾウを相手に、移動用の箱に入ってもらうのを何ヶ月もかけて慣らしていくという、大変なお仕事です。受講者アンケートにも「動物の輸送や赤ちゃん誕生、ニュースでは見てましたが、大変だったことが分かりました」、「絶滅が心配される種の繁殖にご苦労されていることがよくわかりました」の感想が書かれていました。

 次に、飼育員のお仕事をご紹介いただきました。飼育員採用試験の倍率は、なんと60倍の狭き門というから驚きです。さて、飼育員さんの一日は、動物たちを屋外に出した後の清掃、エサの準備とエサやりなどの他、動物のトレーニングの時間もあります。ゾウのトレーニングの映像では、飼育員さんが「みみ」と言うと、ゾウが耳を差し出してくれるところが流れました。これは耳の裏の血管から採血をする時のための練習です。練習は毎日行われているそうなのですが、こんなトレーニングがあったとは知りませんでした。受講者の方も初めて見る映像に「飼育員の一日については、日頃見ることのない貴重な内容でした」等の感想を持たれたようでした。

 他にも、キリンの搬入やトラの人工哺育、クロサイの生後3日目の様子などの動画を見せていただいたり、レストランのメニューのプチ情報、園内にあるもう一つの「ぞう」のマメ知識など、レアな内容が盛りだくさんの講座でした。受講者の皆さんにも楽しんで聞いていただけたようで、アンケートには「動物園に行きたくなりました!」というコメントがたくさん見られました。「動物園へ行ってみたいなあと思っても、何か子供と行くものと思ってしまい、行きづらい。今回のお話を聞き、大人だけでも行っても良いのだと分かり、嬉しく思いました」と書いてくださった方がいて、こちらもうれしくなりました。

 仙台市にお住まいの65歳以上の方は、豊齢カードか豊齢手帳(または住所と年齢が記載された証明書)を提示すると、入園料が無料になります。園内は1周歩いて約40分と、お散歩にもいいですね。もっと気軽に八木山動物公園に行ってみませんか?

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★八木山動物公園フジサキの杜 ホームページ

 https://www.city.sendai.jp/zoo/

■3月7日開催の「いきいき健幸生活のすすめ」は、お申込みが定員に達したため、受付を締め切りました。