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Null Cafe Vol.2 レポート

壱岐島で島内外の方々が思い思いのテーマを掲げてカフェを開設するイベント「Null Café」。前回に引き続き開催されたNull CaféのVol.2を取材しました。

今回の取材では、壱岐島をZINEや、色で表現してみることを通して、壱岐に関わる皆さんが感じている島の様々な魅力が見えてきました。そして、そこにはイキコレが目指す姿にも通じる気づきがありました。

この記事では Null Café で行われたイベントの一部をご紹介していきます。

1.Hanakoカフェ〜ZINEでの表現〜

Hanako編集長 杉江宣洋さん、写真家 平野太呂さんによるトークショー&ZINE(ミニブック)作りワークショップが行われました。

Hanakoカフェトークショーの様子

ZINE(ジン)とはマガジンが語源となっており、雑誌のような大げさなものではなく、個人や、グループで一つのテーマを決めて自由な手法で作る冊子のようなものです。今回はワークショップ前日に、平野さんが撮影した壱岐島の写真を使って、参加者が世界に1冊の自分だけのZINEを作りました。

神秘の島ではなかった

朝一番の飛行機で東京を出て、ジェットフォイルで芦辺港に到着した平野さん。雨上がりだった港周辺の海は少し濁っていて、イオンの看板が目に入りました。壱岐島に来るまではものすごく遠くて神秘的なイメージがあったが、着いてすぐに覆されたそう。今まで様々な島を巡ってきた平野さんは「いわゆる離島感があるねという感じではないという印象を持った」と話します。

Hanako杉江編集長(左)写真家平野太呂さん(右)

モノクロで表現する壱岐の島

「今回は、壱岐の島の美しさを表現するとかではないなと、思っていた」と平野さん。活気があり賑わっているところではなく、少しさびれていても、さっきまで人が生活していたんだなという、人間らしさが漂う場所を撮影したいと思っていたそうです。
それにぴったりだったというのが「昼の漁港」です。「網や漁具が外にポンっと出てしまっているのが、なんか面白いじゃないですか」と平野さん。
勝本や八幡の東部漁協周辺を中心に撮影をしました。

平野太呂さんが撮影した壱岐の写真

世界に1冊の自分だけのZINE

テーブルにずらっと並んだ十数枚の写真のレイアウトを、1枚ずつピックアップし、順番を決めて、黃、緑、青の紙に印刷された見開きを選び、ZINE作りスタート。

ZINEの作り方を説明する平野さん

どんな順番でも良い、自分が良いと思った順番にレイアウトを並べ替えます。写真のレイアウトは全部使わなくても良いとのことでした。
最初は手探りでスタートした参加者たちも、試行錯誤しながら自分だけのZINEを仕上げていきます。じっくり考えず、直感で決めていくのがZINEの良いところでもあるそう。自分なりに意味を持たせて順番を考える人、なんとなくリズムでぱぱっと並べる人、などそれぞれ。平野さんの写真を使い、参加者は自分だけの1冊を作り上げました。

いつもと違った壱岐の島の魅力

「壱岐といえば、外に発信する写真は観光地が多いが、いつもと違った島の魅力を発見できた」「これは壱岐と分かる写真もあったが、これはアメリカっぽいなと感じる写真もありました」という感想もありました。
みなさん、平野さんの写真を通して、住んでいても気付いていない壱岐の魅力に驚いていました。

2.IKITONEカフェ(株式会社 電通九州)

壱岐の美しい色を参加者の好きな壱岐の場面やものから採取し、壱岐の色見本帳「IKITONE〜IKINOSHIMA COLOR TONE SYSTEM」を作るというワークショップ。

壱岐の美しさは「色」だ

講師は株式会社電通九州でデザインを担当している立石さん。広告に必要な色彩計画などを立てたりする、色のプロです。
仕事でもプライベートでも何度も壱岐へ訪れていて、壱岐の美しさの要素で大きいのは「色」だと気づいたそうです。豊かな自然、食材、文化、とにかくいろんなところが「美しい」壱岐島を表現するのが、今回の企画です。

IKITONEの説明をする電通九州の立石さん
壱岐のメジャースポットから採集した事例!

壱岐に住んでいる人ならではの色

参加者は好きな場面やものを思い出し、用意された絵具でそれぞれの色を作りました。
「冬の原ノ辻 早朝5時」や「BENTENZAKI SUNSET」「BIWANOHA GREEN」などの色が表現されていました。
「POTTO帰りミッドナイト」色を作った藤木彩乃さん。「壱岐の夜はちゃんと暗いということを表現してみました」と話しました。立石さんは「壱岐と言えばブルーとかエメラルドが一番に浮かびますが、壱岐に住んでいる人ならではの素晴らしい色ですね」と声をかけていました。
「そらのいるか」色を作った田口愛さんは「前に見た空に浮かんだいるかの雲を思い出して、色を作りました」と楽しそうに話していました。

皆さん、真剣にイメージする色づくり
色づくりのコツを教わりながら、丁寧にイメージに近づけていく楽しさ
思い思いの色を作った参加者のみなさん。楽しそう!

壱岐という1つの島も人によって見え方が違う

モノクロで表現する壱岐、色で表現する壱岐の2つの企画を取材しました。実際に表現してみることで、壱岐という1つの島も人によって見え方が全く違うということがわかりました。

壱岐と言えば、海や猿岩や、神社などの象徴的なものにフォーカスが当たりがちですが、それ以外の魅力もたくさんあります。住んでいるからわかる壱岐、また住んでいないからこそみえる壱岐、その両方が壱岐なのだということに気づかされました。

壱岐島には未来に向けて、自分らしく挑戦している方々がたくさんいます。その方々を中心に、壱岐島に関わる一人ひとりが壱岐の魅力を生み出し、豊かな文化を創っているのではないのでしょうか。
私たちイキコレでは自分らしく挑戦する方々を壱岐という島で未来に向けて自分らしく挑戦されている取り組みを、見つけ、繋ぐことで、共に壱岐の多様な側面を見つけ、豊かな暮らし文化を創っていきます。


Null Cafeは、壱岐市東京事務所・慶應義塾大学SFC研究所・リクルートヒトラボが連携して発足した、持続可能な未来のあるべき姿を研究する「エンゲージメント・コミュニティ・ラボ」の企画です。
Null Cafe  Vol.2では、紹介したイベントのほかにも様々なカフェが開催されていました。また、エンゲージメント・コミュニティ・ラボとして、市長へ共創社会に関する研究報告なども行われていました。詳細は、公式noteをチェックしてみてください。


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