「何が虚構か。」
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愛すべき日常をもっと愛したいなら読んでみて!
では、本題。
ユヴァル・ノア・ハラリ著「サピエンス全史 上」を読んだ。
かつてはサバンナの負け組の一員だったホモ・サピエンス(現生人類)。
この人種がどうやって食物連鎖の頂点に立ち、地球を支配するに至ったのか?を鋭い考察で振り返り将来を予測しているのがこの本。
超有名な本だからあえて避けていたんだけど、読んでみたらメチャクチャ面白かった。笑
それにこういう歴史書って表現が堅く淡々としがちなんだけど、それを感じさせない表現力はスゴいなと思った。
小麦とか貨幣とか国家とか、鋭い考察がいくつも書いてあるんだけど、
一番はやっぱりホモ・サピエンスが世界を征服できた最大の原因について書かれていた内容だ。
じゃあそれは何なのかというと、「言語」だ。
言語を使ってコミュニケーションを取っている生き物は他にもいるけど、ホモ・サピエンスの言語はそれらとは比べ物にならないほど特別なものだと言う。
じゃあ何がそんなに特別なのかというと、
と書いてあったように、ホモ・サピエンスの言語は「超柔軟」なんだ。
そして言語が超柔軟になったのは、生存と繁殖のためだ。
たとえばライオンが近くに来たときに、
「気をつけろ!ライオンだ!」だけでは情報が不十分なんだよね。
ライオンの数や場所や経路まで正確に説明しないと、生物的に力が弱いホモ・サピエンスはサバンナでは生き延びることはできない。
生きるためには正確な情報が必要で、そのために言語が超柔軟に進化したんだ。
それだけではなく、この超柔軟な言語は「噂話」によっても発展した。
自分がいる集団の中で、誰が誰を憎んでいるか、誰が誰と寝ているか、誰が正直か、誰がズルをするかを知ることは、
生存と繁殖のためにはライオンの情報以上に必要なことだったんだよね。
そして超柔軟なホモ・サピエンスの言語の最大の特徴は、虚構を語れることだ。
これこそホモ・サピエンスが食物連鎖の頂点に立てた最大の原因でもある。
虚構は危険でもあり強い協力をうめる、つまりとんでもない力があるんだ。
超柔軟な言語によって現実の世界だけでなく、主観的な想像の世界、それも大勢の人が共有する「共同主観的」な想像(虚構)の世界にも暮らせるようになった。
たとえば、伝説・神話・宗教がそれにあたる。
こういった「虚構」を生み出し、これを共有する者なら誰もが協力して生活出来るようになった。
他にも、企業・法制度・国家・国民、さらに人権や平等や自由までもがすべて「虚構」だと著者は言う。
読めば納得できることばかりなんだけど、この本を読めばとにかく世界は虚構で溢れているとわかる。
共同主観的な虚構によって平和が保たれることは良いことだけど、結局は虚構なんだよね。
大切なことは、虚構に魅せられすぎないことじゃないかな。
成功や自由だって虚構なんだから、それを追っても虚しさしか得られないかもしれない。(悪いことではないけど。)
あと、何が虚構か自分で理解することも大切だ。
成功や自由といった虚構を使って煽られる可能性が高いからね。
それは虚構か?
その虚構は追ってみるべきか?
その虚構に煽られていないか?
自分で判断できないといけないね。
世界は虚構で溢れている。
虚構に囚われるな。
何が虚構か理解しよう。
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