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飲み会スキルなんて、いらねえよ

今、ほろ酔い気分で書いている。

今日は、かつての部署で一緒だった仕事仲間との飲み会だった。もうすでに退職している人も、今は違う部署で働く人も、今日はみんな久しぶりに集まって、楽しくお酒を飲んだ。

今は帰宅して一人、こうしてノートを書いている。

そんな飲み会終わりに、いつも思うことを書こうと思う。



***



「このサークル、飲み会が多いでしょ。だから社会に出ても苦労しないよ」

そう誰かが言った。確かサークルのOBOGさんだったかと思う。

私が大学時代に所属していたサークルは、オーケストラのサークルだった。オーケストラというとお上品なイメージがあるかもしれないが、実は結構飲み会が多い。とりあえず、何かにつけて飲む。土曜の練習後には必ず飲み会があったし、演奏会1週間前、演奏会後打ち上げ、合宿、納会その他もろもろ何かにつけて飲み会があった。

飲み会が多いと、自然と飲み会でのふるまいが身につくので、社会に出ても飲み会であたふたしたりせず、苦労しないということらしい。その時は社会に出た先輩たちがそういうのだから、そうなのだろうと思っていた。

飲み会は楽しかった。今では信じられないけど、コールという文化もあった。先輩たちのどんちゃん騒ぎも見ているのも、潰れた同期を介抱するのも、すべてが私にとっての初めての青春だった。

もちろん先輩たちの言う飲み会のマナーについても、幾分か学ぶことが出来たと思う。空になりそうなコップを見つければ、手あたり次第ビールを注ぎ入れ、空き瓶や空いている皿は片づける。先輩から自分のコップにビールが注がれる前には、一気飲みしてコップを空にする。サラダはとりわけたら、偉い人順に置いていく。そして、潰れてしまった後輩にはガリガリ君を与える。(誰が言ったかは知らないけれど、ガリガリ君は、酔いさましに最適らしい。)

それに飲み会で潰されるというのが、一種の勲章みたいにみんな語り草だった。「あの時も、あの時も潰されたな~」とどこか自慢げで、顔がすぐ赤くなってしまう私にとってはそれがうらやましかった。


***


懐かしいな~と思う。

今日も酔いさましに、セブンイレブンのまるで梨のようなアイスバーを道中食べながら帰ってきたところだ。(さすがにちょっと寒かった。)



結論から言おう。


大学時代に教わった飲み会スキル。そんなもの、社会人になってろくに役に立ってません。




でも、むしろ、それで良かったとも思う。

同じサークルで共に過ごした同期は、役に立ったと言っていたので、多分人によるんだろう。私は、あまり役に立ったと実感していない。むしろ、社会人になって飲み会初心者に戻ってしまったようだった。だって、人と場所が変われば、飲み会もまた前と同じというわけにはいかないだろう。


なんだか、自分の飲み会スキルを棒に振ってしまったようで悲しくなるときもある。でも今は何言ってんだよ~と笑い飛ばせそうだ。そんな飲み会スキルが活かせる飲み会なんて、こっちから願い下げなんだよ、と。


それに、昨日学んだことが、今日役に立たないなんて、こんなに素晴らしいことないじゃないか。役に立たないことでありふれている人生って素晴らしい。酒なんてまさしくそうだ。だから、みんな、お酒好きなんでしょ。


そんな私の中で生き残った唯一飲み会スキル。

飲み会の後のアイスは最高。


以上。



一度はサポートされてみたい人生