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【イタリア】暑くてラーメンの注文が入りません!

夏の直前は雨

昨日は、イタリアと日本の気候の違いついて紹介しました。

イタリアの気候を総じて、秋に雨がよく降る季節と言います。確かにそうなんですが、私が住んでいる中部のさらに港町は、夏の直前にも雨の季節となるんです。他の地域と比べて、雨は少ない方ですが、秋と春のどちらかが多い傾向にあります。
近年の4月は、梅雨のような来る日も来る日も雨が降るり、毎日週間予報をみてはガックリ。いつ洗濯するのか、いつ外出しようかと、天気を読みながら行動を考えました。

でもあまり予報があてにならないのもこの街の特徴。降らないを前提に考えている人が多く、傘を持たない人、カッパを来ていないバイク乗りなど。イベントでも止むだろうと予測して決行したり参加したりして、天気予報が機能しているようでいません。みんな「雨マークでも降らない」と思っています。実際、マークを見たところで、一日中雨が降り続けるということがないのも土地柄と言えます。



雨明け宣言なし


梅雨明けのような宣言はないので、雨の日々だった天気予報が、急に晴れの一週間に変化します。すると、急いで夏がやってきます。今年は5月中旬でした。

日差しが強いのでサングラスと帽子は必須。服装も、ジャケットを脱ぎ半袖のTシャツ一枚で外を歩いています。夜は薄手のパジャマで寝るようになりました。もう冬服を終うための洗濯をしてもいい頃です。


生ハムメロンはじめました


いきなり暑くなりました。今日の最低気温は21℃、最高気温は31℃、湿度は47%。もう夏の暑さになってきました。家で過ごすなら快適ですが、炎天下の下でマスクなんかしていたら、すぐ熱中症になってしまいます。

暑さ強まるイタリアでは、連日どんなものを食しているかというと、


生ハムメロン」です。

もう2週間前もから食卓に登っています。夫は、この港町で育ったので、暇さえあれば海で日光浴をします。そこで小腹が空いた時に食べたくなるのが、やっぱりこれです。小さなメロン一玉を小脇に、スライスしたての生ハムを大事そうに持って海へ。いつもの場所に到着し、水着に着替え陣地を設置、少し陽を浴びたところで、いよいよ登場です。

メロンをカットして、そこに生ハムを巻く。巻かなくたって、交互に食べてもいいんです。この時メロンが冷えていたら、熱った体には持ってこい。よく熟れた甘いメロンと塩けの効いた生ハムとのバランスは、もう最強!垂れ落ちる果汁をジュルッとすすり、口の周りを手で拭ってベトベトになっても、また海に入るんだからかまいやしない。

嗚呼、夏してる




市場にも急にメロンが増えるので、ついつい購入してしまいます。
夏の喜びを感じていましたが、私の勤める日本食レストランでは、伸び悩んでいるものがあります。それが、


「ラーメン」


寒い時期に暖かいスープと麺は身体を優しく包んでくれますが、暑くなるともう、見向きもされていない。

ピーク時には一日30杯近く出ていたのですが、今は一週間に5杯くらいです。もうメニューからも外す時が来たのかも知れません。

何もラーメンだけに限ったことではありません。イタリアの料理でもそう。コトコト煮込んだお肉のスープやシチューはもう家でも作っていません。冬場の栄養を蓄える料理はしばらくいらないという気分です。


冷麺で戦えるか


最近オーナーは、麺をカットする機械を購入。来季まで出番がなくなるのはもったいない。せっかくなら、ラーメンの文化は少しずつでも続けていきたいと私は密かに願っています。私は一ウエイトレスですが、唯一の日本人なのでメニューの提案をしています。

ラーメンの季節が終わったなら、イタリアで「冷麺はウケるのか…」と少し考えています。冷麺にも種類があります。どれがイタリアの田舎街で喜ばれるのだろう。

冷麺の種類


① 定番の中華冷麺
  キュウリや錦糸卵やハムを乗せたお酢の効いたさっぱりとしたもの。

② 韓国冷麺
  見た目はラーメン。でもスープやトッピングは冷たくしたもの。

③ つけ麺タイプ
  ざるにあげた麺を、冷たい出汁に漬けて食べるもの。

さて、どれを食べたいと思うのか…。
ちょっとその前に、イタリアの冷たい料理を見てみましょう。


イタリアの冷製料理


イタリアにも夏に食される冷たい料理はあります。ラーメンのようなスープに浸かった麺はありません。では、どんなものがあるのかというと…

冷製ジェノヴェーゼ


いくら夏でもパスタは茹でないといけません。冷製にする場合、多くはスパゲッティよりもショートパスタを使います。茹でたパスタに、バジルの爽やかな香りが刺激的なシェノヴェーゼソースを混ぜ合わせ、冷やして食べるのが夏の定番です。

このインフルエンサーは、料理の専門家。このジェノヴェーゼは少しアレンジして、アボカドを加えています。バジルソースだけだと、胃もたれする可能性があるので、他の野菜と合わせる方が食べやすくなります。アボカドと相性の良いスモークサーモンと合わせているので、美味しさが何倍にも膨らんでいます。


サラダパスタ

サラダの中にパスタが入っているもの。野菜をたっぷり使うのがポイントです。主に、サラダ菜や身体を冷やすトマト、オリーブ、コーンは彩りにも欠かせません。さらにゆで卵やツナ缶でタンパク質を補うと完璧な食事になります。


パンツァネッラ

パンを使ったトスカーナ地方の料理です。このあたりは、塩けのないパンを食します。料理の際のサポートに徹しているのか、ソースやスープの味が濃いので一緒に食べると最高の組み合わせになります。

パンツァネッラは、どちらかというと質素な料理。日が経ち固くなったパンを水でふやかし、トマトや玉ねぎ、きゅうりなど生の夏野菜と一緒に混ぜて作ります。こちらは火を使わずに手軽にできます。ですが、事前に作り置きすることで食材に味が染み渡るだけでなく、料理担当者の休息にもなる便利な逸品。



主食となる夏料理を紹介しました。これらのイタリア料理から見ると、「冷麺」は、全く想像できない味なのかもしれません。

  • スパゲッティが冷たいことが不思議。(時間が経ち冷めた麺とは違う)

  • 冷たい出汁と共に食べることも初体験になるはず

  • つけ麺の場合、出汁と麺がバラバラで出てくることに違和感を抱くはず
    (日本で食べるミートスパゲッティのような、パスタの中央にだけソースを乗せることはありません。ソースとパスタは、フライパンの上でしばらく絡み合わせて出すのものです。)



こんな文化の違いを乗り越えて勝負するなら、

①の中華冷麺が一番好まれるのかもしれません。
出汁を少なめに、絡ませる方が、彼らにとっても食べやすいかも。リピートになる可能性はあまり考えられませんが、出汁やトッピングにこだわれば人気が出るかもしれません。

② 冷製ラーメンもとても良さそうですが、スープがあるので食べにくそう。あと飲み干してしまうので、ほかの料理まで食べてもらえないかも。
③つけ麺は、出汁と麺がバラバラで出てくるのを見て、麺の中に出汁を入れてしまうかも。そうなればぶっかけラーメンという新しいジャンルが生まれることになりそう。


まずはオーナーやイタリア人のお店の仲間たちに振る舞って、メニュー入りできる冷たい麺はあるかどうか吟味していきたいと思います。
ほかに良いアイディアがあればぜひ、コメントをください!



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