見出し画像

グローバルな環境での部下育成術

こんにちは。私は以前、メーカの営業マネージャーとして中国北京に駐在していました。その時にある女性社員育成したケースを部下育成術ということで記事にまとめてみました。


私が指導を担当した女性社員は私が赴任した当時、所属するグループ長の秘書とい役割を持っていました。担当していた仕事は上長の出張の手配は備品の発注などの庶務的な仕事でした。私は赴任後にその社員と一緒に仕事をして彼女にはすぐれた資質があることを見出しました。仕事の手際がよいことと報告が適切にできるところがあり、これはその当時の職務に置いておくのはもったいないということで彼女と面談をし本人の希望を聞いた上で将来マネージャー職を目指せるよう職種転換してもらうことにしたのです。


部下を育成していく上で重要なことをいくつか挙げてみました。


1. 部下を固定的な視点で見ない。

多くの人に共通していたのですが、人はわりと固定的に人を見てしまうという傾向があると思います。つまり庶務の仕事をしている人はずっと庶務が適任で、他にも能力を発揮できることがあるかどうかという視点で、人を観察していないということです。わたしは極力そのような見方はしないよう日頃から部下の仕事をよく観察するように努めていまし。


2. 部下の脳力を伸ばすために成功体験を重視する。

マネージャーを目指すことになった部下には、実際の仕事を通じ、成功体験を積む機会を多く与えました。成功体験が多いと自信がつき、次のステップに進みやすくなります。ここで注意するべきは部下の仕事がうまくいかなかった時の対処です。

私は、部下が失敗した場合は私が責任を取るようにしました。こうすることで、部下は失敗を恐れず積極的にいろいろなことに挑戦しやすくなります。


2. 部下と共に仕事をすることで信頼関係を築く。

お付き合いしたくない上司あるあるだと思いますが、私は、部下に仕事を押し付けるようなことはしないよう常に配慮していました。時には自分も部下と一緒に地味な作業を一緒に行いました。部下と共に作業することで、信頼関係が深まり、コミュニケーションも円滑になるというメリットもあります。


3. 出張や商談の場に部下を同行させることで仕事のやり方を伝える。

出張や商談の場では、部下を同行させ、私の仕事のやり方を観察してもらいました。新しい仕事を覚えてもらう時は実際に見てもらうことでその感覚をインストールしてもらうことができます。また、私が営業マネージャーとしての戦略や考え方を定期的に共有することで、部下にも同じ視点で仕事をしてもらえるようにしました。


4. 部下のスキルアップのためにプレゼンテーションの機会を与える。

部下のスキルアップのために仕事の節目節目でプレゼンテーションという形で業務報告と課題の共有をしてもらいました。部下は仕事の成果や課題を資料にまとめて、同僚の前でプレゼンテーションをすることで、文書作成能力、報告能力、人前での発表能力を高めることができます。


5. 社内行事を通じ部下の家族との関係にも気を配る。

また、部下との間で直接の仕事以外の面でも交流し、お互いの人となりを理解しあうことが非常に重要であることを学びました。このことは、部下たちと共に参加した食事会、また社員旅行や忘年会などへの参加を通じその重要性を実感しました。

社員旅行では部下たちの家族も参加が許されており、その場合は社員がそれぞれの家族に会社との良好な関係を示すよい機会となりました。このことを通じ家族が働いている会社への理解が深まりより家庭内で家事分担などの協力をしていただけるようになったようです。海外駐在の経験では、マネージャーはオフィスでの部下指導だけでなく、部下がそれぞれの家族とも良好な関係を作れるよう後押しすることにも目を配る必要があることに気づかせてくれました。


こうしてわたしが育成した部下は、仕事への自信と能力が向上し、業務もスムーズに進めることができるようになっただけでなく、成長した部下が今度は自信の経験をもとに後進の指導にあたるようになりよい循環が生まれたと思います。


グローバルな環境での部下育成においては、文化の違いや言語の壁など、様々なハードルがあることが想定されます。しかし、部下たちとの信頼関係を築き、彼らが自信を持って仕事に取り組めるように支援するということは海外でも日本でも基本は同じだと思います。


多くのマネージャーが部下と信頼関係を気づき、上司も部下もお互いに尊敬しあえるような人たちが増えていくことを願っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?