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世の中が「ソーシャル化」することの本質は、TwitterやInstagramを上手に使いこなすことではない

きょうびそりゃもうたくさんのソーシャルメディア(プラットフォーム)があります。

ここに挙げた主要なものは、月に数十万人から数千万人が利用している代表的なサービスです。

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ソーシャルメディアの特徴は、投稿する人も、それを見る人もユーザーであること。

僕は10年前からソーシャルメディアは公園のような場所と言ってきました。

ひとりで来る人も、家族と来る人も、友だちと来る人もいる。

楽しくおしゃべりをする人、相談事をしている人、体験談を話している人、独り言を言っている人、いろんな人がいます。

ソーシャルメディアは、ユーザーの、ユーザーによる、ユーザーのための場所ですから、それで良いのです。

毎月、Twitter公園には4,500万人、note公園には4,400万人、インスタ公園には3,300万人、Facebook公園には2,600万人もの人がやってきて、何やら活発に情報交換をしているから、企業はその場所(公園)に出店(でみせ)を開いて、宣伝活動や広報活動をする。

みんながおしゃべりをしている場所だから、うまくすれば自社のことをクチコミで広げてくれるんじゃないか。もしかして公園中で話題になったら(バズったら)最高じゃん!となるわけです(もちろん、そんなにうまくいきません)

公園の中は、ユーザーの会話しかありません。

公園の中には看板があり、広告が表示されてますが、主役はユーザーの会話です。

そのため、公園の中で誰にも会話されていない企業や商品は、存在感がゼロです。少なくとも、その公園の中では、存在していないのです(「好きの反対は嫌いではなく無関心」ですから怖いですね)。

だからこそ、存在感のない企業が公園内で無理やり話題化させようとするのはもうやめて、公園に遊びに来る人たちが自然に会話をしたくなるような存在になること(そういう企てを行うこと)が大切です。

けたたましい騒音を鳴り響かせながら、日曜日の昼下がりの公園にアドトラックで乗り込み、「おい!お前ら!いまから!!俺がしゃべるから!!よく聞け!!!」なんてやったら「うるせえな。お前が帰れよ!空気読め」とみんなに嫌われてしまいます。

ソーシャルメディアは、ユーザーが主役の場所。それを決して忘れてはいけません。

ソーシャルメディアの本質は「世の中がソーシャル化する」ということ

ソーシャルメディアマーケティングという言葉は、TwitterやFacebookやInstagramやLINEやYouTubeを宣伝や広報活動に活用することとほぼ同義になっています。

でもこれは、とても狭い解釈だと思うんですね。

僕は、ソーシャルメディアの本質は(個別のプラットフォームをマーケティングの場所として活用することではなく)、世の中がソーシャル化すること、そしてそれにフィットしていくことだと思っています。

わかりにくいですね。

世の中のソーシャル化とは、人と人、興味と興味がつながることであり、また、企業、消費者、ファンを含む顧客、社員、取引先、株主など、あらゆる人たちがフラットにつながり、いままではには実現不能だった情報やナレッジの蓄積・共有が進むことです。

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ソーシャル化の本質は、新しく生まれるプラットフォームに対応して宣伝・広報活動を行うこと(だけ)でなく、いままであったモノやコトに人と人のコミュニケーションが介在していくことで拓かれる新しい未来そのものです。

新しいものが生まれるというより、いままであったモノやコトがソーシャル化するのです。

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昔々、紙のノートや手帳に書いていた日記。

恥ずかしいから誰にも読まれたくない日記は、机の奥にしまって鍵をかけて隠してましたよね。それがいまは多くの人がアメブロやnoteで日記や所感を書きます。ソーシャルで書いているんだから、ひとりでも多くの人に読んでもらいたい。

誰にも読まれたくなかった日記が、いつの間にかひとりでも多くの人に読まれたいものに変わっている。これが、日記がソーシャル化したということです。

友人や知人との付き合いはFacebookになり、いままでは秒速で消えてなくなっていた頭の中の感情や思考はTwitterで見える化され、またたく間に共有がされます。

ガイドブックを見たり友だちに聞かないとわからなかったレストランのクチコミは食べログを見れば大量の評価が見れるし、ゲームは(ひとりや少人数で)上達や達成を喜ぶものから(それもありますが)ソーシャルゲームの中で知り合った仲間と一緒に課題をクリアしていく楽しさが加わりました。

ゲームは、上達や達成を消費する場から、人とつなることで得られる社会的欲求や、人から一目置かれたり感謝をされることを通して承認欲求を満たす場所(ソーシャル化することで)価値の本質が変わったのです。

YouTubeは、コンテンツ(番組)をつくるのは放送局、消費者はそれを黙ってみる視聴者だったテレビを、誰もがひとりで脚本家、放送作家、主演、カメラマン、照明、音声、編集者になることができる場所に変えてしまいました。

レシピも台所で母から娘に一子相伝で受け継がれるものから、見ず知らずの人とレシピを共有して豊かな食生活が送れるようになったし、写真(カメラ)も記録するために撮るものから、友人やフォロワーから反応をもらい承認欲求を満たす媒介に変わりました。

これらはすべていままであったモノやコトが人と人、興味と興味がつながることによって、ソーシャル化した(情報やナレッジの共有が進展したり、価値の本質が変わった)ものです。

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学校の教室や自分の部屋で遊んでいた日常は、TikTokという共有する場の登場によって全員プチ芸能人化することを後押ししたし、限られた人としか開催できなかったイベントはPeatixによって告知と参加者が拡張しました。

マッチングアプリは、恋人や結婚相手を探したい個人と個人がつながることによって、「友だちの紹介」や「合コン」という手段を介さず、直接相手探しをすることができるようにしました。

いままで宿泊施設という「価値」をつくるのは企業、宿泊者はその価値をお金を支払うことによって購入し、価値を消費する「消費者」だった構造から、Airbnbによって、宿泊施設を提供するのも、それを利用するのも個人になりました。

タクシーサービスとしてのUBERも、個人が持つ自家用車を、使っていないときに貸し出すエニカも、シェアリングエコノミーの代表サービスです。

コロナ渦で利用が進むチャットサービスや、社内感謝をスタッフ同士で送り合うUnipos(ピアボーナスのサービス)は、企業内で仕事をする社員と社員をつなげる(つながりやすくした)BtoB(EtoE:Employee to Employee)における仕事(の仕方)のソーシャル化と言えるでしょう。

社内Wiki(社内マニュアル)ツールで躍進するesaも、いままでの「マニュアルを作る人と、それを見る社員」という構造を、「みんなで作る社内マニュアル」としてソーシャル化している事例といえます。

企業はソーシャル化の流れにフィットすべし

このように、いま起こっていることの本質は、いままであったモノやコトがソーシャル化していく変化なのです。

この流れは今後さらに加速度を増し、決して逆回転することはありません。

デジタルマーケティングの本質が、Webやデジタルでできることを増やすのではなく、いままでやってきたマーケティング(そのもの)をデジタル化させることであるように、ソーシャルメディア戦略の本質は、TwitterやInstagramを上手に使いこなすこと(だけ)ではなく、従来行ってきた広告、広報活動そのもの、そして社員の働き方、情報やナレッジ共有、教育研修、採用活動、評価システム、さらにはビジネスモデル全体をソーシャル化の流れにフィットさせることにあります。

この機会に、ぜひ「自社のビジネスは、消費者は、顧客は、広告は、広報は、マーケティングは、社員の働き方は、ビジネスモデルは、今度どのようにソーシャル化するのか?」という問いに思考を巡らせてみてください。

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