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私のいけばな遍歴 2
前回の続きです↓
さて、ひょんなことからインドネシアで生け花のワークショップにスタッフとして参加した私は「またちゃんといけばなと向き合いたい」「今度は伝える側になりたい」と思うようになりました。
新卒後に勤めた会社は3年ほどで寿退社し、この数年は専業主婦をしてきました。
日々の生活でも家事に育児に一生懸命やってはきましたが、どこか心の中で「私が輝ける場所はもう家庭以外にない」ということに自信を持てなくなっていました。
「社会に出たい」とは思っても今は駐在妻の身で就職なんて現実的ではありません。例え日本にいたとしても、会社勤めはもう自分には無理だと思っていました。子どもの成長を近くで見守りたいし、家族の環境を整えることに喜びを感じているし、今後も夫の転勤ごとに勤務先を変えていかなければならないからです。
でもじゃあ自分で何か価値を提供できることを自宅にいながらできるのか?と考えてみても、どんなことも中途半端で、自分には何もないように思って悶々としていました。
ワークショップの最中、頭の中で「私にはこれがあったじゃないか!」とハッとしました。
自分には何もないと思っていましたが、ありがたいことに私は祖母から与えてもらった「いけばなのスキル」があったのです。
その後ノートに走り書きしたメモは以下のようなものです。
★「いけばな」を仕事にする
・日本の伝統文化を若い世代や外国人、子どもたちにも伝えていける
(元々、外国人との異文化交流のようなことが好き、語学が活かせる・学び続けられることがしたかった)
・一人一人が創り出す作品を見るのが面白かった
(メインに使う花材の違いなど、個性が反映されていた)
・「こうしたらもっと良くなりそう」という場面をたくさん見た
(当日は自分は講師ではないので手出し口出しはしていない)
・自分にとっては既に当たり前のことも、初めてやる人にとっては新鮮に映るらしい
(枝の切り方や空間を大事にいけることなど)
・自分自身がもう一度ちゃんと学び直したい
(なんだかんだこれが結構大きな理由かもしれない、やっているうちにしっかり”好き”だったんだな)
・誰に頼まれたわけでもないのに、インドネシアに来てからも自分で花屋さんを探して、時々通っている
(お花が飾られた空間にいることが好き)
・自宅でもできる
(子どもとの時間、家族の時間を大切にできる)
・住む場所にとらわれずに活動を続けることができる
(国内外さまざまな地域でさまざまな人を相手にすることは寧ろプラス!夫はこれからも転勤あり)
・生け花をやってみたい、興味がある、という人は意外と多くいるらしい
(ワークショップ当日、もっと定期的に習いたいという知人の声が複数あり)
・現在、指導をしている人は自分よりも年配の方が多い、また外国人に教えられる人も決して多くはないはず
(伝統文化、のこしていけるの?自分は経験もないけどまだ30代、英語も多少は話せる、インドネシア語も。逆にチャンスでは)
これを書いたとき、「おばあちゃん、教えてくれてありがとう!お父さんお母さん習うきっかけをくれてありがとう!」と心の中で叫びました。
ああ、私にはコレがあったんだという事実で心がとても満たされました。
ブランクがあったのに「仕事にする」なんておこがましいですが、誰かと一緒にいけばなを楽しむことができたら、外国人の方に日本を知ってもらうきっかけの一つになれば、もうそれだけで幸せです。
本格的にやっていくにはまだまだ実力不足ですが、初心者の方向け、外国人の方向けに、今いる環境を最大限活かして小さくても始めていこうと思っています。
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