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破壊王が破壊したものは

先日、suzuさんの「子どもに破壊された記録」という記事を読んで、クスリと笑ってしまった。今まで我が子に壊されたモノたちについて、軽やかにユーモアたっぷりに書き綴っていた。

私的に一番サイコーだったのは、輪ゴムをことごとくハサミで切った次男君の哲学的な言葉。(知りたい方はsuzuさんの記事に答えが書いてあります)

ああ、そういえばうちの息子も色々破壊した破壊王だったなぁ。読みながら、息子の数々の逸話を思い出した。今思えば、ネタには事欠かないおもしろい子だった。

ということで、私も書きたくなったから、ちょこっと書いてみようと思う。しばし、お付き合いいただければ幸いです。

我が家は、姉である長女と4つ下の弟の長男の二人きょうだい。すでに二人は大学生と高校生になっているから、かなり前の話にはなるけど、「コレ、面白い!」と思うようなネタは幼稚園の担任の先生とやり取りしていた連絡帳に書いてきたから、幸いなことに記録が残っている。(先生たち、日記代わりに使ってごめんなさい!)

第5位 アイロン台スタンプ事件

たぶんあれは息子が学校に上がる前のことだったと思う。
いつものようにアイロンがけをしようと、私はアイロン台とアイロンを出した。ほかにやることがあって、しばらくその場を離れてから戻ってみると、アイロン台には見慣れない赤いマークが。
ん?!
よくよく目を凝らして見てみると、それはしまじろう(ベネッセのキャラクター)のスタンプだった。聞かなくても犯人は息子だと分かった。

息子を問いただすと、悪びれた様子もなく、「自分が押した」とあっさりと白状した。理由は、紙じゃないものにスタンプを押したらどんなふうになるのか知りたかったから。で、布にもスタンプが押せると分かって満足したらしい。

そんなことを言われたら、母は返す言葉もございません。

第4位 学習机のデスクマット事件

つづいても、似たようなエピソード。

娘が小学校に上がるタイミングで、学習机を購入した。ピカピカの学習机が届いて、娘はとても嬉しそうだった。のに、気づいたら新品のデスクマットに落書きが…。どう考えても息子の仕業だ。しかも、よりによって油性ペンで書かれてる。おいおい、消えないじゃないか。
案の定、娘は激怒した。そりゃそうだよね。

「なんで書いちゃったの?」
と息子に聞いてみると、デスクマットは紙とは違うツルツルの素材だったから、書いても消えるかなと思って試し書きしたんだ、と。まあ、たしかに水性ペンだったら消えてたけどね。油性ペンは消えないよ。2歳児は、消えないペンがこの世にあるというのを知らなかったようだ。

消えないと分かって少しは焦ったのかな。いや、焦ってたら、すぐに私を呼んでもおかしくないよね。私が異変に気づくまで、彼は何事もなかったかのように普通に過ごしてたっけ。それほど大きな事態だと思っていなかったのだとしたら、かなりの強者だ。

好奇心旺盛といえばそれまでで、何事もやってみるのが大事とは思うけど、よりによって新品のデスクマットで実験しなくてもねえ。6歳児の娘にはちょっとかわいそうな話だった。

第3位 こたつの布団カバー事件

私の実家に遊びに行ったときのこと。

息子は一人静かに和室のこたつで過ごしていた。決めつけちゃいけないけど、息子が静かに過ごしているときはだいたい怪しい。

この日は、こたつの布団カバーをハサミで大胆に切っていた。「なんで?」とワケを聞くと、布団の中身を知りたかったんだと言った。
知りたい気持ちはよーく分かるよ。でもね、実行する前に「布団の中身は何?」って誰かに聞いてもいいんじゃない?

「あら、まーくんそうだったの」と苦笑いの母。
遠い昔、我が子がそんなことをしたら怒っていたはずの母も、孫には寛容だった。息子よ、君は孫でよかったね。

第2位 泥だんご事件

幼稚園時代、娘は泥だんごづくりにハマり、せっせと砂場で作っては、製作途中の泥だんご作品を下駄箱にそっと置いていた。

そんな娘が、小2のときに図書館で出会ったのが、ピカピカ泥だんごの作り方について書いてある絵本。久しぶりに砂場で泥だんごを作りたくなった娘は、園に弟を迎えがてら園庭の砂場で泥だんごを作ることにした。

娘は、絵本に書いてあった作り方を忠実に守り、時間をかけて綺麗なまんまるい泥だんごを作った。乾燥させる必要があったため、仕上げはまた今度…ということで大事にティッシュに包んで持って帰った。
「ちょっと持ってて」と娘に頼まれて、私がティッシュに包まれた泥だんごをそっと手のひらに持っていたら、息子がいきなりやってきて、何を思ったのか、いきなり泥だんごを握りつぶしてしまった。

まさかの出来事にショックを受けた娘はしばし呆然として、次の瞬間、大泣きした。そりゃ泣きたくもなるよね。だって、一生懸命作った作品だもん。これはまずいことをしたと思ったのか、息子はすぐに謝ったけど、娘はすぐに弟を許す気持ちにはなれなかった。そのうち、ふつふつと怒りが込み上げてきたようで、怒って自分の部屋に閉じこもった。そして、ドアには「入るな!!」の貼り紙が。それでも、怖いもの知らずの息子が部屋に入ろうとしたら、姉にぶたれて涙目で引き返してきた。

しばらくしてからもう一度謝りに行くと、娘から何やら紙切れを渡された模様。紙を開くと、「さっきはおこりすぎてごめん。」と書いてあり、娘と息子が手をつないでいる絵が描かれていた。なんだかんだ言っても、最後は許すんだなあ。
そういえば、そのときの手紙が残っているかもと思って探したみたら、あった、あった!

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そして、別のときの手紙も出てきた。覚えてないけど、これまた息子が何かやらかしちゃったときのものらしい。許してばっかりで娘も大変だったね 笑。

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ちなみに、息子に「なんで泥だんごをつぶしちゃったの?」と聞いたら、「泥だんごのかたさを確かめたかった」との返事。うーん、そうか。壊すつもりはなかったのか。どんまい、息子。

第1位 シンビジウム事件

映えある第1位は、シンビジウムの鉢植えのエピソード。

3月半ばのある日のこと、当時4歳だった息子は、ベランダにあったシンビジウムの鉢植えの変化に気づいた。「ママ、実がなっているよ!」と弾んだ声で報告してきた息子に、私は「それは実じゃなくて、お花のつぼみなんだよ。春になって、暖かくなったらきれいなお花が咲くよ」と教えた。

水をあげたいと言う息子に「じゃあお願いね」と水やりをしてもらった。「まゆちゃん、お花のつぼみがあるんだよ」と姉に向かって嬉しそうに話す声が聞こえてきた。微笑ましく思いながら、再びシンビジウムの鉢植えを見ると、さっきまであったつぼみが跡形もなく消え去り、ポツンと茎だけが寂しげに佇んでいた…。

この鉢植えは、今は亡き私の祖父から譲り受けたもので、形見として大切にしていた。毎年、春に花が咲くのをとても楽しみにしていた私は、思わず怒り口調で「つぼみはどこにやったの?!」と息子に問いただした。私の怒りに恐れおののいたのか「わかんない」を繰り返す息子。
ベランダのどこを探しても見当たらず、息子がベランダから外に放り投げたのかと思った。

息子が小さな声で「まゆちゃんは向こうに行ってて」と言ったので、娘にはその場を離れてもらい、息子と二人きりになった。すると、息子はズボンのポケットの中から、おそるおそるつぼみを5つ取り出した。
「なんでポケットに入れたの?」と聞くと、「みんなにあげたかった」とつぶやいた。なるほど、息子には息子なりの想いがあったんだ。

「みんなにあげたいというまさとの気持ちは分かるけど、つぼみを取ってしまったら、栄養がいかなくなって死んじゃうの。お花は咲かないんだよ」と伝えた。そして、息子と一緒に、シンビジウムの鉢植えに「ごめんなさい」をした。


改めて思い出してみると、どれも、好奇心旺盛で優しい息子らしい事件だった。そんな息子も今ではすっかり落ち着いて、いたってフツーの高校生になった。嬉しいような淋しいような。


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