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正岡子規『はて知らずの記』#33 八月十九日 黒沢尻→水沢→(汽車)

(正岡子規の『はて知らずの記』を紹介しています)

公園に寄り、汽車で帰る。


十九日、曇天。
小雨、折り折り来る。

秋の蝿 二尺のうちを 立ち去らず

午後の汽車にて
水沢に赴く。
当地、公園は町の南端にあり。
青森、仙台間、第一の公園なりとぞ。
桜、梅、桃、梨、
雑樹を栽う。
夜汽車に乗りて、
東京に向ふ。

背に吹くや 五十四郡の 秋の風


水沢

公園(→水沢公園)

駒形神社の祭礼なりとて商人の用意頻りなり。(初出)

水沢午後八・二四発(全集第13巻)


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