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正岡子規『はて知らずの記』#29 八月十五日 秋田→大曲

(正岡子規の『はて知らずの記』を紹介しています)

ほとんど人力車で南東へ。


十五日、秋田を発す。
御所野のほとり、縄手、
松、高うして
満地の清陰、
涼風、洗ふが如し。
鳥海山、復、
南の方、正面に屹峙す。
戸島より人車を駆る。
夕月、ほのかに
神宮寺山の頂に見ゆる頃、
玉川に架けたる
数町の長橋
を渡りて、
大曲に宿る。


秋田

御所野

鳥海山

戸島

神宮寺山(→神宮寺岳か)

玉川に架けたる数町の長橋(→玉川橋か)

大曲

⇒五百木飄亭(象潟見物を終え、これより帰ると連絡。朝、秋田の旅宿から発信)(全集第22巻)

小子めぐりめぐりて本日当地発これより帰途に就き申候 いづれ着京は五六日の内なるべしと存居候 昨日は象潟見物いたしまづまづ前ぶれだけの義理をすませ申候/松風の値をねきる残暑哉/(此頃大窮迫の体也)(全集第18巻、明治二十六年八月〔十五〕日五百木良三宛)


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