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人は雇用しない•••が。

【人は雇用しない、、、が。】

独立起業時に、いくつか決めた事の一つに、人を直接雇用しない、という事がある。

もちろん、自分が会社を経営する以上、収益をあげて雇用を生み出す事は、積極的にやっていくし、やってきた。今、当社のビジネスに何がしかの形で関わっていただいている人は、全国でゆうに500人は超えている。

しかし、この500人の方と雇用関係はない。(そもそも500人もの人を雇える程儲かってはいないが、)自分の会社での直接雇用はやらないという方針にした。
何故か?
それは、自分のサラリーマンの経験上、雇う側と雇われる側の溝は埋まってこないとの認識からだ。
要するに、人間は、最初は良くてもジワジワと手間がかかり、資産というより負債になる確率が高いからだ。人間、全部が全部、そうなると言っているわけではない。確率論の話である。

ベンチャーの共同創業者は必ず仲間割れを起こす。大企業の労使はコスト垂れ流しの馴れ合いだ。経営者が雇われである事と株主がユルイ事がそれを可能としている。もっぱら日本の雇われの管理者、経営者は、資本リスクを取っていない。ビタ一文自前の金を払うことなく、下から上がってきた点において元は社員と同じ労働者。どんなにきらびやかな学歴やキャリアがあろうとも、金を生み出す創業者ではなく、誰かが生み出した利益の配分を受ける労働側の人間なのである。したがって、そのメンタリティは、自分の任期中大過なく過ごしたい、リスクを取れる立場でもないし、とる気もない。労使で〝お互いうまくやろう〟の空気感で向き合っている。リアルな資本家、出資元に対し、労使談合でうまくやりたいという本音が見え隠れする。
これが、孫さん、三木谷さん、柳井さんなどのリスクをとった資本家との違いである。ちなみに日本のサラリーマン社長の多くは、彼等の事は苦手であり、たぶんキライなのだろう笑。

自分がやっていく仕事は仲間割れしている時間もないし、馴れ合える程の余裕もない。そこを履き違えて安易に雇ってしまうと大変だと直感した。今朝のNHK朝イチでも、労災問題、通勤途上災害を労働者側で特集されていた。解説委員が張り切って説明していたが、あれを見る限り世の中の経営者は人を雇うのは、リスクしかないと受け取ったはずである笑笑。

また、仕事の細かい雑事を〝経営者のやる仕事ではない〟として、人に任せるという向きもあるが、100%丸投げでやった場合、殆どは長続きしていない。カッコイイ仕事やデカい取引をやりたいのはわかるが、そんな仕事も膨大な雑用の上に成り立っているし、そこを誰かがやっているわけだ。
トップが目を通さない仕事は不正の温床となり、辻褄が合わなくなる。
ちなみに、いい仕事を選びたがるのは、二代目、三代目に多い。創業者のような細かい苦労なしにいきなり上に立つので、そこを学んでいない。気がつかなくて、そのままやってると殆ど行き止まりになっている。

大企業でも、年を取って上のポストで残った連中が〝仕事は下が全部やる。〟とか言っているが、これは笑止千万だ。下はやったように見せているだけ、要するにごまかしのスキルが日に日に向上しているだけの話である。おまえも若い頃、誤魔化してただろう?それを忘れたのか?笑という事だ。
今はコロナで飲みの接待が減り、もっぱらゴルフらしいが、幹部は平日週5日でゴルフ場回りする必要があるのだろうか。メンバーや組や茶店の会話を気にするより、壊れたシステムを直したり、お客さんからの苦情処理をした方が会社のためになるとは思うが笑。

秋葉原には、テレワークサボり用の自動カーソル作動機が売られていると聞く。
日本の給与水準が低いと嘆く報道が多いのは、そんな、馴れ合い、下が全部やる、上は何もやっていない事が原因の一端だろう。要するにかつてのような、真剣に取り組むインセンティブが働かなくなってしまったわけだ。いたずらに馬録をはむ勤め人を量産した戦後教育システムの宿痾は深刻である。

起業後、欧米や中国の経営者とも付き合っているが、そのバイタリティと頭脳のシャープさには舌を巻く。経営のスピードと合理性、革新性等、今の日本の経営者では彼ら相手に勝ち残る事は至難の業としか言いようがない。根回しと合意を旨とした日本型ムラ社会方式は、国際化やDX化には不向きなのは明らかだ。
それでも、そんな日本を愛するが故に、期待も込めて再成長の時を待ちたいものである。

私がやった(やっている)、フリーランス起業家の人を雇わない効率経営については、またの機会に書いてみたい。

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