遊興税

遊興税とは、料亭や遊郭での遊びに課せられた税金です。

大正8年、福岡の議会は満場一致で宴席消費税と呼ばれる遊興税を可決しました。それにより一人一回二円以上遊ぶと、5%の税金がとられることになったのです。

これに驚いた料理屋組合は、一致団結して遊興税反対同盟会を結成します。

しかし、国の内務省でも、大正9年に遊興税が認可されます。

これにより、博多の遊郭、柳町の客足も一時は遠のいたそうです。ですが、すぐに客足は戻ったようで税金に慣れてしまうのは、今も昔も変わりませんね。

大正15年には芸妓線香代と娼妓の花代の7%が遊興税としてとられることになります。

その代わり、飲食はどれだけしても税金はかかりませんでした。

政府は飲食は自ら制限があるが、芸娼妓と遊ぶのは酒肴と比較して限度も遊興気分もはるかに高い。

酌婦や仲居に課税しないのは、享楽気分も芸娼妓よりはるかに低いからだと説明しました。

この遊興税ですが戦時中の昭和14年には国税となり、それまで地方に入っていた税収が国に入るようになって税率も20%にあがります。

戦争が激しくなった昭和19年には300%(最初見た時は誤字かと思いましたが、本当のようです)と超高率となりました。

もっとも、昭和19年という時代に遊郭で遊べるのは、一部の金持ち、政治家や軍人くらいだったのでしょうが。

しかし、金額の三倍が税金とは恐ろしいものです。


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