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樋口一葉がスマホで書いたら?

樋口一葉の文体は歌舞伎の台詞と似ていると思う。

とにかく一文が長くて、文の終わりの。がつくまでに、いったい何ページあるのだと、そうツッコミを入れつつ、実際にページ数、はたまた文字数まで数えては、やっぱり一文の長さでは樋口一葉に敵うものはいないのではないか、だがそれでいて文書は小気味よく、引き付けられるのは、そのリズムがよいからで、これは歌舞伎の台詞と同じだな、もしかしたら日本人の遺伝子に刻みこまれているのではないかと思うと同時に、スマホの横書きだと、きっと読みづらいんだろうなと考えたわけである。

樋口一葉の作品では「たけくらべ」が好きだ。

物語の構図は「ロミオとジュリエット」「ウエストサイドストーリー」はたまた「ガンダム」などと同じで。

いわゆる、敵同士だけど恋仲になっちゃうやつである。

この「敵だけど好きなの」パターンは場所と時代を変えて、様々な名作と呼ばれるものに見られる王道パターンだ。

遊郭吉原の町を舞台に、少年少女達の淡い恋心の話なんだけど人に勧めると

「読みにくい!」

と言われてしまう。

言い回しや言葉が古いし、一文が長いのだと。

スマホの簡潔な文体に慣れてる人には、なかなかハードルが高いみたいだ。

歌舞伎の台詞もそうなのだが、長い文のリズムに慣れると、それが良いのだけど。

名文と言われるものは、時代や環境で変わっていくものなのだろう。

横書きと縦書きでも、イメージ変わるし。

でも、時代が経っても変わらない良さのある文もあるんだと思う。

いつか、そんな文を書きたいものです。

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