循環取引を始めると詰む理由

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

まずこんなニュースがありました。

東芝の連結子会社の東芝ITサービス(川崎市)で架空取引が見つかった問題で、同社が商品の売買契約を結んだシステム開発会社のネットワンシステムズ(東証1部上場)を含め、少なくとも5社が架空取引に関わっていたことが判明した。複数の関係者が明らかにした。複数の企業の間で、取引の実態がないのに帳簿上は実在するように装う「循環取引」が実行された疑いが出てきた。
システム開発会社の富士電機ITソリューション(非上場)と、リース会社のみずほ東芝リース(同)が架空取引に関与した疑いが新たに判明した。2019年4~9月期に、ネットワンと、システム開発会社の日鉄ソリューションズ(東証1部上場)の間に他社をはさむ形で機器の取引が2巡する契約になっていた。東芝IT、富士電機IT、みずほ東芝の3社が介在している。その後、日鉄ソリューションズからネットワンに機器が販売され、取引が一巡した形になっているが、実際に機器が取引された形跡は見つかっていないという。

どうやら、架空取引による循環取引があったようですね。

この一連の取引の中心にいたと考えられている、上場企業であるネットワンの決算をもとにどのような循環取引が行われていたのか考えていこうと思います。

ですが、今回はネットワンの決算を見る前にそもそも循環取引って何?
それをするとどうなってしまうの?ってことを考えていきましょう。

循環取引って何?

循環取引とは複数社の中で取引を回すことで、例えばA社B社C社の中でDという商品をA→Bへ1億円で販売、B→Cへ1億円で販売、C→A社へ1億円で販売する、といった事をします、値段はその中で増減する事も多いですね。

結局戻ってきてしまって、一見意味のなさそうに見えますが、どうしてこんなことをするのでしょうか?

例えば、決算を跨がせることで業績を良く見せることが出来ます。
業績を良く見せたい企業、上場企業や融資を受けたい中小企業などが行ったりしますね。

3月決算の企業が、3月に循環取引を行い架空取引で1億円を売り上げ、翌4月に買い戻したとしましょう。
そうすると循環取引を始めた年には1億円ほど利益が増えることになります。

そうすると循環取引を始めた年は1億円の利益を得られますが、商品が戻ってきてしまう翌期には、仕入れが増えますから1億円のマイナスを抱えることになります。

そうなってしまうと、翌期もまた同じように循環取引をしなくてはいけなくなりますね、さらに利益を増やそうと思えば金額を大きくしなければいけなくなりますよね、マイナス1億円からのスタートなので今度は1億以上の金額をやらなければプラスにならない訳です。

その他の循環取引の理由としては、売上高が増えるので売り上げ目標を達成できます。

ですが目標を達成すると、翌期の目標は当然現状より高い水準になりますよね。

そうすると今後はやめられないだけではなく、金額を拡大していかないといけなくなります。
どんどん金額が膨らんでいって、本当にどうしようもなくなるラインまでやめられなくなってしまうわけです。

という事で、循環取引をしてしまうとやめられなくなってしまい、どんどん金額を大きくしていかなければいけなくなります。
なので、目の前の目標を達成するために一度だけならという気持ちで循環取引を始めてしまったら、確実に詰みますので止めておきましょうって話でした。

次回はネットワンシステムの決算から、循環取引の内容を考えてみますのでそちらもぜひご覧ください。

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