スバルの決算に見る配当性向74.7%の理由

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今日見ていくのは株式会社SUBARUです。
もちろん自動車メーカーですね、そのスバルですがこんなニュースがありました。

SUBARU(スバル)は15日、2020年の世界生産台数計画を19年と比べて11%増やし、過去最高となる110万台をめざすと発表した。米国で多目的スポーツ車(SUV)の販売が好調に推移しており、需要増に対応する。国内生産は11%増の69万台を計画する。完成車検査不正問題への対応から調整していた操業を本格的に戻す。
海外生産は11%増の41万台と過去最高を見込む。19年実績は18年比3%増の36万9000台だった。

どうやらスバルは過去最高の生産台数を計画しているようですね、特に海外生産が最高となるのが要因のようです。

それでは、こちらの資料をご覧ください。

2020年3月期 第2四半期 決算説明会

非常に好業績ですね、売り上げは1142憶円増加していますし、利益も252憶円増加しています。

生産台数過去最高を目指すというのも納得の状況ですね。

続いてこちらの資料をご覧ください。

2020年3月期 第2四半期 決算説明会

スバルの増収増益の要因は、北米市場の大幅な伸びにある事が分かります。
だからこそ、先ほどのニュースの通り海外生産が過去最高を目指すことになったわけですね。

面白いポイント!!高配当性向

ちなみに配当性向とは利益のうち何パーセントを配当金として支払っているのかです。
100億利益が出ていて20億配当として支払っていれば、配当性向は20%になるというわけです。
日本企業の平均は20から30%程度です。

続いてこちらの資料をご覧ください

2020年3月期 第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結)

非常に多額の配当金を出していることが分かります。
昨年の実績だと、配当性向は74.7%であり非常に高い数値です。
利益のほぼ全て、といっていいほどの配当金を支払っています。

ではなぜこんなにも配当性向が高いのでしょうか?

その理由は2つあります。

まず一つ目は、トヨタという大株主がいることにあります。
トヨタはスバルの20%を保有する大株主です(配当時点では約17%)、さらにトヨタから役員が送り込まれています。

配当金の20%はトヨタが得られるわけですから、その影響力を活かして高配当にしたいのは当然の事でしょう。

トヨタは2019年に出資比率を引き上げて持分法適用会社としましたが、それまではその他有価証券として保有ため、配当でしか利益を計上する方法がなかったのでなおさらでしょう。(持分法について分からない方は、以前持分法について書いた記事がこちら)

いまの説明が意味が分からなかった方に単純に説明すると、トヨタは、スバルに出資したはいいけど会計的に利益を得る方法が配当しかなかったという事です。

そして二つ目の理由は、2番目の資料を見てもらうと分かりますが、北米の売上が最大だという事です。
アメリカなどでは、株主還元についての目が非常に厳しいです。北米(アメリカ)が最大の市場であるスバルにとってアメリカでのイメージの向上というのは非常に重要であり、株主還元をしっかりやっている会社だというイメージは大切なわけです。

スバルの未来!!

スバルが配当性向を今後下げる事は難しいと考えられます。
つまり会社にお金がたまっていかないという事です、自動運転時代を迎える自動車産業において、大きな資金が必要になる可能性がありますから資金力をもつ会社とくっつく可能性は高いですね。

はっきり言ってしまえば大株主のトヨタです、トヨタからしても北米で人気のスバルのブランドは魅力的です。

2019年にも出資比率を引き上げていますが、今後も出資比率を引き上げていく可能性が高いので注目です!!

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