三陽商会の決算にみる身売りの可能性

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今日見ていくのは三陽商会株式会社です。
1970年にバーバリーとライセンス契約を結び、日本でのバーバリー製品の企画開発、販売で大きく成長を遂げたアパレル企業です。
しかし、2015年にバーバリーとの契約が打ち切られて以降業績は大きく低迷し今期で4期連続で最終赤字の見通しとなっています。
百貨店が売り上げのメインという事もあり、百貨店の不振が業績不振に直結しているのですね。

このようなニュースかありました。

三陽商会に、同社の株式約5%を保持する米国の資産運用会社RMBキャピタルが身売りの検討を求めたとブルームバーグが報じた。三陽商会は、バーバリーライセンスを手放して以来、新規ブランドの立ち上げや新規ライセンス展開が不調で赤字決算が続き、株価低迷が長期化している。
 報道によると、RMBキャピタルが昨年12月に三陽商会の経営陣に対し、書簡で会社売却を提案。文書では、2018年の希望退職募集や広告宣伝費増加など戦略的に投資を行ったにもかかわらず業績は回復せず、資本が大幅に毀損したと指摘。優秀な社員などの価値ある資産を守るほか、成長に向けた投資が今後も不可欠とし、より大きな資本の傘下で長期的な事業立て直しを図るべきだと主張している。売却先候補は戦略的パートナーや他のアパレルメーカーなどとしているが、具体名には言及していないという。

どうやら株主が身売りの提案をしたようです、今回は身売りの可能性がどの程度あるのかについて見ていきましょう。

まずこちらの資料をご覧下さい。

昨期に引き続き、20億円の営業赤字となっており純利益ベースでは-8億円から-15億円へと赤字幅を拡大させていることが分かります。

実は三陽商会は全従業員の4分の1にもなる247名ほどの早期退職を行っており、この費用は前期に計上されています
つまり人件費を大幅にカットしても利益が改善していないという事なんですね、次の打つ手あるのという厳しい状態です。

続いてこちらの資料をご覧ください

借入を億円増やしながらも80億円も現金預金が減っている事が分かりますね。

これは退職金について費用計上は前期だったが、支払いが今期だったという要因はありますが退職金支払い後の第二四半期の時点で、現預金は147億ほどありましたから僅か半年で40億円もの現金を失っているという事です。

さらに三陽商会は売上高が減少傾向にあるにも関わらず、在庫の金額が変微増であることから過剰在庫気味なこともキャッシュフロー悪化の一因でしょう

どのような評価方法をとっているか分かりませんが、過剰在庫については評価損のリスクがありますので今後の業績の押し下げリスクもありそうです。

まとめ!!

という事で、コストカットしてもキャッシュアウトは止まっておらず在庫の評価減という収益性にもリスクを抱えている状態です。
このペースでキャッシュアウトが続くようであれば、今後資金繰りに困るようなことが出てくるでしょうし身売りという可能性は十分に考えられるでしょう、また在庫の評価減による赤字が続くことになれば株主からの要求も大きくなりそうです。

という事で近々身売りの可能性は十分あり得ると考えます!!

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