エフピコの決算から考える今後の業績とプラスチック業界の難しさ

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回みていくのは株式会社エフピコです。
この会社の決算読んで欲しいという要望を大募集します!!にてご要望いただいた会社で、食品用のトレーを扱っている会社です。
お弁当が入っていたりするあれです。

エフピコは基本的にプラスチックトレーを扱っていますので、最近の脱炭素、脱プラスチックの流れからすると先行きは不透明な気がしますね。

今回はそんなエフピコの今後について考えていきましょう。

それではまずこちらの資料をご覧ください。

売上高は4.5%増の472.2億円、営業利益は24.5%増の36.4億円、純利益は27.4%増の24.6億円となっており増収増益となっている事が分かります。

SDGsなどが盛り上がりを見せ、脱炭素の問題やマイクロプラスチックの問題が話題となっており、レジ袋も有料化するなどプラスチックに対しては厳しい視線が向けられ、難しい状況にありそうでしたが、どうして増収増益と好調だったのでしょうか?

増収増益となった要因としては、新型コロナによって休業した飲食店向けの梱包資材が減少してしまった一方で、テイクアウト向けの需要が増え、さらに飲食店が休業した事でスーパーマーケットの食品が好調となった事で、食品用の需要が増えトータルでは増収増益となったようです。

フードデリバリーは今回の新型コロナでかなり普及しましたし、サービス提供地域も都心限定だったところから地方への拡大も進み、さらに市場規模も成長の見通しですから長期的に好影響がありそうです。

ただし、プラスチック製品への目が厳しくなっているという事は変わりませんから、むしろフードデリバリーが増えてプラ容器の使用量が増えるとやり玉に挙がってしまう可能性がありそうなのは要注意ですね。

消費者目線で見ても、プラスチックの容器はリサイクルが必要なため、捨てる際にも洗って分別しないといけないので若干面倒だというのもありますので、変化が起きる事に対して消費者からの抵抗も少なそうです。

続いてこちらの資料をご覧ください。

エフピコは積極的にAIや自動化機械を投入することで生産性の向上を図っているようで、さらに九州、福山、中部に配送センターを作るなど自社物流網の整備も進めており、積極的に投資を進めている事が分かります。

こういったトレーはファンがつくたぐいのものでは無く、価格が最も競争力となるでしょうから、積極的にコストダウンを図っていくという事ですね。

また、今後は製品に対する行政からの要求水準が高くなっていく事も予測されますので、価格だけでなくよりエコでリサイクル可能な製品力も必要になっていく可能性が高いので、研究開発も進めていかなければいけないでしょう。

そう考えるとプラスチック市場が今後厳しそうだからと言って投資を減らして、利益率を上げていくというのは難しそうです。

つまり余力があまりないという事で、新規事業への投資や、プラスチックに代る新素材の発明などのパラダイムシフトが起きた時には対応しづらいかもしれません。

実際に設備投資金額は211.9%増の33.8億円となっている事が分かります。
通期では14.5%増に留める計画のようですが、研究開発も18.5%増の計画ですから、投資を積極的に増やしていっている事が分かりますね。

また今後はリサイクルを増強するESG投資拡大をしていくとしています、プラスチックへのあたりが厳しくなっている中で積極的に社会性をアピールしていく必要があるという事でしょう。

ちなみにESGとは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字をとったもので、単純に言うとお金儲けだけじゃなくて環境とか社会とか全体の事を考えようねっていう最近の流行りです。

今はESGをしっかししているところにしか投資しないよ(ESG投資するよ)と発表している機関投資家が増えてきましたので、この辺をしっかりしていかないと株価が上がらないという状況になっている事もあり、各業界で積極的に進んでいる動きです。

続いてこちらの資料をご覧ください。

実際にエフピコはこれだけの場所を取って働き方改革や、循環型社会に向けた取り組み、ESG・SDGsへの取り組みを紹介しいる事が分かります。

続いてこちらの資料をご覧下さい。

今後の施策としては、新たなマーケットとしてオリジナル製品である-40℃~110℃の耐寒、耐熱容器を活かして冷凍食品事業へ進出していくようです。

新型コロナも追い風となった事もありますし、冷凍食品自体の品質がかなり上がったという事もあり、冷凍食品市場は今後も成長が予測されている業界です。
また、冷凍食品は配食サービスとも相性がいいので、高齢化が進む中でさらに伸びていくと考えていますので期待できる施策のではないかと思います。

という事で新型コロナの影響もありフードデリバリー向けが伸びていますし、さらに冷凍食品向けなど成長市場で商品が売れますし、効率化や配送網の整備などの投資も積極的に進めていますので、好業績が続くのではないかと予測します!!

ただし、価格競争のための設備投資もやめられませんし、環境意識の高まりや脱プラの流れの中で、環境配慮のための研究開発も止められない、さらに社会的な取り組みのための改革も進めていく必要があり余裕があるとはいえない状況です。

となると消費者の意識に変化が起こり、多少コストが上がっても環境にいいものを使いたいという層がマジョリティーになる事や、大きなイノベーションが起こりプラスチックよりエコで低コストな新素材が開発される事などの、パラダイムシフトに対応出来る余力がありそうでは無い点には注意が必要です。

そもそも、プラスチック容器がこれだけ利用されているのは、加工が簡単でコストが低く大量生産できるというメリットがあるからです。
こういったメリットが活かせなくなるような変化があるのかに、注視する必要がありそうです!!

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