ソフトバンクの決算から考える今後の業績と対楽天モバイルではソフトバンクが一番強い話②

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回も見ていくのはソフトバンク株式会社です。
この記事は以下の記事の続きとなりますのでそちらからご覧ください。
ソフトバンクの決算から考える今後の業績と対楽天モバイルではソフトバンクが一番強い話①

前回の記事では、ソフトバンクはまだまだコンシューマ事業(個人向けの通信事業)がメインでだという話しました。

早速ですがこちらの資料をご覧ください。

その通信事業では2023年にはスマホ3000万台契約を目指している事が分かります。

また、今後はソフトバンクも新領域やヤフー、LINEといった事業を活かして成長戦略を練っているようで、あくまでその土台にいるのは通信だという事が分かります。

通信事業で安定的に利益を出して、それを投資して伸ばしていこうという事ですね。

なので通信事業は、短期的にもまだまだ利益の大半を占めていて重要ですし、長期的に拡大事業の土台として安定して利益を出す必要があるわけです。

という事で今回の記事では、ソフトバンクの今後の業績を考えるうえで非常に重要な通信事業の最大の懸念点となるであろう対楽天モバイルについて考えていこうと思います。

ちなみに前回の記事でも少し触れましたが、対楽天モバイルに関して3大キャリアの中で最も強いのはソフトバンクだと考えています。

その理由を考えるために、まずはソフトバンクの今後の戦略について見ていきましょう。

まずソフトバンクは今後営業利益1兆円を目指しているようで、そのために重要戦略としているのがpaypayのプラットフォーム戦略です。

スマホ決済のPayPayは3000万ユーザーまで伸びている事が分かります。

スマホ決済サービスは乱立して、少し前は各社が高還元のキャンペーンを行っていましたが最近は落ち着き始めPayPayが一歩抜け出した感じはありますよね。

現状は決済サービスの種類が多過ぎて不便だとの批判もありますし、体力が無くなっていく所も出てくるでしょうから、今後は統廃合が進む可能性があります。

そんな中でPayPayは最後まで残るサービスの1つとなった事は間違いないですね。

そしてプラットフォーム化戦略として、具体的には金融サービス、モバイル、eコマースをPayPay上に統合していこうとしている事が分かります。

そのために既存の各種金融サービス名をPayPayに統一することを決めており、PayPayを起点としてサービス普及する事に対してかなりの本気度だと分かりますね。

さらに、資産運用や配車やホテル予約などへもサービスを拡大して多様なサービスがシームレスに繋げていくようです。

決済を取っているというのは非常に強いですよね、決済サービスへ登録してあるという事は他のサービス利用時に支払い情報の登録作業が要らないので、ユーザー体験がいいのは間違いないです。

中国ではアリバアやテンセントといった企業が決済を起点として、様々なサービスをシームレスにつなげ、いわゆるスーパーアプリ化しています。
ソフトバンクもそこを目指しているわけです。

ただ中国では既存の金融や決済サービスが不便だった事から、決済サービスを容易にしたことでスーパーアプリが生まれましたが、金融が発達している日本ではスーパーアプリが生まれるかというと、個人的にはなさそうだとは思っています。

別にホテル予約するのなら現地でクレカで払うからいいやって方も多そうですよね。

とはいえ、楽天のように一定の経済圏を作る事は可能ですから、ソフトバンクもその様になっていく可能性は十分にあります。

どちらが強いかといわれれば、個人的には金融とコマースを取っている楽天の方が取れる施策が多く強いのではないかと思っています。

楽天との関係で考えると、金融コマースを取って経済圏を作り通信に進出してきた楽天と、通信と決済を取りコマースや金融につなげ経済圏を作ろうとしているソフトバンクという構図ですかね。

そして、この経済圏の構築という考えは今後の通信事業を考えるうえで非常に重要です。

楽天も先日発表したプランでは自社回線内では無制限に利用可能で2980円というかなりの格安プランでモバイル市場に参入してきました。

これだけの格安プランを提示できるのは、もちろん新規参入で無理してでもシェアを奪う必要があるという事もありますが、最終的に楽天経済圏全体で利益を出せばいいので価格を下げていけるという理由もあります。

スマホ代の支払いにカード作ったらポイントつくよ、ポイント利用してコマースで安く買えるよ、投資にも使えるよ、ポイントはEdyにチャージ出来るからEdy使ったらいいよ的な感じですね。

という事はソフトバンクも経済圏を構築出来れば、経済圏全体で利益を出せばいいので価格競争に強くなるわけです。

それに新規参入の楽天モバイルほど、価格を下げる必要もないはずですので、楽天に比べ利益率も高水準を維持出来るでしょう。

もうひとつソフトバンクが強くなると考えているのはイメージアップです。
これまでソフトバンクは新規参入のイメージが強く他2社と比べて電波状況が悪いなんて声も多かったですよね。

しかし、これからの比較対象は楽天とその他3社と、なっていく事が予想できます。
なので楽天の参入で、何となく1ランク下のソフトバンクというイメージが無くなるのではないでしょうか。

また、既存のユーザーをPayPay経済圏に取り込んでいく施策を取っていくのでしょうから、そうなれば楽天経済圏に移行する必要がないため、既存のソフトバンクユーザーも奪われにくいですよね。

なのでソフトバンクは対楽天で1番強いだろうと考えています。

一方でドコモやKDDIは経済圏を構築できるような状況にはありません。
特にドコモでは決済事業で拡大を続けていましたが、不正利用問題もあり決済事業への信頼が揺らいでいますよね。

さらにNTTという通信のレガシー企業の完全子会社になってしまった事で、ドコモはさらに厳しくなったのではないかと思っています。

NTTはほとんど通信一本の事業でやってきた会社ですので、経済圏で利益を生む、つまり通信を入り口としてそれ以外で稼ぐという企業文化が無いのではないでしょうか。

総務省の要請もあり一定の値下げを各社が行っていく事になるのでしょうが、ドコモは十分に利益が確保出来る水準以下で勝負する事が難しいと考えています。

なので長期的に見てみると一番楽天にシェアを奪われてしまうのはドコモなのではないでしょうか。

今後数年は楽天も基地局の整備を進める段階で、3大キャリアのライバルとなれるような状況ではないでしょうから、ソフトバンクは楽天の通信の見通しが立つまでに経済圏を構築していけるかが重要そうです。

なのでペイペイを起点として経済圏を構築することが出来れば、ソフトバンクの業績も好調が続くと予測します!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?