サイバーエージェントの決算に見る今後と、視聴回数増加と利益は比例しない話

どうもコージです! 私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。 そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回見ていくのは株式会社サイバーエージェントです。
ウェブ広告やゲームアプリ、ABEMAを運営している事なんかでも有名な企業ですね。

こんなニュースがありました。

サイバーの純利益4.4倍 10~3月、広告・ゲーム好調

サイバーエージェントが22日に発表した2019年10月~20年3月期の連結決算は、純利益が前年同期比4.4倍の47億円だった。インターネット広告や、新作がヒットしたゲーム事業が好調だった。ただ足元では消費停滞を受けて企業が広告出稿を減らしており、新型コロナウイルスまん延による影響も出ているという。

売上高は7%増の2448億円、営業利益は45%増の202億円だった。広告事業は大型案件が増え、部門別営業利益は28%増の123億円だった。ゲーム事業の部門別営業利益は46%増の155億円だった。インターネットテレビ「アベマ」を含むメディア事業は92億円の営業赤字で、前年同期(90億円の赤字)と同水準だった。外出自粛を受けた「巣ごもり需要」もあり利用者数が増えたが、販促費も増えた。

新型コロナにより「3月に入って広告のキャンセルが発生し、4~6月期以降は影響を免れない」(藤田晋社長)見通しだ。ただ20年9月期の通期業績予想はもともと保守的だったことに加え、上期は想定以上に好調だったとして据え置いた。売上高は4650億円(前期比3%増)、純利益は80億~100億円(同4.7~5.9倍)を見込んでいる。

どうやら2019年10月~2020年3月期において、サイバーエージェントは好決算を発表したようです。
しかし、新型コロナの影響により3月以降は広告のキャンセルも発生しておりその影響があるという見通しのようです。

それでは、今回はそんな好調なサイバーエージェントの今後を考えていきましょう。

まずはこちらの資料をご覧ください。

ニュースの通りで売上高は7.3%増の2448億円、営業利益は45%増の202億円となっていることが分かります。
非常に好調な事が分かりますね。

続いてこちらの資料をご覧ください。

四半期で見てみると、メディア、広告、ゲーム全ての事業において、売上高が増加していて営業利益も、広告は23.7%ゲームは39.8%増とかなり好調な事が分かります。

メディア事業は赤字ですが、これはABEMAに対する先行投資が理由です。
サイバーエージェントは利益が出ている事業を利用して、先行投資を行い利益が出る事業に持っていくというサイクルを繰り返して成長してきました、現在はその投資先がABEMAだという事ですので、会社として赤字は織り込み済みです。

新型コロナの影響で自粛が続いていますが、あまり影響を受けにくい、もしくは需要が増加する事業が多いですよね。

という事はサイバーエージェントは今後大きく業績が向上するのでしょうか?

これもニュースにもありましたが、緊急事態宣言によって広告需要の減少が起きている事が分かります。
例えばこの時期に旅行業者が広告を出す事はありませんよね、業界によっては広告を出す意味が無くなっているという事です。
さらに資金繰りが悪化した企業なども広告費は控えるはずですね。

もちろん需要の減少が起きると、価格も下落します。
なので広告の数自体も減っていますし、価格も下がってるという事でダブルパンチでダメージを受けるのですね。

また、ゲーム事業も好調ですが巣籠りが起きると、スマホゲームというのはそこまで伸びてないのではないかと考えています。
もちろん、金銭的にダメージを受けた方がお金を落とさなくなる、広告事業と同じように、ゲーム内の広告収益も悪化するというのも理由です。

それだけではなく、その他にも理由があると考えています。
それは、隙間時間が減っているという事です、家にいる時間が増えるとこれまであった移動などの隙間時間が無くなっているという事です。

スマホゲームやっている時間は、移動などの隙間時間が多いのではないでしょうか、隙間時間の減少はそのまま利用時間の減少に繋がっている可能性があります。

とはいえ、隙間以外の使える時間自体は増えているのだしプレイ時間が増えている可能性もあるわけですが、ニンテンドースイッチの大人気からも分かるように、隙間時間が無くなりがっつり時間を取りやすくなると、ゲームをするときにはスマホよりもっとハード面がしっかりしたものを利用しているのではないでしょうか。

続いてこちらの資料をご覧ください。

ABEMAに関しては、巣籠り需要でWAU(1週間あたりの利用者数)が凄い勢いで増加している事が分かります。

有料会員数も非常に大きく伸びていますが、WAUの増加に比べれば緩やかですよね。

その要因はABEMAは若年層に強みがあることだと考えられます、月額960円ほどですが学生からすると必ずしも安いと言える金額ではないので、WAUの増加のわりに有料会員が伸びていないのでしょう。

ABEMAの収益源は広告と有料会員からの課金です。
広告は他の事業と同じように需要も単価も下落しているでしょうし、有料会員も若年層は継続率がそこまで高くは無いのではないでしょうか。
WAUは大きく伸びていますが、大きく業績が向上する可能は高くなさそうです。

サイバーエージェントの未来!!

これまでさんざんリスクを述べてきましたが、基本的には広告もゲームも需要が無くなる事はありませんし、ABEMAも視聴者数が増えたという事は、そこからファンも増えるので成長していく可能性が高いでしょう。

何を伝えたかったのかというと、広告収入モデルの事業は、利用時間や再生数に比例して伸びるわけじゃないよってことです。

例えば巣籠りでyoutubeの視聴数が伸びているのでyoutuberは今めっちゃ儲かってそうとかって声を聞きます。
ですが、そもそも広告単価落ちてるからそうじゃないんじゃないのって事なわけです。

という事でサイバーエージェントも、巣ごもりでWeb広告を見る時間が増えても、スマホゲームの時間が増えていたとしても、abemaの視聴者数が増えていたとしても、利益も比例して増えているわけではありません。
安定して利益は出せるでしょうが業績が予想以上に伸びる可能性は低い事を予測します!!

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