いきなりステーキ(ペッパーフードサービス)の決算にみる株価が下がると倒産する可能性がある理由

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今日見ていくのは、いきなりステーキを運営する株式会社ペッパーフードサービスです。

こんなニュースがありました。

いきなり!ステーキ」運営のペッパーフードサービス、上場以来初の営業赤字
 「いきなり!ステーキ」などを展開する(株)ペッパーフードサービス(TSR企業コード: 292855524、墨田区、東証1部)は2月14日、2019年12月期(連結)を発表した。
 売上高は675億1300万円(前期比6.3%増)だった。損益は、営業利益が7100万円の赤字(前期は38億6300万円の黒字)、当期純利益が 27億700万円の赤字(同1億2100万円の赤字)だった。営業利益が赤字になるのは、上場以来初めて。最終利益は2期連続の赤字と苦戦が続く。
 「いきなり!ステーキ」の店舗同士が競合したほか、店舗閉鎖による特別損失の計上が影響した。2019年12月末時点の現預金も24億6900万円(前期末67億3200万円)と大幅に減少した。純資産も2019年12月期末で5億9600万円(同37億4500万円)まで落ち込んだ。
 2020年12月期(連結)の業績予想は614億100万円(2019年12月期比9.1%減)、営業利益5億8200万円、当期純利益2300万円と黒字転換を計画している。
 なお、ペッパーフードサービスは1月15日、第三者割当増資で最大69億円を調達する計画を発表している。

どうやら業績不振で2期連続の赤字となってしまったようです。
来期は営業利益は5億8200万の黒字見込みという事ですが、この数字を達成するには既存店の売り上げが大幅に改善しなければならないので難しそうです。

さらに、第三者割当増資で最大69億円を調達する計画だそうです、ということは財務状況が厳しいという事ですね。
まずは財務状況を見ていきましょう。

資料が多くなってしまいましたが、1枚目の資料の通り純資産は6億ほどしかなく自己資本比率は2%という危険水準にあります。

さらに、2枚目の資料の赤丸部分が手元資金で47億程です。
さらに3枚目の資料の赤丸が短期的に支払いが必要な金額で75億~107億ほどあり資金調達が必要であることが分かりますね。

では、その資金調達はどのような方法でするのか見ていきましょう。

新株予約権による資金調達!!

こちらの資金調達に関する資料をご覧ください

資金調達の方法が新株予約権である事が分かりますね、ストックオプションとも呼ばれているものです。

新株予約権って何?

新株予約権とはその名の通り、新しい株式を買う予約をする権利です。
この予約とは値段に対する予約の事で、1株500円で買えるよといった予約をしておきます。
現在の株価が500円だとすると、株価が1000円になる時まで待っていれば500円安く変えて得しますよね。

今回はSMBC日興証券を引受先として5万2000個、520万株分の新株予約権を発行しています。

ではいくらの株価で予約してあるのでしょうか

当初の行使価格を契約締結時の株価1332円として、それ以降は行使日前日の株価の92%となり下限を666円とするようです。

つまり前日の株価が1000円の日に権利行使をすれば、920円で株式を購入することになるという事ですね。

改めて最初のニュースを見てみましょう。

なお、ペッパーフードサービスは1月15日、第三者割当増資で最大69億円を調達する計画を発表している。

つまり最大69億円というのは520万株×1332円の場合という事になりますね。

ペッパーフードの未来!!

これまでにすでに169万株分権利行使されていますが、資金調達できた額はまだ12億円程度です。

2020年2月27日現在の株価は756円と1332円から大幅に下落しています。
つまり現在行使されると756円×92%=699円となり
残りの351万株が現在の株価で行使されたとしても調達額は24億円ほどになり合計でも36億円ほどしか調達できないことになります。

という事は当初の計画に対して半分程度の金額しか資金調達が出来ず、資金繰りが厳しい状況が続いてしまう可能性が高そうです。

さらに言えば株価が下限の666円を下回ってしまうとSMBC日興証券からすると権利行使する理由がなくなります(市場から買ったほうが安い)ので、さらに資金調達が出来なくなってしまう可能性があるという事です。

つまり株価の下落がそのまま倒産という可能性にも直結しているという事ですね。

今後株価の下落傾向が続くようだと、調達額が足りなくなってしまう可能性があり、新たな資金調達が必要となります。
新たな資金調達がさらなる希薄化要因となり、株価の下落が続く可能性が高そうです。

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