Makuakeの決算から考えるクラウドファンディング企業の今後

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今回見ていくのは株式会社マクアケです、国内クラウドファンディングサイト大手の1つですね。

さて、こんなニュースがありました。

<マザーズ>マクアケが時価総額1000億円超え 今期売上高予想を大幅上方修正
2020/7/22 9:45日本経済新聞 電子版
(9時35分、コード4479)クラウドファンディングのプラットホームを運営するマクアケが上昇している。前日比770円(9.4%)高い9000円まで上昇し、連日で上場来高値を更新。時価総額は初めて1000億円を超えた。21日、2020年9月期の単独売上高が前期の2.2倍の29億7400万円(従来予想は同63%増の21億8700万円)になりそうだと発表した。

どうやらマクアケは売上予想を上方修正した事により株価が上昇し、なんと時価総額が1000億円を超えたようです。

新型コロナによって各所が大きなダメージを受け、その支援策としてもクラウドファンディングは盛り上がっていましたから好業績となったと考えられますね。

今回はそんなマクアケの今後について考えていきましょう。

売上高は128.2%増の20.9億円、営業利益は842.7%増の5.3億円、純利益は747%増の3.5億円となっており業績が大きく伸びている事が分かります。

また応援購入総額(マクアケは支援額の20%を手数料として取って売上としているのでクラウドファンディング自体の支援額はもっと多い)も37.9億円から94.1億円へと大幅に上昇している事が分かります。

なぜこれだけの成長をしたのかというと、クラウドファンディング自体が成長市場だった事に加えて、新型コロナが追い風となり市場規模がかなり拡大したからのようです。

同業のCAMPFIREは2020年5月の単月で流通額が前年同月比590%の38.9億円となるほどの好調だったようです。

結局のところ企業の成長力は市場の成長力次第ですから、市場自体が大きく成長している事は非常に強いですね。

続いてこちらの資料をご覧ください。

今回の新型コロナでは、支援策の1つとして盛り上がりを見せていたクラウドファンディングですが、実行者がマクアケを利用する主な目的は新サービスのプレマーケティングである事が分かります。

クラウドファンディングは受注生産の側面がありますから、在庫リスクを減らしながら需要調査したりクラウドファンディング自体をPRとして利用したりするのですね。

数年前だと「クラウドファンディングで何百万円集めた商品!!」というものがかなりのPRとなっていましたよね。

それに、クラウドファンディングは予約販売の側面も持っていて資金の回収が先になりますから、個人や小規模のチームのような資金力のないところは、新サービス開発の資金源として利用する事も可能です。

そしてマクアケはそのプレマーケティングのための市場を0次流通と呼んでおり、新サービスをスモールスタートする場としてマクアケを伸ばしていこうとしている事が分かります。

もの凄く当たり前の事をいいますが、ユーザー数が増えれば新サービスを提供したい人も増え、それを購入したいユーザーが増えるという好循環になりますので、ユーザー数が伸びていくかが非常に重要です。

続いてこちらの資料をご覧ください。

コロナ禍での変化としては、実行者側のこれまではオフラインの店舗や展示会で新商品をデビューさせていた人たちが、その場所が無くなったという事でオンラインへ流れてきたようです。

支援者側も新型コロナで困っている方を支援したいという事で新しく登録した方も多く、応援型購入的消費が浸透したとしています。

会員数は前期の60万人から108万人へ、UU(ユニークユーザー)は414万人1140万人へともの凄い急拡大しており、これだけユーザーが増えれば実行者側からしても「1度やってやり方も分かったし、ユーザー数も多いし今後もオンラインで十分だよね」となるケースも多そうです。

そうなれば面白いサービスが増え、それを買いたいユーザが増えるという好循環へ進んでいく可能性が高く今後も成長が期待できそうです。

実際にマクアケも今期の業績予測を上方修正していて売上高が121.2%増の29.7億円、営業利益は284.3%増の4.8億円の見通しを立てています。

しかし今回の決算と比べてみると、売上は好調を維持する見通しですが、利益面ではすでに営業利益は5.3億円あったわけですから、そこから5千万円減少する見通しとなっている事が分かります。

どうして利益は減少してしまうのでしょうか?

どうやら広告を積極的に打っていくようで、その影響で利益は現状より減少してしまうようです。

先ほども書いたようにユーザーが多いところにサービス提供者も集まりますし、サービス提供者の多いところにユーザーも集まりますから積極的に広告を打っていくのは重要です。

数年前までは、一部からは怪しい目で見られていてあまり大衆化していなかったイメージのあるクラウドファンディングですが、新型コロナの件もあり流石にそういったイメージを持っている方はほとんどいなくなったでしょうから、大衆向けに広告を打っていくのにもいい時期なのではないでしょうか。

続いてはこちらの資料をご覧ください。

マクアケが狙っている新商品のオンラインデビュー市場規模は、今後5年で7400億円から1兆円へと成長していく見込みのようで、その中でマクアケは現在の数百億円のシェアから数千億円のシェア獲得を目指していくようです。

個人的にはこの通りのシェア拡大が出来るかについては懐疑的です。

クラウドファンディングのプラットフォームというのは、ITの世界でよく言われるような「ウィナーテイクオール (検索がグーグルの1強になるような勝者総取りの事)」の世界では無いと考えているからです。

なぜならクラウドファンディングの実行者からすると、自身のサービスが大量の他のサービスの中に埋もれてしまうのは大きなリスクだからです。

埋もれにくくそれなりに目立ちやすいところで勝負したいはずですから、中規模のところを含めて結構多くのプラットフォームが残っていく事になりそうだと考えています。

という事でマクアケは、新型コロナも追い風となりサービスの実行者と支援者がともに増える好循環と市場規模の拡大によって高成長を見せると予測します!!
ただし、今後しばらくの間はユーザー獲得のための広告を積極的に出していくと考えられますので利益面での大きな成長はまだまだ先になりそうです。

そして、クラウドファンディングのプラットフォームは結構多数が残ると考え市場を独占するようなサービスへは成長しないと予測します!!

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