会計豆知識①よく聞く継続企業の前提に関する注記についてちゃんと理解してる?

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

早速ですが、こんなニュースがありました

アパレル大手の(株)レナウン(TSR企業コード:295833440、東証1部)は2月25日、2019年12月期決算(10カ月変則)を発表した。変則決算のため単純比較できないが、売上高は502億6,200万円(2019年2月期636億6,400万円)、営業利益は▲79億9,900万円(同▲25億7,900万円)で2期連続の赤字を計上。決算短信に「継続企業の前提に関する注記」(GC注記)を記載した。また、取引先に対する売掛金の回収難により、同期に53億2,400万円の貸倒引当金を計上したことで、取引先の関心を集めている。
 レナウンは2004年に紳士アパレル大手のダーバンと経営統合した。さらに、2010年以降は中国の繊維大手の山東如意科技集団有限公司(以下、山東社)が第三者割当による新株発行で筆頭株主となり、山東如意グループ入りした。「ダーバン」や「アクアスキュータム」などのブランドで知られるが、2019年12月期は消費税増税、暖冬などで重衣料が苦戦。主要販路である百貨店向け販売も低調で、厳しい経営が続いた。

先日記事を書いたレナウンに継続企業の前提に関する注記が付いたようです。

今日は意外と知らない「継続企業の前提に関する注記」の本当の意味について改めて説明していこうと思います。
今日の内容は完全な豆知識ですので、あらかじめご容赦ください。

投資をしている方であれば、ゴーイングコンサーンとか継続企業の注記なんて言葉を聞いたことがあると思いますが、多くの方は「これが出てくると会社ヤバイんでしょ?」「つぶれそう的な注意喚起でしょ?」なんてイメージを持っていると思います。

そのイメージは半分正解といった感じで、本質的な意味合いは多少違っています。

じゃあどんな意味があるのでしょうか?

そもそも会計というのは継続企業の前提という前提のもと行われています。

どういうことなのかというと、例えば減価償却というものがありますよね、これは継続企業の前提をもとにしています。
減価償却が何なのかというと、例えば10億円で自社ビルを建てたときに10億円を全てビルを建てた期の費用にしてしまうのではなくて、そのビル20年は使うだろうから20年間に分けて費用計上してよね、というのが減価償却です。

でもこの20年に分けて費用計上してよねって考え方だとある問題が出てきます。
20年も続く会社があんまりない問題です。
いや20年後とか無いからって話で、例えば1年後に倒産してしまうのなら、1年しか使わないのだからビルを建てたその期に全部費用計上しないとおかしいわけです。

そこで会計というのは、20年後とか続いてるか分からないけど、会社が永遠に継続するって仮定してやるようにしようねという取り決めがあり。
それを継続企業の前提とよぶわけです。

継続企業の前提に関する注記って何?

つまり継続企業の前提に関する注記とは、「この会社潰れそうだよ」という注意喚起ではなく、「会社潰れるかもしれないから、継続企業の前提が崩れてしまってこの財務諸表間違ってるかも」という注記なわけです。
減価償却20年で計算してたけど、今年1年で計算しなきゃダメだったってなっちゃうかもしれないよってことですね。

継続企業の前提に関する注記とは本質的には、「この財務諸表が間違っているかもしれないよ」って注記だという圧倒的豆知識でした。

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