マネーフォワードの決算に見る未来

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。
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今日見ていくのは、株式会社マネーフォワードです。
家計簿アプリや、クラウド会計ソフトなどで有名な会社ですね。
私もマネーフォワードの家計簿アプリを使っていますが、銀行残高や投資の残高なども一元管理できるので投資する方にもお勧めです。

マネーフォワードは1月14日、2019年11月期の決算を発表した。売上高は前年比56%増の71億6000万円、営業利益は昨期から14億5000万円悪化し24億4600万円の赤字だった。2年後の21年11月期にEBITDAベースでの黒字化を目指す方針で、そこまでは投資を進め売上の拡大に注力する。
 20年11月期も、売上高見通しは55〜60%成長の111〜115億円、EBITDAベースの赤字幅は19年の22億6000万円の赤字に対して、19〜28億円の赤字を想定する。

売上は56%増で高成長率を維持していますが、営業利益ベースでは24億円の赤字だったようですね。

1年前ぐらいまでは、成長企業が赤字で投資することは歓迎されていましたが昨年のUber上場あたりから市場では若干嫌がられている空気がありますね、そのせいもあってか今日は株価が4.5%近く下げています。

ポイント!!買取金融債権の増加

こちらの資料をご覧ください

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買取金融債権がおよそ6倍の17億円近くも急増していることが分かります。
ちなみに買取金融債権とは、マネーフォワードが提供しているMFkessaiというサービス上で提供しているファクタリングサービスによるものです。

ファクタリングとは、例えば1000万円売上てその入金が2か月後だとします。
だけど資金繰りが苦しいので今月中にお金が欲しい!!
なんていうときに980万円でその売掛金買い取ってあげるよってサービスです。

実はこの金融事業者としての方向性がマネーフォワードが見据えている未来です。

なぜなら、マネーフォワードは個人では家計簿アプリ、企業では会計ソフトという金融サービスを提供するのに必要な与信情報をかなり握っているわけです。

例えば銀行は融資担当者が企業や個人の調査をしなければ(リスク度合いを把握しなければ)、融資することが出来ませんがMFはそれがいらなくなるので融資をした時の利益が大きくなりますよね。

借りる側としても、マネーフォワードで帳簿を付けていればすぐ融資してもらえるなら非常に楽ですよね?
銀行に持っていく書類を作ったり、担当者と交渉したりしなくていいわけですから。

マネーフォワードは、まだまだベンチャー企業ですから資金が潤沢にあるわけではありません。
金融事業を今後進めていくとなれば、資金が足りないわけです。

それを、金融機関からの借り入れで賄っていくとなると当然その借り入れに対しては利息を払う必要がありますから収益性が低下してしまうわけです。

さらに、借り入れが膨らむと財務内容が悪化しますから株主から強い圧力をかけられることになります、来期も赤字予想ですからなおさらですね。

せっかく、家計簿アプリや会計ソフトを利用して与信費用を抑えたのにそれではもったいないですよね?

なのでその問題を解決していく必要があるわけですが、その方法は大きく2通りではないかと考えます。

1.銀行を買う、もしくは作る。
銀行を自分のところで持ってしまえばいいわけです。
ですが主要なネット銀行は大手の子会社となっているところがほとんどですから、買収するというのは意外と難易度が高そうです。
一から作るというのも、銀行は色々と規制やルールが厳しいですから大変な道のりです。

他にあるとすれば、今後規制緩和されていく中で、地銀を買ってしまうという手段はあるかもしれませんSBI的な発想ですね。

2.与信をサービスとして提供する。
私はこちらの方がいいのではないかと考えています。
ネット銀行を高値掴みしてしまうリスクを負うよりも、融資や債券買取は銀行に任せて与信管理とマッチングだけを行い手数料を取るモデルにするという事です。

正直マネーフォワードのサービスが世界で戦えるかというと難しいはずです、先行している巨大企業のアリババなんかに勝てる未来は、なかなか想像できませんよね。

となると国内をメインに戦う事になりそうです。
そう考えたときにそこまでリスクを取って、銀行買収に投資するよりも会計ソフトや家計簿アプリの国内シェアを取り切ることに投資したほうがいいのではないでしょうか。

今後、買取金融債権の残高が順調に伸びていくと慢性的に借り入れを増やしていく必要性が出てきますから近々何らかの決断を迫られるのではないかと考えられます。

どちらの方向性に進むのかに注目です!!

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