令和元年もそろそろ終わるし、改めて平成がどうして失われた時代になったのか書いてみる
どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
普段は、そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。
ですが、今日はちょっと趣向を変えて、令和元年の終わりに平成がどうして失われた30年になってしまったのか考えてみたのでそちらを紹介していこうと思います。
まず、資本主義の中で国が成長するには何が必要なのか考えていきましょう。
それは利益の獲得から余剰利益の再投資の繰り返しです。
得た利潤を、新しい人や技術へ投資することが成長するためには必須なのです。
それでは、平成の終わりから令和にかけて話題になったこちらの資料をご覧ください。
このランキングの平成元年のランキングを見てあることに気付かないでしょうか?
「日本すげー」だけではなく一つ重要なポイントがあります。
それは実は上位に入っている日本企業に銀行が非常に多いという事なんです。
それはなぜでしょうか?
その理由は、先ほど再投資が大切という話をしましたが、日本において再投資の役割を担ってきたのは銀行だったからです。
企業が利潤を稼ぎ、それを預金するそして、国が方向性を示し、それに合わせて銀行が再投資を行うというのが日本の勝ちパターンだったわけです。
さらに言えば、プロパガンダ的に個人には住宅ローンを組ませることで投資を回して銀行が大きく利益を得ていたことも理由としてありますね。
一方注目してもらいたいのは、平成の30年間で最も強い国であったアメリカは銀行が上位にいない事です。
それはどうしてでしょうか、今現在世界の最先端といわれているシリコンバレーでは成功した企業や人が次の技術や会社に投資するという文化がありました。
つまり再投資の機能を担っていたのは、銀行ではなく一般の企業や人であったわけです。(もちろん銀行もその機能は担っていましたよ)
その違いがバブル崩壊による不景気の到来で明確な差を生むことになりました。
日本において再投資の機能を担っていた銀行は、一気に貸しはがしを進め、貸し出しにも大きな規制をかけることになります。
もちろん銀行というのは営利企業ですから、バブル崩壊後の混乱の中ではそれはしょうがない判断だったのでしょう。
つまり日本は成長に必要な再投資の機能が停止してしまったのです。
近年はベンチャーキャピタルやエンジェル投資家など、ようやく銀行以外の再投資の機能が日本でも活発になってきましたが、平成という時代で見れば再投資の機能が働かなかった時代だといえるでしょう。
また、ここからなぜ日本ではいまだに大企業が強いのかという理由が説明できます。
再投資の機能を担っていた銀行がその役割を果たせなくなったために、再投資に使えるお金を持っていたのが大企業だけだったからです。
つまり大企業が自分で稼いで自分に投資するという成長モデルが日本で一番強いモデルになってしまったというわけです。
そしてITシフトが進む中で、いわゆるイノベーションのジレンマに悩まされることになるわけですね。(イノベーションのジレンマの説明はこちら)
そして、大企業外の新しい技術への投資が回らなくなってしまっていたのですね。
一方アメリカ特にシリコンバレーでは、銀行からではなく企業から企業人から人への再投資が行われていましたから、不況の中でも新たな技術へと脈々と投資がなされ続けていました。
その結果GAFAのような現在の世界を代表する企業がシリコンバレーから出てきたわけですね。
さらに言えば、日本が世界一なろうとしていた時代は、製造業の時代でした。
単純に言うと工場生産の時代だったので、国が方針を決め銀行が大規模な投資を行いさらに再投資を行うというモデルがフィットしていたわけです。
しかし、今のIT全盛期の限界費用が非常に低くなったサービスの世界ではそのモデルが機能しなくなりました。
シリコンバレー的な将来の新しい技術や人へ、薄く広くでも投資できる仕組みのほうが機能したわけです、
という事で平成の時代が失われた30年になったのは、新しい技術や人への再投資の機能が働いていなかったからではないかと考えました。
改めて、令和はしっかり投資が出来る時代にしたいですね!!
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