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躁うつ病時代を生き抜く創作術9 -僕が創作をはじめてから、個展を開くまで-

そもそも、なぜ僕が深い深い深い「うつ」の中で、創作を始めたのか。
それについて話すことにしましょう。

僕たちの人生には、数え切れないほどの「瞬間」があり、瞬間瞬間の連なりの中で、生きています。
まるで映画のフィルムのように。一コマ一コマの連なりの中で呼吸をしています。

人生の中には、一見、生活の中で見逃してしまいそうなほど小さな出来事であっても、後になって振り返ると、人生を根底から変えてしまうような瞬間もあります。
僕にとってのその「瞬間」は、深い躁うつ状態にあった時に訪れました。

「うつ」状態になり、生活が一変し、日々が灰色に染まり始めた時、僕は「創作」という光を見出しました。

パステル画を描くことです。

ある日、パステル画に出会い「絵は未経験だけど、俺でもできるかも・・・ちょっと一回やってみよう。飽きたらやめればいいや」くらいのかるーーい気持ちで、ダイソーで売っているパステルとスケッチブックを購入したのがきっかけです。

その日からほとんど毎日、パステル画を1枚、描くようにになりました。

僕にとって「創作」はただのただの光ではなく、生き抜くための「戦い」の行為でもありました。
僕が創作を始めたのは、「うつ」の深淵から抜け出すための必死の「試み」だったのです。

暗い日々の中で、パステル画という形はまさしく「光」であり、僕は「光」を見つけ出したのです。

パステル画は、ただ単に暗闇を照らすものではなく、僕を生き延びさせるための戦いでもありました。僕は「パステル画」を描くことで、自分自身と向き合い、内面の混乱や苦悩を、パステルを使い、紙に叩きつけていました。

最初に描いたパステル画

やがて、創作活動は徐々に僕の生活の一部となり、パステル画を描き始めて9ヶ月ほどで個展を開催するまでになりました。

9ヶ月後に描いたパステル画①
9ヶ月後に描いたパステル画②


パステル画は僕にとって、まぎれもない「創作」の時間でした。
躁うつ病と共に生きる僕にとって、希望と癒しをもたらす力強い手段となったのです。

個展の開催への道のりは、僕にとって新たな挑戦でした。なにせ、絵も描いたことのない素人だったのです。

創作活動を通じて、自分の内側に眠っていた感情や思いを表現することができるようになりましたが、他人に見せることはまた違った「勇気」が必要でした。僕が内に篭りながら、バイトしかしていない生活の中で描き続けた絵が、人にどのように見られるのか。僕は不安でした。しかも、僕は絵の素人で、素人なのにギャラリーで個展を開いてもいいものか。その葛藤もありました。

ですが、結果的に個展の開催で、自分の作品に対する自信を少しずつ築いていくことができました。


個展Vol.1『BEACH』
個展Vol.2『CAMP』
個展Vol.3『time line』

個展を通じて、僕の創作が他者の心にも響くことを実感しました。
僕の絵を見て、僕の文章を読んで、僕の話すことに耳を傾けてくれて、自分の悩みを開示してくれる方がいる。共感してくれる人がいる。
それは僕にとって、信じられない出来事でした。

創作活動は僕の日常に欠かせないものとなり、画材を手にすることが生活の一部となりました。
パステル画から始まった僕の創作の旅は、絵画だけに留まらず、詩を書いたり、音楽を作ったりと、さまざまな形で展開していきました。これらすべてが、僕の躁うつ病と向き合いながらも、ちょっとだけ前向きに生きる力を与えてくれました。

このマガジン『躁うつ病時代を生き抜く創作術」は、単なる僕の創作指南書ではありません。

深い「うつ」の中から希望の光を見出し、創作を通じて自己表現の可能性を広げ、人生を豊かにするために、あなたと共有する物語書です。
僕の経験が、同じように闘っている人たちに少しでも力になればと願っています。創作は、僕たちにとって「創作」はただの逃避ではなく、生き抜くための、そして自分自身を理解するための強力なツールなのです。
お金にならなくても、評価されなくても、誰に見せなくてもいい。まずはあなたのためだけに「創作」をしてください。

「創作」は、自分の内なる声を聴き、世界と対話するたったひとつの冴えた方法です。

それは発見と表現の旅であり、躁うつ病との闘いの中で見つけた希望の灯火です。創作は、苦悩ですが、苦悩を叩きつけ、紙を画材で塗りつぶし、原稿用紙を鉛色の鉛筆で書き潰し、「無才」である自分自身に気がついた果てに、小さな光が見えるのが「光」です。

このマガジンを通じて、僕は創作の力を共有したいと思います。ただの趣味や時間の過ごし方ではなく、僕たちが自分自身と向き合い、自分たちの人生を豊かにします。創作は、どんな形であれ、僕たちの内側に眠っている無限の可能性を引き出してくれると同時に、「無才」であると気づかせてくれるのです。

まずは、挑戦してみてください。

すべては「挑戦」から始まります。
挑戦しないことには、すべての物事ははじまりません。

恐れずに、自分の内なる世界を探索し、表現してみてください。
あなたが創り出すものが何であれ、それはあなた自身のオリジナルの声であり、この世界に新たな色を加えることでしょう。

創作活動を始めることは、自分の人生をより深く、より意味のあるものにするための一歩です。

次章では、創作を通じて自分自身と向き合い、メンタルヘルスを守るための思考法を探求します。

SNSの「比較文化」から離れ、自己表現としての創作の価値を再発見しましょう。

具体的には、創作活動を個人的な探求として捉え直し、他人の評価を超えた「自己満足」を見出す方法を僕と一緒に模索しましょう。

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躁うつ病と診断された著者が直面した試練、そしてそれを乗り越えるために創作活動へと手を伸ばした経緯を、できるだけ赤裸々に語っています。
あなたの心に響く何かが、この『躁うつ病患者の遭難日誌』にはきっとあるはずです。


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