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「模試でイスラム教とテロ結び付け」問題

共同通信が、次のようなニュース記事を配信しました。

 佐賀県内の高校1年生を対象にした英語の模擬試験で、問題文にイスラム教とテロリストを結び付ける表現が含まれていたことが30日、県教育委員会への取材で分かった。県教委は不適切だったとの認識を示し、教員の人権意識の向上など再発防止に取り組むとした。

ここからわかるのは、「イスラム教とテロリストを結びつける表現は不適切であり、人権意識の欠如である」という教育委員会の認識です。

実際、どのような問題文だったかについては、次のようにあります。

 試験問題は日本人の高校生がエジプトなどを旅行した際の実体験をつづった英文を基に、教員らでつくる部会が作成した。観光客に1枚1ドルの絵はがきを買うよう迫る現地の少年に関し、高校生の父親が「(彼らは)もし稼ぐことができなかったら食べ物を求めてモスクへ行き、そしてテロリストになる」と説明する場面があった。

これを読む限り、当該問題文は、イスラム教とテロリストを直接的に結びつけているわけではありません。

この表現について「教員の人権意識の欠如」を問題視するのは、論点のすり替えか、もしくはことの本質が全く理解できていないことの証です。

私は、この問題の原因は教員ではなく、イスラム教の研究者、専門家にあると認識しています。

どういうことかというと、

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