飯冨孔明

能楽師 大倉流小鼓方 飯冨孔明と申します 日々のこと、舞台のことをぽつりぽつりと投稿…

飯冨孔明

能楽師 大倉流小鼓方 飯冨孔明と申します 日々のこと、舞台のことをぽつりぽつりと投稿していこうと思います

最近の記事

お稽古を始めてみたい

習い事を始めるのは勇気がいる事だと思います。 月謝はいくら?小鼓は買うの?発表会はあるの? など、他にも第一歩を踏み出し辛い理由はあると思います。 習い事としての能楽 現代には色々な習い事があります。 教養の為、姿勢改善、言葉遣い、礼儀作法などを身につけたい。 日頃空いた時間が出来たので、自分の刺激の為に習い事をしたい。 お子さんに習い事を習わせたい。 ステージや発表会の場に立ってみたい。 様々な方がいらっしゃいます。 そんな方に申し上げます。 能は全てクリアできます。

    • お稽古について

      私の社中会の名前は「粋月会(すいげつかい)」という名前です。 大倉源次郎先生の弟子は「月」の一文字を頂きます。 会名の由来「粋」ですが、ちょっと色々な意味と思いを込め過ぎまして、普段お稽古場でもあまり話せていないので、ここに記させて頂きます。 「粋」を辞書で引きますと 粋 《名・ダナ》 さっぱりした気立てで、あかぬけがし、色気(いろけ)もただよう(特に、花柳界の遊びに通じている)こと。そういう感じのする身のこなし・様子。人情の機微に通じ、さばけているさま。 ちょっと

      • 小鼓について②(音のこと)

        まず絶対に間違えないで頂きたいのは小鼓(読み:コツヅミ)という名称である事。 良く間違えられます。コヅツミでは有りません。 間違えられる要因としては普段よく使う言葉に「小包(コヅツミ)」という言葉がある事でしょう。 「おおづつ」「こづつ」とも言いますよね?と言われることもあります。 Ans.能楽においては言いません。 漢字に変換すると「大筒」「小筒」これは大砲と火縄銃の事ですね。 続 小鼓について 「小鼓」 ー打楽器の一。鼓の小型のもの。能や長唄の囃子 (はやし) など

        • 小鼓について(流儀のこと)

          自分の専業である「小鼓」についてのお話を。 私たちは小鼓などの楽器の事をお道具と言っています。 これは何故かというと、私たちはあくまで今の時代にお道具を預かった身であり、次の世代に繋ぐためにも、大切に扱う事を第一としているからです。 流儀について 能楽の小鼓には流派があります。 観世流、幸流、幸清流と当流 大倉流です。 昔は座元(シテ方の一座)に専業で付いておりましたが、現在では他のシテ方の流派とも、お相手をさせて頂く事になっています。 流儀については細かい違いも多くあり

        お稽古を始めてみたい

          18歳からの東京での生活

          上京 あまり思い出したくない記憶も有りますが…。 18歳の秋に上京して来た私が最初に住んだのは、「風呂なし、トイレ共同(和式)、共同玄関、窓は閂窓」という昭和にタイムスリップしたような部屋でした。 窓の外には毎朝カラスがとまり、カァーと鳴き、深夜には天井裏でエレクト〇カルパレードが開催され、流しの下にはゴキ〇リが跋扈し、畳の隙間からムカデが這い出てくるという…。 今文章を打っているだけでも、フラッシュバックで鳥肌が立って止まらないです。 まぁ、それはさておき上京したての私

          18歳からの東京での生活

          先生との出逢い

          師匠との出逢い 私の師匠は能楽界では言わずと知れた方、大倉源次郎先生です。 「源次郎先生が大濠にいらっしゃるから来い」と父に言われ、高校卒業前の自分は恥ずかしながら真っ当な性格では無く、調子に乗っていました。 大濠公園能楽堂にバイクで行き、服装もちゃんとした格好をしていない状態で師匠と会いました。 先生の開口一番は「おぉ、大きくなったな。今からお昼食べるから一緒に来なさい。」でした。 しかも父とは別で。 この人しかいない そんな調子に乗りきっている私を見た先生は、見た

          先生との出逢い

          はじめまして

          能楽師 大倉流小鼓方 飯冨孔明です。 他のSNSでは長くて書ききれない事を記事にしていこうと思います。 お付き合い頂ければ幸いです。 まずはじめに自分の家の事を書いてみます。 飯冨家について 先祖は武田二十四将の1人、「飯富兵部守虎昌」の弟「飯富源四郎昌景(山縣三郎兵衛昌景)」で私の代で十七代目となります。 私の家は曾祖父から能楽師の家で、その前は肥後藩細川家に仕えていたようです。 飯冨祥雲 曾祖父 飯冨祥雲(本名 飯冨又三)は喜多流 友枝為城師に師事しておりましたが

          はじめまして