小鼓について(流儀のこと)
自分の専業である「小鼓」についてのお話を。
私たちは小鼓などの楽器の事をお道具と言っています。
これは何故かというと、私たちはあくまで今の時代にお道具を預かった身であり、次の世代に繋ぐためにも、大切に扱う事を第一としているからです。
流儀について
能楽の小鼓には流派があります。
観世流、幸流、幸清流と当流 大倉流です。
昔は座元(シテ方の一座)に専業で付いておりましたが、現在では他のシテ方の流派とも、お相手をさせて頂く事になっています。
流儀については細かい違いも多くあります。
他のお流儀の事を私が説明するのも無粋ですので、私の師匠の受け売りの「桜の種類」にてお話をしようと思います。
各流儀について
観世流は「深山桜」
山深くまで入る事で見ることができ、そこで確りと咲き誇る桜。
幸流は「宮中の桜」
人目につく所で見ることができる、煌びやかな桜。
幸清流は「遠山の桜」
遠くから見える、緑の山々の中の頂上にある桜。
大倉流は「墨絵の桜」
水墨画のような地味だが、絵なので変わる事のない桜。
そうですね。
オチをつけてます 笑
流儀の違いを観て頂きたくて、自分で企画した会がこちら。
宜しければご覧くださいませ。
花能舎之會「ハヤシノネイロ」
舞台は「一期一会」です。
能の舞台は基本的に一日に一公演しかありません。
その日、その時間に舞台を観れなければ、永遠に同じものを観る事ができません。
同じ演目を観ても、小鼓の流儀が違うだけで舞台の印象は大きく変わります。
私はどんな流儀の舞台であっても、能の舞台に足を運んで頂ければ深みの第一歩を踏み出せると思っています。
流儀の話だけになってしまいましたね。
詳しい小鼓の話についてはまた次回。
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