🔸私が脱ステを決めたきっかけと理由

・「脱ステを決めたきっかけ」

「私のアトピー歴」でも触れましたが、きっかけは「仕事の環境とストレス」でした。日常的に決して肌にいいとは言えない環境で仕事をしていたので、みるみるうちに悪化してきました。しかし当時は就活時に痛い目を見たので、この会社で結果を出したいという意欲もあり、仕事を続けていました。

ところが徐々に処方されていたステロイドを塗っても、次第にかゆみが抑えられなくなりました。医者に相談しステロイドの強さをあげ、顔用にプロトピックも処方されましたが、一向に症状は改善しませんでした。その結果一日二回、朝とお風呂後に塗っても症状が出るようになってしまったのです。

また仕事のストレスに加え、かゆみや症状が出ることによってさらにストレスが溜まるようになりました。仕事を頑張れば頑張るほど、工場へ営業をかけに行けばいくほど悪化する。かゆみで常にイライラし、症状が出た自分の体や顔を見て気分が落ち込む。今考えると負のスパイラルにはまっていたように思います。

そんなある日仕事が忙しくて皮膚科に行けず、また悪いことに連休が重なり、5日ほどステロイドを塗れない日が続きました。そのうち全身が赤くなり、これまでにはない強いかゆみに襲われるようになりました。週明けの勤務後、急いで病院に駆け込みステロイドを処方してもらい、自宅に戻って文字通り頭のてっぺんから足の指先まで、ステロイドを塗りたくった後にこう思いました。

「もう無理だ、会社を辞めて脱ステしよう」

「体質的に今の会社は続けられない、このご時世不安だが退職するしかない」

強い薬で副作用もあるステロイドを、二十数年塗り続けてきたが改善するどころか効かなくなってしまった。いっそ会社を辞めるなら、前から興味があったステロイドを使わない自然療法を試してみよう。

そんな経緯があって、私は脱ステを決めました。

・「脱ステを決めた理由」

①ステロイド治療への疑念
何十年も医師の指導のもと、ステロイドと保湿剤を使っていたのにも関わらず、一向に改善していかないことから、次第にこの治療法について疑念を持つようになりました。

そしてネットで調べてみると、自分と同じような経験や考えを持つ人たちが、実は沢山いるのだということに気づきました。

また実際にそれぞれが支持する医師のもとで、あるいはネットや書籍に書いてある民間療法でなど、脱ステを行なって成功している人もいることに興味を抱くようになりました。※今では回復の様子をブログの写真だけでなく、YouTubeで動画をあげている人もいるので、よかったら見てみてください。

②皮膚科医への不信感
今の日本ではステロイドと保湿剤でアトピーをコントロールする治療法が一般的です。何十年も使い続けても、別の皮膚科医を訪ねても「正しく使い、コントロールしていきましょう」と言われるばかりです。それでは改善していかない状態が続いているのを、いくら切実に訴えても、何年も幾人も同じことをいうだけなのです。

日本では皮膚科学会のガイドラインによりこの治療法が標準的な考えになっているので、ほとんどの皮膚科医はそれ以上のことはしてくれません。

さらには皮膚科医の中では「ステロイド忌避」という言葉があります。文字通りステロイドを使う治療に難色を示す患者に対して使われる言葉です。

私が脱ステ前に通っていた標準治療を行うある皮膚科医は、「何年かアトピーを研究する機関に所属していたが、そこで脱ステを行なっても体内でステロイドが作られるようなことはない。だから脱ステは意味がない。君のような人をステロイド忌避というんだよ」と話していました。

今は回復した肌を見せてやり、「じゃなぜ私の肌は綺麗になったのですか？」と問い返してやりたいですね。

今ある治療法が絶対的に正しいとは限りません。
ましてや頭が良い医師の中でも、さらに優秀な人達が何十年と研究を続けても、未だに原因さえもわからない。そして一時的な対症療法しかないのが、現在のアトピーの現状なのですから。

③もしも時のリスク回避

「災害時のリスク」
地震・津波・台風など毎年のように災害が起こる日本。特に学生時代に東日本大震災の悲惨な現状をニュースで見ない日は無かった私は、ある時こんなことが頭をよぎりました。

「もしこのような事態に巻き込まれた時、自分に必要な薬がない場合はどうなるのか」と。

今これを書いている2020年5月現在でも新型コロナウイルスが蔓延、世界規模で非常事態になっています。医療関係の人から聞いた話では、地域によっては十分な診察や薬をもらえないところもあるとも聞きました。

「二度ある事は三度ある」という格言が示す通り、第二・第三のウイルスがくる可能性は否めません。また南海トラフや台風など、日本に住むということは災害のリスクも考えなくてはなりません。

そうしたリスク回避のために薬、私の場合はステロイドですが、それがなくてもアトピーを改善できる治療があるのならば、たとえ遠回りになったとしてもそれを選択する方が良いと考えました。

④「副作用のリスク」
先のテーマで書いたとおり、ステロイドは強い薬であり、当然副作用もあります。医師は正しく使えば問題ないと言いますが、つまり正しく使わないと危険な薬でもある訳です。

ステロイドで炎症を早期に抑え、様子を見ながら塗る回数や強さを減らしていくのが標準治療です。

しかし中には私のように塗らない日があると、すぐに強烈なかゆみと症状が出てきてしまい、結果何年も何十年も毎日塗り続けている人たちもいます。

気分はさながら麻薬依存症のようで、いつの間にかステロイド無しには生きられない体となっていきます。

実際にそうになっていた私は、今後死ぬまでステロイドを練り続ける生活に危機感を感じ、何とかこの状況を向け出したいと思うようになりました。

いかがでしたでしょうか？
今回は脱ステロイドを決めたきっかけと理由をテーマに書きました。

確かに脱ステは賛否が分かれる治療法だと思います。

先に説明した通り現状の治療法は、数十年前からのステロイドによる対症療法（根治治療ではない）が主流です。

しかしそのような中アトピー患者、特に成人のアトピー患者が年々増え続けています。そのことに多くの人が疑問を感じ、ネットでは脱ステロイドの情報で溢れています。

何も頭ごなしにステロイドを批判したいわけではありません。

ステロイドはアトピー以外でも多くの治療で使われており、それによって命を救われている方も沢山いらっしゃることでしょう。

主張したいのはステロイドを「使う自由」があるなら、「使わない自由」の権利もあるということです。もちろん標準治療から外れるのやり方なので、責任も伴うのを覚悟した上で行ってください。

これを読んでくださっている方々の選択肢の１つとして、役立てれば幸いです。

次回は脱ステ病院と医者探しについて書きますので、良かったら覗いてみてくださいね。

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