🔸入院前に行うべき公的手続き・行ったこと

ここでは退職前後・入院前に行うべき公的手続き及び補助について説明します。

当初は会社を辞めるにあたり必要な手続きを調べ、また同時に脱ステに適応できる補助や支援がないかも探しました。そして実際に使ったのが下記になります。

＊傷病手当金の申請

業務上の怪我や病気は労働災害保険、いわゆる「労災」になりますが、
持病の悪化などの業務外での怪我や病気は「傷病手当金」が支給されます。

支給条件については会社が加入している個々の健康保険によって異なるものの、基本的には過去12ヶ月の平均給与の約2/3が、最大18ヶ月支給されます。一度自身が入っている健康保険を確認されるとよいでしょう。

会社や会社が加入している保険組合に用意してもらう書類や手続きもありますので、退職を考えている方は注意してください。

＊失業保険の申請と延長

いわゆる「失業手当」と呼ばれるものであり、会社を辞めてから再就職するまでの間、国から出される補助金です。

自己都合退職の場合、雇用保険に加入していた過去2年以内に月11日以上出勤した日が、12ヶ月あれば給付されます。またすぐに給付されのではなく、申請後3ヶ月経ってからの給付となります。

しかし例外もあり、会社都合退職の場合は特定受給取得者となり、申請後早い段階で給付が受けられます。

病気などの理由で会社を辞めざるを得ない場合、特定理由離職者となるので、この特定受給取得者と同条件で受給することが可能です。この場合過去1年以内に月11日以上の出勤があり、それが6ヶ月あれば申請可能です。
これは条件を満たしていれば、アルバイトやパートなどの非正規社員も給付対象となります。

なおこれは上記の「傷病手当金」と同時期に給付を受けることはできません。何故ならばこの給付の目的は「再就職」を手助けする制度であり、病気や怪我のために働けないという理由のため支給される「傷病手当金」と一緒に受けることは矛盾するからです。

なので私は会社から「離職票」と「離職証明書」を作ってもらい、
地元のハローワークへ病気による自己都合退職の特定理由離職者として、
失業保険の申請すると同時に「受給期間延長」の手続きも行いました。
これはすぐに働けない理由がある場合、給付を一定期間先延ばしにできる制度です。まずはきちんと体を治してから、再就職を目指しましょう。

＊健康保険の延長と切り替え

私は会社の人事に頼み、会社が加入していた健康保険を延長しました。
これは退職後でも、希望すれば最大2年間その健康保険に加入し続けられることができ、上記の「傷病手当金」をもらうために必要な手続きでした。
そして傷病手当金の支給が終わった後は、安価な国民健康保険に切り替えました。

＊生命保険の確認

既に皆さんも、何かしらの生命保険に加入していることと思います。
私の場合、両親が幼い時から入れてくれていたものがいくつかありました。
入院すると１日当たり数千円〜1万円程度もらえるところが多いです。

多くの保険では申請時に医師の診断書や医療費の領収書が必要になり、また独自の診断書でないと受け付けないところもありますので、一度確認してみてください。

＊高額療養費制度の申請

入院前に病院からも説明があると思いますが、長期入院や施術などの高額医療の支払いがある場合、事前に「高額療養費制度」というシステムを使うことで、医療費を安く抑えることができます。

これは個人の年収によって支払い金額の上限が分かれているので、必ず入院前に地元の市役所で確認と申請をしておきましょう。

＊国民年金の手続き

これまでは会社が税金や年金などの処理をしてくれていましたが、退職後は全て自分で行う必要があります。国民年金の場合は所轄の年金事務所へ行き、手続きを行う必要があります。

なお余談ですがこの時に通帳引き落としではなく、ポイントがつくクレジットカードでの引き落としをお勧めします。毎月16,540円を65歳になるまで払い続けるので、付加されるポイントは存外大きいです。

また様々な支払いをカードにまとめておけばポイントがつくだけでなく、
毎月引き落としがあるたびに支出を一覧で確認できる利点もあります。

長期の入院や療養をする場合、先立つものはお金なので、抑えるべきところは押さえておきましょう。

＊貯蓄

脱ステを決意した後で、貯蓄を始めました。理由は脱ステには長い年月がかかる場合もあると聞かされていたので、しばらくは治療や療養に専念し、ある程度仕事をしなくても生きていけるだけの貯蓄を作ろうと考えたからです。これは個々のステロイドを使用していた期間や強さに比例して、回復スピードも変わってくるためです。（私の場合は20年以上使っていました）

幸い当時は実家暮らしだったので、退職を決意してからの半年間の給料・ボーナスの大部分を貯蓄に回しました。それまでの貯蓄と合わせて、節制すれば向こう2年は食べていける金額を貯めることができました。

＊退院後の人生設計

脱ステを決めた時は20代後半ぐらいの年でした。就職活動で苦労し、せっかく入った会社も数年で辞めてしまうことなったので大いに不安がありました。

しかし脱ステを決意した以上、まずは資本である体を治すことが先決だと考え、回復したら新卒の就活で入りたかった業界へのリトライしようと前向きに考えました。そしてそのために必要なスキルや知見を学び、転職を成功させる工程表も、簡易ではありますが作りました。（これは自分の回復スピードがかなりゆっくりであったため、結局ボツになったのですが・・・）

人によっては長い期間を治療に時間を費やすこともあるので、ある程度先を見通しておいた方がいいと思います。

いかがでしたでしょうか？
今回は脱ステを決めた後に行ったことをテーマに書きました。
次回は「阪南式」脱ステ治療法について書きますので、良かったら覗いてみてくださいね。

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