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人生100年時代の新戦略~60歳からの暮らしを自分で選ぶ時代に!

人生100年時代という言葉は、『LIFE SHIFT』の著者リンダ グラッドン氏が提唱し、日本政府も人生100年時代という言葉を使い、認知されるようになりました。制度も長寿命化に対応できるよう徐々にシフトしています。勤め人は、60歳までは敷かれたレールに乗って走っておけばよかったのですが、60歳からは、蓄財や借入金、住宅、家族構成、健康状態、生活費などを考慮し、自分で働き方を選択しなくてはいけません。今回は、60歳以降の労働環境や年金のしくみを記事にして、自分で行動できるような内容を提供します。

1 60歳からの労働事情

現在、日本の65歳以上の人口割合は29%です。これから先、さらに割合は増えていきます。高齢者の労働力に頼らないと、労働力の供給量が不足します。令和3年4月から高齢者雇用安定法が改正され、65歳から70歳までの雇用継続が努力義務となり、65歳までの雇用が義務となりました。60歳定年制は有名無実となり、60歳以降も継続雇用可能になりました。ただし、雇用形態はフルタイム勤務の必要はなく、短時間勤務でも良いことになっています。自分で合った雇用形態を選択できます。また、雇用形態は継続雇用だけが選択肢ではありません。キャリアを生かして転職、起業することもできます。働かないという選択肢もありだと思います。自分の抱える事情を考慮して選択することになりますが、何より自分の大切な第二の人生です。この第二の人生をどう生きるかは、自分の価値観に従って行動するべきです。自分の第二の人生を幸せなものにするために、早いうちから老後の諸制度を理解して、老後へのお金の備えも行っておくと良いと思います。次は年金制度についてです。

2 年金の仕組み(制度改正あり)

昭和36年度生まれの方が、令和3年度に60歳を迎えられます。昭和36年生まれの男性は65歳から、女性は63歳から年金(厚生年金、国民年金)が支給されます。女性も段階的に支給開始年齢が引き下げられ、65歳からの支給になります。老後の働き方を選択する上で、知っておいたほう良いと思う知識は次の3つです。

① 繰上げ支給ができる。

60歳まで年金受給開始を繰り上げることができます。国民年金と厚生年金のどちらも同じ年齢での繰り上げとなります。60歳以降ならいつからでも繰り上げできますが、繰上げた月数×0.4%が減額されます。

例:24カ月(2年)繰上げた場合:24月×0.4%=9.6%減額      例:支給額780,100円×(100-9.6)%=705,210円(減額後支給額)

繰上げ支給をしたほうが良いケースは、特殊な場合です。60歳以降に余命が短いことを告知された場合などです。通常は、長寿命化を想定して、繰上げ支給を避けたいところです。

② 繰り下げ支給できる。

現在、繰下げ支給年齢は70歳までですが、改正により75歳まで繰下げできるようになりました。国民年金と厚生年金は繰り下げ時期をずらすことができますし、片方だけ繰り下げも可能です。繰下げた月数×0.7%増額されます。

例:60カ月(5年)繰下げた場合:60月×0.7%=42%増額      例:支給額780,100円×(100+42)%=1,420,000円(増額後支給額)

例のとおり70歳までの5年間繰下げると42%増額となります。75歳までの10年間繰下げると84%増額になります。長寿命化を想定すると繰下げをしておくと安心です。老後の年金戦略の柱となると思いますが、確認することがいくつかあります。

・加給年金(年40万円弱)がもらえなくなる。 

加給年金とは、配偶者が年下の場合は、配偶者が65歳になるまでにもらえる年金です。扶養手当のような性質がありますので、配偶者が65歳になって、自分の年金をもらい始めると、支給は終了します。少し複雑になりますが、加給年金終了後に配偶者の国民年金に振替加算(昭和40年度生まで支給)が支給されます。もし配偶者が国民年金を繰下げ支給した場合は、振替加算も支給されなくなります。

・ 医療費の窓口負担額の割合変更に注意(収入増で2割⇒3割)にならないように。

70歳以降の医療費の窓口負担の割合は2割です。もし繰下げ支給をして、年金受給額がupし、加えて、株式等の配当金や個人年金の受給しいる場合、医療費の窓口負担の割合が上がらないように、繰下げ時期を計算する。医療費の窓口負担は、複数世帯で収入520万円以上、単身で収入383万円以上で3割負担(現役並み)となります。

③ 給料所得がある場合の年金支給停止額の基準が緩和された。

年金をもらいながら給料ももらっている場合は、年金支給停止の基準があります。65歳前に年金受給開始した場合で、その間給料を受給していたら、年金+給料(ボーナスも含めた平均)が28万円以上から年金の一部支給停止が始まっていたところ、47万円まで支給停止されないことなりました。

例:年金月額15万円+給料月額(標準報酬月額)28万円)=43万円の場合は、これまで(基準28万円)は一部支給停止、R4.4(基準47万円)からは支給されることなります。

支給停止緩和によって、たくさん働いても、年金カットの心配が減りました。

3 国が用意した非課税枠(iDeCoや積立NISA)を利用して老後の資産計画

別の記事で説明していますので、詳しくは書きませんが、老後の計画を立てて、必要額を投資で準備します。必要額をいつまで用意するのかが分かれば、月いくら積み立てるかを計画することができます。

4 60歳までにどれだけ準備できるかが勝負

事前準備の状況によって、60歳からの行動が、大きく変わります。まず、自分の価値観に従い、60歳から自分がどうありたいか自分を見つめなおすこと。1番最初に考えることだと思います。自分の老後の姿が見つけられたら、その目標に向かって、資金計画やスキル磨きなど計画をたてて準備をします。

人生100年時代。50歳の私はまだ人生折り返しです。これから老後に向けて人生の第二章の始まりです。私は、第二の人生を生きてみたい。だから、早めに準備にとりかかろうと思います。

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