見出し画像

コロナ禍で心に響いた本

この2年半以上にも続くコロナ禍で、目に見えないウイルスに対する恐怖心をずっと抱えながら毎日を送ってきたように思う。そんな中で偶然目にした「人は家畜になっても生き残る道を選ぶのか」という本のタイトルが心に刺さり買って読んでみた。

著者は、在宅医療やプライマリヘルスケアなどに携われており、「この2年間のコロナ対策で経済は落ち込み、学校は休校・リモートになり、高齢者は施設に閉じ込められた。その結果、2020年の自殺数は激増し、小中高生の自殺は過去最高になった。果たして我々医療従事者は本当に『国民の健康な生活』を確保できたのだろうか?」という想いからこの本を書かれたのだそう。

そして、健康とは体の話だけでなく、心の健康も社会的な健康(絆を紡ぐことで生まれる良好な人間関係・コミュニティとしての健康)も含まれるのに、今の政策は、コロナ感染予防に関して「感染対策」や「ソーシャルディスタンス」の徹底を呼び掛け、孤独や社会的孤立を信仰させ、女性・若者の自殺率の増加という多大なデメリットを生み出してしまっていると。

コロナ感染予防という名の下に、人々の心や社会的な健康がないがしろにされているという著者の言葉は心に響いた。確かに、今、コロナ感染予防という名の下に、人の幸福度と社会全体の健康度は低下しているように感じる。

特に、高齢者の方々に対する管理・束縛は、思う部分がある。著者が「いま、病院・施設にいる高齢者はみんな泣いている。この2年間ずっと隔離・収容され、家族にも会えず外出もできずずっとカゴの鳥だったのだ。この間に亡くなった約200万人の方々は家族とも会えずに亡くなった。日本人の約8割は病院で死ぬのだから。」という文章を読み、涙が止まらなかった。

私自身、コロナ禍で可愛がってくれた祖母がいた岡山県にある施設(最終的には病院)に会いに行けなくなり、お葬式にも参席できなかった。私たち親族と会えなくすることでコロナ感染からは予防できたかもしれないけど、何度も「家に帰りたい!」と入院前から訴えていた祖母の願いを叶えさせることはできず、祖母はきっと孤独の中で病室で息を引き取った。親族とも会えず・・。

私たち、一人一人が、本当に今のままでいいのかということを私たちの頭で考え、おかしい・・と感じる部分に関しては意見していくべきではと思った。自分も含めて家族や友達、地域の人達の心の健康、社会的健康をもっと大切にするためにも。

表示を縮小

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?