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前世がルンバだったと言われたわたし
「今日、入社の石原さん? システム部の谷中です。これ、石原さんのパソコンね。必要な設定はしてあるから、分からないことがあれば聞きに来て」
転職して新しい会社に入社した初日、システム部の方からパソコンを渡されました。前の会社では共有のパソコンしかなかったので、とても嬉しかったです。IT企業に転職したという気分が高まりました。これからは「インストール」とかそれっぽい英語を使っちゃうぞ!
初日はパソ
Web会議の開始42秒前にログインすると
アキラの会社でリモートワークが始まって半年が過ぎた。
これまで会議室にみんなで集まってやっていた会議は、Web会議のソフトを使ってやるようになった。
最初はうまくつながらなかったり、音がハウリングしたり、映ってはいけないものが映ったりしたWeb会議も、さすがに半年も経つと慣れた。
むしろ会議室を移動することがなくなったり、議題と関係のない無駄な話がなくなったりして、アキラは時間を有効活用でき
キミヒコ。これも愛だ、愛
はい、授業を始めます。なんだ、今日はキミヒコひとりか。他のみんなは? 30人はいただろう? ん、風邪で欠席か。軟弱だな。今はこんなことも言えないが、オレのときは風邪ぐらいでは誰も休まなかったぞ。キミヒコは偉いな。小学生の鏡だ。
キミヒコ、健康なのはいいが、教室では兜を脱ぎなさい。子供の日にもらったのか? おじいさんに? それはまあいいが取りなさい。ここは教室だ。これから授業をするのに兜をかぶっ
おにぎり/八宝菜/餃子
「ゆうじくん、昨日の夕飯は何だったの?」
会社の先輩、たかしさんは顔を合わせると必ず、前日の夕飯メニューを聞いてくる。
「昨日は遅くなっちゃって、おにぎりしか食べませんでした」
「そうなんだ。最近忙しそうだもんね」
メニューに対する意見や返答はない。明るい声で「そうなんだ」が定番。
翌日も同じだった。
「ゆうじくん、ところで昨日の夕飯は? ひとりで食べたの?」
「またですか。昨日は家族と
世の中の仕組みはすべてわかっているんだ
-- ショートストーリー--
中学生の時、世の中の仕組みをすべて知りたいと思っていた。社会で起きていることにはあまねく因果関係があると中二の頭で考えていたのだ。
例えば僕がこの前の数学の小テストができなかったのは、両親が喧嘩をして落ち着いて勉強できなかったからだし、両親が喧嘩をしたのは父の会社のボーナスが出なかったからだ。ボーナスが出なかったのは会社の業績が不調(このあたりから怪しくなる)で、