見出し画像

経営者は嫌いだけど「日本には経営者が足りない」という人々

 今日のX界隈でにわかに昔の経済教室が話題になっていたので,脊髄反射.X界隈の「地方嫌い/ブルーカラー蔑視/学歴大好き」はこれまでも指摘されてきましたが,個人的にはこれに「中小企業経営者嫌い」を付け加えてもいいんじゃないかと思う.

 当該記事では日本の生産性の低さを中小企業の温存に求め,雇用のセーフティーネットを整備したうえで低生産性企業の淘汰を進めるべき...といっているんだけど,これ本気で言ってるとしたらあまりの会計・税務知識のなさにあきれる.そして分かったうえで言っているなら...かなり歪んだ主張だと思う.なお,↑の記事の松元元内閣府次官は財務省主計局出身^^

 ちなみに大企業よりも中小企業の方が労働生産性は低いです.でも,これは中小企業経営者が無能だとか,日本の中小企業経営が異常な経済行動をとっている...みたいな理由ではないです.
 そして,そもそも日本は自由主義経済の国です.倒産・廃業は経営者・オーナーの判断ですし,どの企業に勤めるのかも労働者の意志です.中小企業の淘汰を進めるために景気の悪化を放置すべきだって...そもそも本末転倒じゃない?
 そして中小企業は優遇されまくってて,そのせいで通常ならば倒産しているはずの企業が生き残っている...というナラティブがあるようですが実例を見たことがありません.中小企業の方があっさり倒産します.

 本日はデータ知識の補充とともに,私が結構ヤバいと思っている日本社会の空気についてお話しします.


ここから先は

5,485字 / 4画像

飯田泰之の #note経済ゼミ はじまります. これまでご愛顧いただいてきました定期購読マガジン「…

スタンダードプラン

¥880 / 月
初月無料

マスタープラン

¥2,200 / 月
初月無料

サポートに限らずリアクションは執筆の励みになります.今後もコンテンツ充実に努めてまいります.