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400年続く温泉地の木の仕事。暮らしに寄り添う木のうつわ KNR

ー 作り手

石川県加賀市にある山中温泉。その名の通り、周りをぐるりと山に囲まれた温泉街です。その歴史は大変古く、1300年前に奈良時代の高僧である行基が発見したと言われています。そして400年前の安土桃山時代、職人集団が移住してきたことから、漆器作りが盛んになりました。

そんな歴史ある場所で漆器・木製食器を作っているのが「KNR(株式会社かのりゅう)」です。創業は50年以上前、今の社長さんは三代目だそうです。

山中温泉風景

「木地の山中」「塗りの輪島」「蒔絵の金沢」と称されるように、山中温泉地区は特に木地挽物技術日本一と言われています。その優れた技術で作られた繊細かつモダンな神楽椀はKNRさんの人気商品の一つです。

神楽椀イメージ

他にも、天然木に同じ石川県の伝統工芸の一つである九谷焼の五彩を施した「Kutan」シリーズや、北欧デザインを取り入れ、マホガニーで作られた「SoliD.」シリーズなど、既存の形にとらわれない色や形の器を次々と発表されました。

Kutan イメージ

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SoliD.Bowlイメージ

また、地元ならではの素材として石川県の県木「能登ヒバ」という特別な木材を使用したお箸もおすすめです。

能登ヒバいろいろはし

能登ヒバ


能登ヒバは石川県の能登地方に分布する木材で耐久、殺菌、抗菌性に優れており、建材や輪島漆器などに使われてきました。このお箸は建築端材として捨てられてきた木材を使って作られています。持ち手部分を無塗装にすることで木肌を塞がず、能登ヒバの香りを楽しむことができます。

ー ものがたり

けがき

日本で古くから永く愛されてきた木製漆器ですが、近年では使いやすさに勝る樹脂や陶器、ガラス製の食器など様々な素材の台頭により徐々に衰退していきました。

漆器は伝統的なものというイメージから、「お祝いの場面に使う特別なものなのでは?」「お手入れが大変そう」などと思ってらっしゃる方が多いですが、実際はそれほど取り扱いは難しくはないのです。
しかし、漆器にあまりなじみのない若い方にそれを理解して頂くのはとても難しかったです。
さらに原木の減少、職人の高齢化、後継者不足などの問題もあり生産量も年々少なくなっています。

木地挽き

「昔ながらの漆器のままでは受け入れてもらえない」という思いから、「もっと日常で使ってもらえるものを作るには?」という考えに至り、そこからは漆器に固執するのではなく、色、形、素材など様々な方向で模索しながら、新たな木製食器を作り始めたそうです。

試行錯誤を重ねた結果、木製品ならではの温かみを残しつつ、現代の食卓にマッチする食器たちが完成しました。

Rev.カラーイメージ

ー想い

漆器という長い歴史をもつ技法を活かしながらも、伝統に甘んじずに“本当に人に使ってもらえるもの”を追求したKNRさんの試みは、モノの良さはあくまで使う“人”の方を向いたものだということを感じさせてくれます。

「より使いやすく、よりシンプルに」をモットーに、日常に寄り添ったテーブルウェアをお届けしたいです。
木製食器の良さを残しつつ、使い手の気持ちを考え新しいことにチャレンジし続けています。

繊子供ボウルイメージ

ー作り手情報

KNR



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