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色を引き算したステンドグラス。常識が覆される、doroのプロダクトたち

ー 作り手

ステンドグラスを使ったアクセサリーやインテリアを制作されているdoroさん。ステンドグラスと聞くと教会の窓にはめ込まれているようなカラフルな物を想像しがちですが、doroさんの作品は、既存のイメージとは全く違う新たなステンドグラスの姿を見せてくれます。

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世界各国の質感の異なる透明のガラスの組み合わせや鏡を使用し、モノトーンで統一された作品たちは、シンプルながら奥深い佇まいで身に着ける人の魅力を引き立たせてくれます。

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上品で洗練された世界観を持つdoroさんですが、ブランド名の由来は意外なものでした。

名前の由来はその名の通りドロ。泥の匂いを感じるものづくりというところから、手仕事にこだわりを持つブランドを目指しました。

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一見すると泥とは程遠い、クリアで透き通った作品たちですが、手しごとの有機的な形や質感は、泥のもつ心地よいまどろみや懐深さといったものを感じさせます。キレイなだけでは終わらない、体温を持った小さな存在がそこに生まれているかのようです。

ー ものがたり

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蔦屋書店やパルコ、また韓国など、各地で展示会やポップアップショップを開き華やかに活躍されているdoroさんですが、制作のきっかけは、捨てられるはずの廃材の活用からだったそうです。

もともとdoroは洋服のブランドとして2005年にスタートしました。実家の家業がステンドグラス工房で建築物に施工するステンドグラスパネルを制作しており、その際に大量のガラス片が端材として排出されます。それを利用できないかと考え、2010年頃からステンドグラスアクセサリーをファッションに取り入れる制作を始めたのがきっかけです。

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実はお母さまもステンドグラスで作品を制作されていらっしゃり、その過程で出てきたガラスの端材でアクセサリーを作り始めたそうです。最初は遊びで作っていた作品たちがどんどんと形になり、商品として独立していきました。

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ひとかけずつ違う個性を持つ「KAKERA」シリーズは今や人気作品の一つです。

以前は南阿蘇を拠点に制作をされていましたが、最近都内に新しくアトリエを構えられたそうです。doroさんの世界観に合った雰囲気を持つ、静かで澄んだ空気を感じさせる場所です。

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作品の制作はまず、スケッチしたものをIllustratorで書き起こし、データ化したものを出力して型紙を作成するところから始まります。

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その後ガラスをカット、研磨し、カッパーテープ(銅製のテープ)をガラスに巻き、ハンダ付けをして・・・といった形で工程を積み重ね、やっと作品が完成します。

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ミニマムで洗練された印象の作品の中にも、一つ一つ複雑な工程が詰め込まれています。

ー 想い

ー ステンドグラスを「衣食住」へつなげる。ー
それがブランドのコンセプトです。

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始めは“身に纏うステンドグラス”というコンセプトでアクセサリーを制作されていたそうですが、身に着ける物に留まらず、もっと広い制作ができないかと考えた結果、家の中にも気軽に取り入れられる“ステンドグラスプロダクト”という、現在の形にたどり着かれたそうです。そこからテーブルウェアやインテリアなど、アイテムの幅も広がっていきました。

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通常のステンドグラスには鉛が含まれていることが多いですが、doroさんの作品では肌や舌に触れるアクセサリーや食卓用のプレートには、鉛を含まないスズとシルバーでできたハンダを使用するなど、体への気遣いがされているのも嬉しいところです。

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無色透明でありながら表情豊かなdoroさんの作品たちは、遠くから仰ぎ鑑賞するものだったステンドグラスの概念を破り、“身近で”、“触れて楽しむもの”という新しい関係性を提案してくれています。

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ー 作り手情報

doro



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