夢で見た旅路〜連歌 feat. 枝折さん
なんとまたまた連歌をさせて頂くという幸運に与りました。嬉しいことというのは続くものですネ🍀
今回はご一緒させて頂いたのはショートストーリーを纏めた作品集『栞を挟んで、離さんで。』の発表も記憶に新しい枝折さんです。
甘美な喪失の旅
結論から云うと私の全体的なイメージは、何を探しているのかも分からずに何かを探し続ける、雲を掴むような流浪の旅路。「青春」といった甘酸っぱいそれではなく、辛く苦しいが故に甘美でもある喪失の旅。そう、その旅の中で多くを失う、失う為の旅に向かっていく。……っていきなり長々と一体私はナニヲ書いているのでしょうね🤭
発句のイメージは‥
私は最近でこそ思いっきりファンタジーに振り切りつつあるのですが、もともとは現実と完全に混ざり合っていて区別もつかないぐらいのところからスタートした人なので……まぁ一言でゆうならファンタジーですね🤭
というわけで私の信じる日常を書くと軸が定まらずあまり良い結果を生まないだろうことは目に見えていたので、夢で見た駅の下にお城が眠っているというイメージを……いや、ファンタジーじゃんコレ😵💫
あくまで象徴、そう、あくまで比喩的なヒョーゲンとして(r
壁に開いた微細な穴から‥
具体的なイメージに慣れすぎている私はここで「失せ物探し 流浪の旅」という抽象的な一文に正直面食らってしまいました。少し悩んでから返したのが壁に残されいるピンの穴、つまり引っ越しの後でカレンダーや写真を留めていたピンの跡が残っているというイメージです。
さぁどう来るか……。
するとなんと、壁に開いたごく小さな穴から深淵がこちらを覗き返してきた! なんということだ! 深淵だ!
つまりもはや解きほぐすことが難しい程の神のみぞ知る混沌。眠る城も失せ物もきっと絡め取られている……。
後から思うと私はここで少し昔のことを思い出したのです。返した句が「水甕に映る貴方と紙の月」。この中の『水甕』という言葉がトリガーになって、何年か前にとても曖昧なまま何かを探すという詩を書いたことがあったのを思い出しました。
少し長いですが載せてしまいましょう。
輝きを失わないもの
偽物でも構わないという思い。あるいは偽物のAが後に本物のBと呼ばれる。つまり偽物というのはAに属する側から見たほんの束の間の見せかけでしかない。本質的に別物。
何でしょう、この曖昧な感覚は――。
私には実際に流浪の時代が在ります。望んで赴いた自分探しではなく、止むに止まれず出た旅。私は現在が間違っていることを確信し、在るべき未来のヴィジョンを捉え見切り発車で無理矢理に旅に赴きました。
けれども明確に持ってはいるはずのヴィジョンに現実に存在できる形を与えることがなかなかできずに大きな迂回路を歩みました。
――この辺りの話は別の機会に譲るとして、ラストの一文です。真夜中に非通知で着信。海の音が聞こえるばかりで人の気配がない。
これは失せ物探しに纏わる私のスタンスをそのまま書きました。云ってしまえば、その電話から何かヒントを得ることはできるのかもしれないけれど、それはちゃんとした分かる言葉では与えられない。正解は向こうからやって来ることもあるけれども自分が受け取れるかどうかは分からないよ、ということです。
私が旅先で好んで聴く歌があって、美しい演奏に乗せてこう歌うのです――。
あとがき
……とまぁ、毎度のことながら長くなってしまったのですが、私はこの連歌を振り返ってこんなことを思いました😌
詠んでいる時というのはほんとにいつも手探りで一歩先の自分の言葉も見えない程です。今回もなかなかにエキサイティングな失せ物探しの旅でした。
枝折さん、どうもありがとうございました🍀 よろしければこれに懲りずにまたご一緒させて下さいね🤗