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面接で心がけるポイント(面接官編)

こんにちは、十専口人です。
今回は「採用面接」について書いてみます。

私は以前まで、ある会社で新規事業の責任者を担当していました。その為、社員採用の面接に立ち会うことも多く、その度に採用面接に対して色々と考えることがありました。

当然ですが、面接には、受ける側と行う側が存在します。世間一般では、受ける側になる人が割合的にも機会的にも圧倒的に多いでしょう。ですから、面接官の立場になる人は限られてきます。頻繁に経験できるわけでも無いので、やり方や心得のようなものも中々伝えられていきません。
もちろん、正解のやり方なんて無いと思います。ただ、会社にとって有益な人材を確保できるかどうかは、面接官の人を見抜く力にかかっています。
そこで今回は、採用面接で面接官が見るべきポイントを私なりにまとめてみました。

面接で見るべき5つのポイント

①格好と姿勢
マニュアル本に書いてあるような「スーツは黒や紺が無難」「Yシャツは白が良い」「入室のノックは3回」「お掛け下さいと言われるまで座らない」などをイメージされる方もいると思いますが、そんな事ではありません。
常識の範囲で最低限というものはありますが、服装や姿勢が良く無いからとすぐにマイナス点を付けるのはいかがなものかと思います。
むしろマニュアル通りの格好と姿勢で面接に臨んでいる人は、私にとってあまりイメージが良くありません。
そもそも面接の決まりって誰が決めるのでしょうか?
何故Yシャツは白が良いのか、誰しもが納得できる理由を説明できる人はいるのでしょうか?そういう決まりに限って、入社後には綺麗さっぱり無くなっていませんか?
格好と姿勢を見るのは、もっと大切な理由があります。見た目に気を使っているか、相手に不快感を与えない格好であるか、不愉快にさせない姿勢であるか、など。
相手に対して気遣いができる人間であるかどうかを図る為に見るものです。
相手への気遣いができる人は、仕事もできる人です。

②自然体であるかどうか
目線や仕草、表情、声のトーンなどを見ていると、相手の心理状況が見えてきます。大抵の受験者は、とても緊張しているはずです。この緊張を完全に無くすことはできませんが、緩和してあげることは可能です。
受験者の話を引き出すのは、8割以上が面接官の役目です。
敢えて緊張感を出し、相手の力量を図る面接もありますが、私はあまり意味が無いことだと思います。
相手の本来の姿を引き出せない限り、その人の潜在能力や可能性、人間性までを理解することはできません。緊張した空気を作ったばっかりに、磨けば光る原石をミスミス逃してしまう面接も多いのではないでしょうか。
雑談や笑い話、リアクションを大きくするなど、受験者を自然体にする為の空気作りも面接官の務めです。相手を自然体にさせることで、その人の本質により近づくことができます。

③質問の意図を理解しているか
面接官がどういう意図で質問しているか、理解できる人は仕事もできる人です。
表面の言葉尻を捉えるのではなく、その奥にある意図を読み取っているかどうかを見極めます。

例えば、

「この会社で何をしたいですか?」

という質問に対し、

「貴方が入社したら、どのように会社に貢献してくれるのか、具体的に示して欲しい」

という面接官の意図までくみとれるかどうかです。
質問の意図をくみ取れる人は、物事の本質を見抜くことができる人です。瞬時に面接官の立場になって考え、相手が求めているものを理解することができます。それは相手を思いやる力とも比例します。

④1の質問に対し10で答えるか
1の質問に対し1でしか答えられない人は、あまり能力がありません。仕事もそれほどできないでしょう。というのは、そこから相手に対する思いやりを感じられないからです。
会話とは、基本的にキャッチボール。投げられたら投げ返すものです。これを1で返す人は、分かりやすく相手に伝えようという努力を怠っている人です。
もし、相手がもっと理解するにはどうしたら良いか考えているならば、具体的な例や補足、詳細な説明など更にプラスして返すはず。質問の意図が分からなければ、聞き返す事だってやるでしょう。それは、相手にしっかり応えなければ!という思いやりの表れです。
ただ、ここで注意しなければいけないのは、プラスされているが中身がない場合もあるという事です。比喩や曖昧な修飾語が先行するばかりで、中身が無ければ、それは10ではなく0と同じです。
そこを見誤らないようにしなければいけません。

⑤理にかなっているかどうか
一番重要なポイントです。
価値観や生き方に筋が通っているか。言ったことに対して責任を取れるのか、取ってきたのか。この会社で働くことが、相手の人生においてどういう位置付けなのか。それを正直に話しているかどうか。などです。
これは人生という意味で、もっと視野を広くして相手を見る作業です。
相手にとって、「この会社で働くメリットは何なのか」、「人生においてどんな意味をもたらすのか」。俯瞰的な視点で、相手の求めるものと会社が提供できるものが見合うかどうかを測る必要があります。
大抵の面接では、相手のメリットまで考える事はないでしょう。会社の利益にする為の面接でしょうから当然と言えば当然ですが。
しかし、相手のメリットになるかどうかというのは、実は会社の損益にも大きく関わってくることです。
相手のメリットにならなければ、働くモチベーションは上がりませんし、成長欲も産まれません。そうすると、与えられた仕事しかしない機械人間になってしまいます。確かに、機械のように作業をこなす人も必要かもしれませんが、それが果たして正社員へ求めるべき要素なのでしょうか。
モチベーションや成長欲は、会社にとって想像を絶する利益をもたらしてくれます。それは、その人だけでなく、同じ職場にいる人達にも影響し、相乗効果で拡大していくものです。双方の利益になるような採用が、長い目で見て、会社の大きな利益にも繋がります。

マニュアルは捨てろ

他にも色々とあると思いますが、大きくはこんな感じです。私は、これらを見るための面接をしてきました。具体的な例が無いので中々イメージしずらいかもしれませんが、逆に、やり方を具体的にしていけばいく程、面接がマニュアル化され、機械人間を採用してしまう可能性が大きくなります。
世の中に同じ人は二人として存在しないのと同じで、人を見る時に正しい方法なんてありません。臨機応変に対話し、いかに相手の人間性を理解できるのかが大切です。
会社にとって技術や経験、即戦力になるかどうかは重要な要素かもしれませんが、人を育て、会社を育てていくつもりなら、より人間の本質を見ていく必要があるでしょう。
次回は、これを踏まえた上で受験者が心がけるべきポイントについて書いてみます。

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