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【月曜:創作の話⑦】自作品紹介②~染殿一門事(そめどのいちもんのこと)」

こんにちは、アスカです。
今日は文字数が多くなってしまったので、前置き駄文はカットしまして、
先週に引き続き、自作品の紹介をしてまいりたいと思います。

前回の記事はこちら ↓

本日ご紹介するのは、
これまたファンタジ―小説染殿一門事そめどのいちもんのことです。

*”染殿”から改題し、”染殿一門事”と称しています。

<あらすじ>

皇帝の覚えもめでたい都きっての名門・染殿一門そめどのいちもんは、20年に亘って当主不在という異常事態の中にあった。
春のある日、染殿一門の九代目当主である青年・葛葉くずはが都へと”帰還”する。
一門と関わらず育ち、当主の意識にも乏しい葛葉だったが、自ら一門の者たちと触れ合い交流を深めていく。
しかし、彼の帰還とともに、都では不穏な事件が起こり始める。

<登場人物>

染殿一門そめどのいちもん
都随一の名門一族。
染殿本家を中心とし、春日かすが逢坂おうさか鹿月かのつき千鳥ちどり家からなる。

【染殿本家】
 染殿一門の中心。皇帝家から代々無条件に謁見を許されている唯一の存在。
 染殿本家の当主は「染殿当代そめどのとうだい」と称され、染殿一門の頂点である。

 染殿葛葉そめどのくずは
 染殿本家九代目当主、染殿当代。十八歳。
 父親である先代が都を離れていたため、自分が”染殿当代”であることを知らぬまま、北方の「蒼古そうこの森」で育つ。そのためか年齢より幼い言動が目立ち、名家の当主という自覚に乏しい。
 じっとしていられない性格。

 九条橘くじょうのたちばな
 「橘」は代々の染殿当代の側に必ずあるという謎の存在。
 白髪に金色の瞳と、外見からして人間ではない少女。人間ではないことは公認されており、姿を変えることもできる。
 立場的には葛葉に仕える存在のはずが、幼い兄妹のような喧嘩を展開する。幻想的な外見を台無しにするがさつさ。が、曰く「まろが本気を出せばこの都なぞ吹き飛ぶ」。

【千鳥家】
 染殿本家の執事的存在。当主は染殿当代の従者となる。

 千鳥長閑ちどりのどか
 千鳥家当主。葛葉と共に都に帰還した。茫洋とした雰囲気、丸眼鏡が特徴。
 彼も従者という立場を忘れているかのように、葛葉に対して「馬鹿」などの暴言を吐き、容赦ない態度を見せる。一方で橘に対しては「橘様」と呼び、葛葉よりも敬っている。

【鹿月家】
 染殿本家に勉学を教授する役割を担う家。
 その他、皇帝家への人材提供も行っている。

 鹿月世流かのつきよる
 鹿月家当主。一度見れば覚えてしまい、忘れないという特技の持ち主。
 生来読書・勉強好きであまり外に出たがらず、当主になる前からずっと部屋に引きこもって読書している。染殿一門に聞こえるほどの変人、とされている。

 鹿月世々羅かのつきせせら
 世流の妹、十六歳。
 真面目で素直な性格で、変人である兄に昔から振り回されて来た筋金入りの苦労人。更に染殿当代への教授役まで押し付けられてしまった。が、その性格から橘や長閑からは好評価を受けている様子。

【春日家】
 染殿一門において術式を司る家。
 他の家よりも遅く染殿一門に加入した。
 染殿本家以外に、皇帝家の警護も担当している。

 春日匠かすがたくみ
 春日家当主。穏やかな性格だが、世々羅は彼を「鞘の中の刀」だと感じている。
 術式の才覚・実力ともに歴代当主で最高と噂され、都中に己の”遣い”を放っており、常時都で起きていることを熟知している。やたらと酒に強い。

 春日中かすがあたる
 
匠の弟であり、春日家次席を意味する「才師」の地位にある。
 線が細く、暗め。宮中に出仕している術師をまとめている。

【逢坂家】
 染殿一門において、武道を生業とする家。
 本家の人間の護衛のほか、皇帝家への人材提供も行っている。

 逢坂環おうさかたまき
 逢坂家当主。飄々とした雰囲気の女性ながら、こちらも稀代の格闘家と呼ばれる達人。甘味好き。春日家の匠とは茶飲み友達であり、ここに鹿月の世流を加えて幼馴染となる。葛葉に対し、何かを隠している様子。

 逢坂響おうさかひびき
 
環の弟、十六歳。寡黙な少年。
 かつては環を超えるだろうと誰もが思い、先代逢坂当主も次期当主を彼だとほとんど公言していた。が、四年前に起こった事件のために当主は環が引き継いだ。従来寡黙だったのが、それ以来輪をかけて人と距離を置くようになったという。
 唯一、環が引き取った傍流の娘・初に対してのみ主体的に接する。

 逢坂初おうさかうい
 環が引き取った逢坂家傍流の娘。十四歳。
 四年前に流行病のために良心を亡くし、自身も声を発することができなくなった。それからの他人との交流手段はもっぱら筆談。葛葉も感心する達筆。

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白夜家びゃくやけ
 皇帝家。現在の朝を開いて250年が経過する。

 白夜家びゃくやけ 耀麗殿ようれいでん 天馬てんま
 現皇帝。闊達で豪胆。
 葛葉の父である染殿先代に強い憧れを抱いている。葛葉の帰還を待ち、何かを画策している様子。

 白夜家びゃくやけ 葵宮あおいのみや 御法みのり
 天馬の妹。愛称「のの」。十六歳。
 親を早くに亡くし、十以上年の離れた兄の天馬に溺愛されて育ったため他人の迷惑をあまり考えない、典型的なお姫様。堂々と都の街へと出かけていた。

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加賀見家かがみけ
 左丞相さじょうしょう加賀見安積かがみあさか率いる一族。長年の名家と呼ばれる染殿家と対照的に、安積一代で出世した成り上がり。

 加賀見安積かがみあさか
 皇帝の次に権力を持つ左丞相。元々は中級程度の役人であったが、優れた手腕を発揮し、左丞相にまで登りつめる。
 無条件に皇帝家の寵愛を受ける染殿家に対して屈折した感情を抱いており、家内では「染殿家は無能者」と公言して憚らない。

 加賀見香里かがみこうり
 
安積の娘で、絶世の美女。

 加賀見安真かがみあずま
 安積の孫息子。ただ一人の孫息子ということで、ことさらに厳しく育てられた。純朴で人を疑わない性格。
 祖父の命令で皇女葵宮・御法と交流を持っているが、命令を越えて密かな恋心を抱いている。もちろん当の御法にはまったく気付かれていない。
 祖父の「染殿家は無能者」という言葉を頭から信じている。

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蒼古そうこの森
 都の北方にある広大な森。葛葉が生まれてから十八年間育った場所。
 隠者として暮らす蒼古以外、人が住んでいる様子はない。

 蒼古そうこ
 森で暮らす隠者。春日匠も一目置くほどの術式の遣い手。なぜ隠者となったのかなどは不明とされる。
 葛葉は十八になるまで共に過ごしたが、「育てられた」というわけではないらしい。
 酒を好み祭り好きな性格であるらしく、年齢は不詳ながら「オバサン」と呼ばれると怒る。
 都に帰還するにあたり、葛葉に一本の傘を譲った。

<世界観>

中華風のような、和風のような雰囲気です。平安時代の日本みたいだけど、もうちょっと中華色強い、みたいな…。
一番偉い人も「皇帝」ですし、易姓革命を経てきた国が舞台です。

しかし、この国の人は、ただびとに見えざる”あやかし”と共存していて、
”あやかし”の世界を見ることのできるものが国家権力に関係してすらいます。
(陰陽師みたいなイメージでしょうか。ただ私はそこまで陰陽師に詳しくありません…)

ちなみに、主人公の名前が「葛葉」ということでその辺りを想起される方もおられるかと思いますが、
これははっきりと偶然です。
思い返すと、学校で葛の葉さんのお話を劇で見た経験がある気がするので、
脳のどこかに収納されていたのかもしれません。。

このあやかしの存在が、物語の展開に大きく関わってきます。

<作品のテーマ、思いとか>

テーマは「家族愛」かなーと。

血縁をほぼ亡くした主人公が、
知らぬうちに生まれに課されていた役目と、
初対面の「染殿一門」の人間たち(=家族)との関係を通じて成長していく過程を描いています。

一方で、一門の人間たちもそれぞれに事情を抱えており、主人公の登場を契機に彼らも変化していく…という、群像劇? 的な物語だと思っています。

個人的には、主人公・葛葉とその側にいる謎の存在・九条橘の関係性を面白く見ていただきたいなあと思っていたりします。

ところでこの葛葉という主人公ですが、自分でもどうしてこういうキャラクターができたのかわからない。
そもそも、青年主人公の物語を作った経験があまりありません。
しかしその反動なのか、この物語や彼に対する思い入れは結構強い気がします。

このお話は、先週ご紹介した「偽黄夢譚」をはるかに凌駕する文量になりそうで、
それこそ生きている間に終わるんだろうかと思っています。
まず登場人物が多い(実際はこの倍います)うえ、過去から数えて250年程度にわたる物語になるため、
私の気力がいまのところ追いついていないという…。

本当に「死ぬまでに書き終えられたらいいなぁ…」と思っています。
ラストシーンは決まっているので、そこまでを埋める作業をひたすらしていく感じです…。

物語のゴールを設定しないと書きだせない人間なもので、
おおよその作品でゴールだけは決まっているのですが、
そこにいたるいろいろ(時間とか余裕とか頭とか頭とか)が追いつかないことが結構あるのが、悩みでもあります。

でも結局楽しいから考えちゃうし書いちゃうんだな。

まずは「偽黄夢譚」を決着させて、それからこちらを紡いでいきたいと思っています。

締切を作るために、やっぱりこれもイベントで本にすることにしようかな。
(締切作らないとダメな人間はダメである)
たぶん3年は向こうの話になりそうですが…。

noteで記事にするにあたり自作品を整理してみたのですが、作ってはいるものの公開していない作品もいくつかありまして、
これらはやはり本にするなりしてお見せできるようになってから紹介するのが筋かなあ~と思いました。

というか、お出しできる作品があまりに少ないことに軽くショックを受けている…(笑)
こんなんで一次創作作家名乗っていいのか? と自問自答しています。

というわけで、やっぱり結論はイベントに向けて頑張ろう! になりました。
置き場とお財布と相談しながら…。。

さて来週は、一度軽くだけご紹介しているイベント既刊の長編「奇術師と異邦人」について書きたいと思います。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
創作って楽しい♪

2023年6月12日
アスカ
#asuka_44
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