見出し画像

ジェンダー平等の実現を掲げる私が考える、女性の社外取締役選任のメリット

こんにちは。
株式会社Kanatta代表取締役社長の井口恵です。

今日は女性の役員登用に関するイベントに参加してきました!

ちょうど先日発表された流行語大賞に「ジェンダー平等」が入ってましたね。
流行で終わることなく当たり前の価値観になるといいなと思います。

そんな想いを胸に参加した本日のイベントでは、主に外部の女性の登用について話し合いました。

外部の女性の登用と言われて、一番分かりやすいのが女性の社外取締役を選任することなのですが、実は私は女性の社外取に関してあまりポジティブなイメージがありませんでした。

画像2

どうしても「お飾り」というか、上場企業が役員に女性を入れないといけないという義務を果たすためだけに形式的にやっているだけという印象が強かったのです。

しかし、今日のイベントに参加して、女性の社外取締役を選任することに対する印象が変わりました!

と同時に、今の日本企業はジェンダーやダイバーシティ&インクルージョンという観点においてこんなにも遅れているのかと実感する時間にもなりました。

そこで、今回は本日私が学んだことをお話しできればと思います。


日本企業での女性活躍の現状


まず、日本企業の女性活躍における現状を数字でおさらいすると、下記のとおり。

女性管理職:8.9%(*1)
上場企業における女性役員比率:7.4%(*2)
女性役員ゼロの上場企業:43.4%(*2)

*1:帝国データバンクhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000334.000043465.html
*2:東京商工リサーチ調べ
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210716_03.html


なかなか絶望的な数字ですね(笑)


今日のイベントの中では、

「大企業は男性ばかり、かつそれほど優秀じゃない」

とか

「伸びてるベンチャーは明らかに女性比率が高い」

など、かなり衝撃的な言葉も飛び交いましたが、私が意外だったのは、このような意見を仰っていた方がみんな男性だったこと。

なぜこんな極端な意見が男性側から出るんだろうと不思議に思っていましたが、実は男性ばかりの会社は男性にとってもあまり居心地が良くないようです。

日本企業の出世争いは、猿山のボス猿争い?!

画像5


まず日本の大企業の出世争いの現状を表現する例え話として用いられていたのが、「猿山のボス猿争い」というフレーズです。

男性ばかり、しかもずっと入れ替わりがなく同じメンバーという組織の中で頂点争いが勃発しているという意味です。

日本の終身雇用という慣習がそうさせているのですが、確かに外資系の企業と比較して日本企業は人材の流動性がなく、
同じ年に入社した同期がほぼ同じペースでだんだん昇進していき、
課長くらいまではほぼ全員がなれるものの、役員になった途端突然振るいにかけられるという現象です。

そこで役員になれなかった人は今更転職することもできず、出世争いに負けても同じ組織に居続けるということになります。

確かに、猿山でオスの猿がボス猿とそれ以外に明確に区別される状態に似てますね。。。


この話を聞いていて、なんだか私は男性の方が可哀想になってきました(笑)。

しかも、猿山のボス猿争いはまだ直接戦って決まるので本人同士も納得している印象ですが(あくまでも私のイメージですが笑)、
人間の出世争いは単純な能力だけでなく、いろんなしがらみや派閥などが絡み合って、それはもうドロドロなんだろうなと想像してしまいました。

しゃんしゃん取締役会


そんな熾烈な出世争いに勝利した人で行われる取締役会は、さぞかし高等な議論が行われているのだろうと想像しますが、実はそうではなく、
報告事項のみが上程される、いわゆる「しゃんしゃん取締役会」になってしまうことが多いようです。

なぜなら、同じような人たちが集まっているから。

入社以来同じ会社で働き続け、ずーっと同じ文化で働いてきた生え抜きの男性ばかりなので、話し合っても異なる意見がなかなか出ず、活発な議論になりにくいそうです。

何か提案がなされても、全員が

「意義なし」

と言うだけの、形式的な会議になってしまうのです。


女性の社外取締役の役割


そんな空気に一石を投じるのに一躍を担うのが、女性の社外取締役です。

画像1

ここで大事なのが、「女性」かつ「社外」という異質な要素を二つ持ち合わせていること。

まず「女性」という要素についてですが、当然ですがジェンダーが違うので、別の観点から物事を見ることができ、異なる意見が出やすいです。

よって、男性にとっては「異議なし」だったとしても、女性から見たら「異議あり」となり、そこから議論が発生する可能性があります。

しかしながら、異なる意見を持っていても、女性側が積極的に意見をすることに抵抗があったり、意見される男性側もなかなか受け入れづらいという課題があります。

そこで効いてくるのが「社外」という要素です。

不思議なことに、社内で同じフィールドで頑張ってきた身内という立場より、社外という異質な立場の方が、意見する方もしやすく、かつ意見される方も耳を傾けやすいそうです。

よって、部下や同僚の意見は聞かなかった男性役員が、女性の社外取締役の意見は聞き入れるという現象が起こるのです。

確かに、近い人やライバルの意見は素直に聞けない時もありますよね。

「社外」という立場の場合、お互い意見が異なるのが当たり前という前提があるので、建設的な議論が起こりやすいそうです。


女性社員のロールモデル


前述のエピソードを効いて、女性の社外取締役の選任に対してだいぶポジティブになった私でしたが、どうしても引っ掛かる点が一つありました。

画像4

女性の役員を増やすことのメリットとしてよく挙げられる、その方が女性社員のロールモデルになる、というメリットを、社外という立場で実現できるのか?という点です。

有難いことに私も社外取締役や監査役のお話を何度かいただいたことがあります。

そんなとき、毎回気になるのが、

「外部から来た私がいきなり役員に就任したところで、今働いている女性社員の勇気づけになるのか?」

ということです。


生え抜きの女性社員が役員登用されたら「私も頑張ったらああなれるんだ!」とイメージできると思います。

しかし、それが外から来た女性の場合、どれほど彼女たちのロールモデルになれるんだろう?と疑問に思っていました。

そんな話を私がした際にいただいた意見が、「そうやって外部から来た女性を目の当たりにして、女性社員がもっと外に出るようになったら、結果的に活躍する女性が増えていいんじゃない?」というものでした。

そもそも生え抜きの役員ばかりで構成されている日本企業の構造が歪だから、優秀な人がもっと外に出ていくようになれば、人材の流動化が起こり、
男女関係なく本当に優秀な人がキャリアアップしていろんな会社の役員に就任するようになるんじゃないかというご意見でした。

確かに、取締役会が生え抜きの役員だけで構成されるという事象自体が外資系企業から見たら違和感です。

そこで、社外取締役の活躍により、日本でももっと人材の流動化が活発になれば、男女ともに働きやすい環境になるのでは?というご意見でした。


外部の女性を登用するメリット

画像3


以上の議論より、私は外部の女性の登用に関して、かなり前向きになりました。

例え最初はお飾りとして入ったとしても、異なる意見を投じる存在が一人いるだけで議論が活発になること。

そして、外部の人だったとしても同じ会社で出世していくというキャリアパス以外で活躍する女性が身近にいることで、女性社員のロールモデルになりうること。

もちろん、この二点以外にも女性の社外取締役を選任するメリットは多数ありますが、上記の二つだけでもかなり重要なインパクトがあると思います。

普段はドローン業界や宇宙業界での女性の活躍のフィールドを拡大し、女性の雇用を創出するという草の根活動をしている私ですが、
トップ層で活躍する女性を増やすこともジェンダー平等を実現する上で大事な取り組みだと実感した一日でした!

……………………………………

私のTwitterはこちら♡
https://twitter.com/IguMegu47

Facebookもぜひフォローしてください♡
https://m.facebook.com/iguigukanatta/

……………………………………

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?