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「仕事が楽しい」と言えなかった私が、未経験でコンサルタントに転職してみた話

※2023年12月21日追記
キャリコネニュースにて本記事内容をご紹介いただきました。

コンサルティング事業本部 ストラテジーユニットの遠藤です。

国連が採択して今年で10回目を迎える「国際ガールズデー(10月11日)」をご存じでしょうか?
実は「女性の権利」や「女性のエンパワーメント」を国際社会に呼びかける日として制定されたものです。

この日に際して、誰かのためになればと思い、自分の体験を書くことにしました。私が30代でキャリアチェンジし、業界未経験でシニアコンサルタントになるまでの話です。

この記事がほんの少しでも、自分らしくゆたかな人生のために、女性が立ち上がる勇気をもつきっかけや一助になればとても嬉しいです。


メーカー時代:「仕事が楽しい」と屈託なく言える同僚が羨ましかった

あと数か月で30歳を迎えるという頃。

私は駐在先のヨーロッパ支社の自席に座りながら、自身の専門性を突き詰めきらないまま、30代を迎えてしまうということに酷く焦りを感じていました。数年前に目にした「20代は専門性、30代は経験、40代は人脈」という本のポップが、ずっと頭の中にこびりついていました。

大学院進学試験に失敗し、急遽就職活動に転向、拾われた大手メーカーに駆け込むように入社。予想も希望もしていなかったIT部門に配属されるも、「仕事は辛いもの」「大企業=ステータス」といった昭和の社会風潮と真面目な両親のもとで育ってきたため、「希望ではなかったが、ここでも成長はできるはず」と同じ場所に留まっていました。

留まる間、自分の「好き」を全く模索してこなかった訳ではなく、プロジェクトマネジメントという目的達成のためのプロセスを追求する分野は面白いと感じていましたし、希望していた海外駐在も経験させてもらいました。

しかし、周りの同僚ほどIT技術そのものに熱意をもって専門性を磨けず、心から「仕事が楽しい」と言えなかったことは常にコンプレックスでした。それは自分の道を真剣に考え、行動してこなかったことの報いであることは薄々気付いていましたが、当時の「世間軸での思考」から、どのように「自分軸での思考」に切り替えることができるのか、全く見えませんでした。

駐在時代に住んでいた街の大好きな広場。
何度行っても飽きないくらい美しく、ノスタルジックな場所でした。

メーカー時代:コンサルを志すきっかけとの出会い

転換のきっかけは偶然に、そして突然にやって来ました。

向かいの席に座る同僚のオランダ人女性が、夜間大学に通っていると話していたのです。当時私は、外部の通信教育プログラムでMBA(経営学)の入門コースを終え、もっと学んでみたいと思っていたところでした。

色々と話を聞く中で触発された私は、半ばこじつけと勢いで、異国の地で大学院に通うことにしました。入学金の振込ボタンを押す夜、人生で最も高額な買い物にドキドキしながらも、自分の道を考え、行動したこと、その先に待つ未来に思いをはせて、とてもワクワクしたのを覚えています。

MBAの授業のいち場面。大学院では親友が数名できました(みんな国籍が違う)。

フルタイムの仕事と掛け持ちで大学院に通うのは本当に大変でした。それでも、週末は朝から夕方まで面白い授業に身を浸し、夜は活気あるヨーロッパのパブで、目を輝かせながら夢を堂々と語る仲間たちと過ごしていると、だんだんと自分にも変化が現れました。

自分の興味により敏感になりましたし、「自分なんかよりもっとすごい人はたくさんいる」と自己卑下で興味の種を潰してしまうことも減りました。夢を堂々と先に宣言してしまうことも、照れながらですができるようになりました。コンサルを志すきっかけとなった「起業」の授業には、そんな変化の最中に出会いました。

駐在時代は、よくこんな街中のパブで仲間と飲みながら議論を交わしていました。

私は「チームワークで成しえる究極の成果」として、起業に熱狂しました。ノーアポで仲間と地元テニスクラブをまわって練った、スポーツテックの起業案をエレベーターピッチ(エレベーターに乗っているくらいの短い時間で自分自身や自社のビジネスなどについてプレゼンすること)したり、スタートアップの現場を体感するためシリコンバレーに飛んだりもしました。

そんな経験をする中で「MBAが終わってもこの面白い世界に浸っていたい。新たな事業創造の場に、仕事として関わりたい。それもスタートアップ1社に入社する形ではなく、たくさんの事業創造の場面を経験したい」という思いを固めていきました。

起業に関する授業の恩師とシリコンバレー遠征中、バークレー大学に寄った時の写真。

入社理由:経営理念を自分ごとにできるか、やりたいことや一緒に働きたい人がいるか

その後日本に帰任し、人生初の転職活動を始めましたが、未経験での転職はかなり苦戦しました。大学院進学から急遽転向した過去から、就活の基本が身に付いていなかったことも要因と思います。

駐在最終日の朝、中心街のカフェにて。思い出や関係を培ってきた地を離れるのは身を切られるような辛さで、この頃は連日悪夢を見ていました。

「断られるのはつらい。何が正解かもわからない。」それでも、せっかく思考が変わり、やりたいと思える仕事も新たにできたのに、このまま世間軸で自分が選んだ世界に居続けるのはもっと嫌でした。転職活動に挫折しては数か月後、諦めきれずにまた活動再開をしばらく繰り返していたある日、とあるコンサルファーム専門の転職エージェントの扉を叩くことになります(そこで転職活動の楽しみ方を教わり、自身も転職活動を楽しめるようになったのですが、その話はまた機会があれば)。

イグニション・ポイントを紹介されたのは、このエージェントからでした。イグニション・ポイントの残業時間が少ないというコンサル業界では珍しいとされる特徴や、スタートアップ的なスピード感のあるフットワークで仕事ができる点に興味を持ったものの、実は初めからピンと来ていた訳ではありませんでした。ですが、選考を進める過程で自分が思い描いていた「入社の決め手」に非常にマッチする企業だという確信が強まっていきました。

私の入社の決め手は3つ。「経営理念を自分ゴトにできるか、やりたいことができるポジションか、この人達と一緒に働きたいと思えるか」です。イグニション・ポイントの経営理念は、自身のこれまでの葛藤や変化、起業の現場で見たエナジーから強く同意できるものでしたし、新規事業開発のコンサルティングを主とするストラテジー部門は私のやりたい仕事そのものでした。ただ一番の決め手となったのは、なによりもどの面接官も素敵だった点です。自身の明確な夢を持っており、私のような人と異なる経歴や業界外ならではの意見を持つ者にも寛容で、素直に一緒に働きたいと思える方々でした。

最終面接で現社長から「採用」とその場で言われ、念願の未経験コンサル転職が叶った瞬間。嬉しすぎて学生のように起立・90度お辞儀・「ありがとうございます!!」の昭和コンボをかまし、笑いを誘ってしまったのは、恥ずかしいですが良い思い出です。

転職が決まったあと、金沢、白川郷、奈良井宿、白馬に車で一人旅。愛犬家の方から手作りの写真集をいただくなど、色々な方との出会いや自分を振り返ることができ、結構好きな時間でした。

入社1週間日:付いて行けず3回は泣きそうになった

念願のコンサルタントとしての1週間目。

右も左もわからず、緊張する中、アサインされた最初のプロジェクトはシステム開発系の新規事業開発案件でした。自分の知見ある領域なので少しは戦力になれるかもと臨みましたが、コンサルスキルゼロの私は取りつく島もなく、その週、大人気なくも3回ほど心の中で半ベソをかくことになりました。

話の内容が十分に論理的ではない。周りができる調査や資料作成を自分だけができていない。未経験だから仕方ないと思おうにも、どうしても周りと比較してしまい、自分で作り上げた孤独感に早くもどっぷりと浸かってしまいました。

この思考では直ぐに体調を崩すと察して、その週末、必死に他の思考を模索しました。そこで試したのが、足元ではなく、外に目線を移すこと。翌週からは、他の人と比較しそうになったら都度、「いま周りよりできないのは当たり前なのだから、足元ばかりを見て比較しない。手伝えることはないか。できることはないか。アウトプットに意識を移そう」と自分に言い聞かせるようにしました。傷つきたくなくて自然と受け身な姿勢になっていましたが、自分から積極的にタスクを取りにいくように行動も変えました。

必死に「なりたい思考」に近づくためのステップを逆算し、行動し続けたところ、いつのまにか自分の心も辛くなくなってきました。そこからは早い。ふと顔を上げたらいつの間にか1ヵ月目が終わり、仕事に集中できるようになっていました。

休日はしっかり休む。
自然の中で仲間と談笑しながら料理して、食べて、くつろぐ時間が幸せです。

入社2ヵ月目:会社に自己実現の勇気をもらった

入社して2ヵ月が経った頃、私は地方創生業界の現場経験を得られる、短期の副業プロジェクトへの申込を検討していました。イグニション・ポイントでは理念である「ゆたかな人生のきっかけを」に基づいたOKRという人材育成/目標管理プログラムがあり、自身の「ゆたかな人生」のための年次目標を立て、メンターから進捗状況のフォローアップを隔週で受ける仕組みです。私はそのOKRで「自分の興味ある業界に関する知識を深め、対応できる業界幅を拡げる」という目標を立てていました。仮申込ページに必要情報を記入し、申込ボタンを押す。その至極簡単な作業を終えた直後、私はPCの前であることに気付き、唖然としました。数年前の私は、このボタンを押すことができなかったことを思い出したのです。

転職活動をしていた頃、自己実現手段のひとつとして「副業」に憧れ、地方創生案件を調べていた時期もありました。ですが、まだやりたい仕事に就けず、MBAの知識だけで実務経験を持たない自分にとって、申込ボタンを押すことは非常に勇気の要る行動でした。結局当時は、せっかく興味ある案件を見つけたのに、やらず仕舞いで終わっていたのでした。

それが、今では行動に移せるようになった。やりたい仕事に就き、未熟ながらもこの2カ月間本気で頑張ることができたという経験が、私に更なる自己実現へ踏み込む勇気をくれたのだ、ということをその時理解しました。残念ながらその後、拘束時間が長く、本業に影響しかねないことがわかり、現在は別の案件を模索中ですが、自身の変化に気づけたことはとても嬉しい発見でした。

最近、友人とエレキギターを始めました(めちゃくちゃ下手ですが、楽しければ良いのです)。
仕事とはガラッと違う趣味や素敵な人たちとの癒しの時間に支えられています。

そして今:「私、仕事が楽しいです!」

当社に入社してもうすぐ半年になろうとしています。

人から聞くたびに羨ましく思い、自分がずっと言えていなかったセリフ。これを今、声を大にして言えるようになりました。声に出してみての感想ですが…とても清々しい気持ちです。葛藤が長かった分、自分がやりたかった仕事に今やっと就けていることが心から嬉しく、また有難く思います。

もちろん失敗したり、自分の出来なさに落ち込んだりする場面はまだまだ沢山あります。毎日のように自己反省する日々ですが、常に新規事業開発だけに集中でき、年齢にかかわらず、多様で優秀な人たちと知的議論を交わし、毎日成長のチャンスがあるこの環境を、私はとても気に入っています。

最後に

ここまで読んでくださりありがとうございました。

この記事に辿り着いたということは、イグニション・ポイントに興味を持ってくださっていたり、ご自身と仕事の関係について悩まれていたり、といった背景があるのかもしれません。

どんな事情であれ、私は貴方が自分らしく在れることを、ささやかながら応援しています。
私も更なる自分らしさを求めて、これからも頑張ります。

〈Profile〉
コンサルティング事業本部 ストラテジーユニット 
シニアコンサルタント 遠藤

東京大学卒業後、大手自動車部品メーカーのIT部門で10年以上勤めながら欧州大学院でMBAを修了。業界未経験ながらも念願の転職を果たし、現在はイグニション・ポイントのコンサルティング事業本部 ストラテジーユニットにてシニアコンサルタントを勤める。現職では、主に製造業やIT企業の新規事業開発案件において、戦略策定から実行までを広く支援。


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