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フリーアドレスの不自由さ。

社員が個々に机を持たないオフィススタイルを「フリーアドレス」と言う。空いている席やオープンスペースを自由に使って仕事をする。

社内コミュニケーションの活性化やスペースの有効活用、リフレッシュ効果があることから、実施する企業が増え始めている。

私は、自分の部屋が一番好きで、自分の能力を遺憾なく発揮できる場所だと思っているので、別の場所で仕事をしろと言われても、非常に困る。なので、フリーアドレスなどあり得ないと思っている。

コピーライターとして会社勤めをしていた時にも、自分の机のまわりを出入口以外は囲って欲しいと思っていた。

海外のクリエイティブなオフィスを見ると、みんな自分だけのスペースを持っている。パーテーションで仕切られているだけだが、“個”の空間が守られている。

そこには、お気に入りの写真やおもちゃ、オブジェなどが飾られ、自宅の机のように使っている。

IT関連で言えば、アップルやツイッター、フェイスブック、グーグルなどのオフィス。映画会社では、ピクサーやドリームワークスなどのオフィスは、非常に自由な空間、楽しい空間が社員に与えられている。

まさに理想の職場に思える。こんな空間で考えるからこそ、自由で楽しい発想が浮かんでくるのではないか。

こうした会社の素晴らしいところは、個人の空間以外の場所にも工夫がされていることである。仕事が煮詰まったり、気分転換をしたい時のために、“遊び場”のようなスペースが設けられている。

ビリヤードやテーブルサッカー、バー、広場などが社内にある。そこで息抜きをしても良いし、仕事をしても良い。この自由さが、クリエイティブな仕事を生み出すのである。

自分のベースとなる場所を持ちながら、その時の気分で場所を変えることができるのである。これこそが、本当の「フリーアドレス」なのではないか。

初めから自分の机がなく、好きなところで仕事をしろと強制されるのは、まったくフリーではない。落ち着かないし、毎回必要な資料を移動させなければならない。毎日、座る席で悩むかもしれない。

何ごとを成すにも、じっくりものを考える戦略本部が必要なのである。そこをベースに、優れた戦術が実行されるのである。

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