プロとアマの違いは、“時間”である。

海外映画やアニメで、畑違いの芸能人などが声優にチャレンジしていることがあるが、中にはヘタな人も多い。本人の責任ではないが、作品を台無しにしてしまう。ビジネスとして、話題づくりのためにやっているのだろうが、作品の完成度を落としてしまうことに、監督は何も感じないのだろうか。

観客に失礼でもある。安くはない入場料を払って、未完成な作品を見せられるのだから。ヘタなアマチュアを起用して金を取るなど、それこそ、プロとしてやってはいけないことである。

だが最近は、アマチュアでもプロ並みの技術を持つ人は多い。その技術をネットで披露することで注目され、テレビや雑誌に登場する。話題性があれば、本人の意志に関係なく持ち上げられ、“時の人”となる。

そこで、チヤホヤされると舞い上がってしまい、大きな勘違いをする。「プロになろう!」。これは、危険である。プロとアマチュアの違いをまったく理解していない。

自分の好きなことだけをやってきて、注目されたからといって、それがそのままプロで通用するわけではない。プロは、好きなことだけをやってきたわけではない。その分野において、得手、不得手、嫌いなこともこなしてきたのである。

それが、仕事。金を貰うということ。プロとして認められるまでに、相応の時間を費やしている。苦手なこともそれなりのカタチにするのが、プロの仕事である。

120点、150点は取らなくても、コンスタントに80点以上の仕事をするのが、プロ。アマチュアは、突如150点を叩き出すこともあるが、30点のこともある。これでは、仕事にはならない。

アマチュアは、アマチュアとして楽しめば良い。プロになりたいのであれば、苦手なことにもチャレンジして、もっと時間を費やさなければならない。

よろしければサポートをお願いします!頂いたサポートは、取材活動に使わせていただきます。