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楽食探訪:人生に縁遠き海鮮を味わう。

伊勢海老、ほたて、あわび……。
食卓に登ることは、ほぼあり得ない高級食材。

イコール、高くて買えない。
買おうとする気力さえ、持ち合わせていない。

私の人生には、存在しないと言っても良い。

なのに、やつは突然やって来た。

「ほたてステーキ」。

北海道の枝幸町というところから、
冷凍で送られて来た。

ほたて貝柱をベーコンで巻いたもので、焼いて食べる。

ふるさと納税の返礼品だ。

もちろん、私はふるさと納税するほど、
税金は払っていないので、注文するはずもない。

なんと、息子が返礼品を我が家に送ってくれたのだ。

実に親孝行。
できた息子だ。

贅沢をさせてやることもなく、世に送り出したのに、
親を思ってくれている。

有難い。
嬉しい。

なので、感謝しながら、大切に味わうことに。

フライパンにマーガリンを落とし、その上で焼いた。

バターの方が良いのだろうけど、
そんなものは我が家にはない。

大丈夫だ。
素材が良ければ、マーガリンでも旨いはず。

直径5センチ以上はあるだろうか。

こんな大きなほたてが、我が家にいてくれたことはない。

初めての出逢いだろう。

では、いただきます。

カプッ!
うっ、旨い!

表面のほど良いコゲが中の旨みを閉じ込めている。

噛むと、その旨みが口の中に溢れ出てくる。

濃い。味が濃い。

安いほたてにある臭みはなく、
独特の味わいが広がる。

繊維はほど良く柔らかく、歯触りが楽しい。

上質なほたてを包み込んでいるベーコンがまた良い。

塩味と脂をほたてに染み込ませ、
さらなる味の向上を図っている。

ベーコンの味がキツくないかと心配したけど、
その相性はパーフェクトだと言える。

これは旨い。
初めての経験だ。

また味わう日が来ることを願う。

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