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スマホに乗っ取られた心を取り戻せ!

歩きスマホが社会問題になるほど、人びとはスマホに心を奪われている。少しでも時間があればスマホを操作し、誰かとつながっていたり、ゲームをしたりしている。それほど魅力があるとは思えないのだが、片時も手放さない人もいる。

会社勤めをしていれば、さすがにそれはできないだろうが、通勤時、休憩時、外出時には、必ず取り出している。

こうなると中毒であり、生活にも仕事にも支障をきたすようになる。スマホに熱中するあまり、何かを忘れたり、手を抜いてしまったり。人に声を掛けられても、生返事をしてしまったり。これでは、まわりの人と上手くコミュニケーションが取れなくなる。

現実に、そういう光景をよく見かけるようになった。

昼休みに同僚と食事をしていても、絶えずスマホを操作しているために、まったく会話がない状態となっている。

母親と幼い子どもが買い物をしていても、母親は片手にスマホを持ち、もう片方の手でショッピングカートを押している。つまり、子どもは手をつながれることもなく、つまらなそうに着いて行くのみ。

カップルでいても、ふたりともがスマホに夢中になり、ふたりでいる意味がなくなっている。

こんな状態は、決して良いこととは思えない。一緒にいる人とつながらず、スマホとつながっているのである。

「個人の自由だ」「自己責任だ」で、済ませるわけにはいかない。このままでは、コミュニケーションのない社会になってしまう。誰かが行動に移さなければならない。

以前、産業機械部品メーカーの「岩田製作所」は、従業員が休憩時間などにスマホを使わないようにしたら、毎月5000円の奨励金を出す制度を導入した。

休憩時間にもスマホばかりいじっていることで、従業員同士のコミュニケーションが少なくなってきていた。これを何とかしたいという思いから、「脱スマホ」に踏み切ったのである。

強制ではないが、会社でスマホを使わない人だけではなく、スマホを手放す従業員も出て来ている。スマホに費やす時間の無駄を悟ったようだ。

スマホから解放されると、心が解き放たれる。乗っ取られていた心を取り戻したような気持ちになるのだろう。

個人の問題に会社が口出しするのはどうか、という意見もあるだろうが、岩田製作所の行っていることは、社会に一石を投じた、と言っても過言ではない。“よくぞ、やってくれた”と思う。

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