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学力が低いと幸せになれないって本当?

子どもを想って親は言う。「勉強なんかできなくても、幸せならそれで良い」。この考えは改めなければならない。勉強のできない子どもが大きくなったら、幸せを掴みにくい、という現実を知っているだろうか。

その根拠となるのが、「2014年度全国学力テスト(小中学生)」「都道府県別離婚率ランキング2014」「全47都道府県幸福度ランキング2014」の結果である。少し古いデータだが、この3つを照らし合わせると、私の言っていることに納得せざるを得ない。

学力テスト上位の都道府県では、離婚率が低く、幸福度が高い。逆に、学力テスト下位の都道府県では、離婚率が高く、幸福度が低い。

学力テスト上位の「福井(2位)」「石川(3位)」「富山(4位)」「新潟(12位)」「鳥取(15位)」は、離婚率では「福井(42位)」「石川(40位)」「富山(44位)」「新潟(47位)」「鳥取(32位)」となり、幸福度では、「福井(1位)」「石川(3位)」「富山(2位)」「新潟(10位)」「鳥取(4位)」となっている。

学力テスト下位の「沖縄(47位)」「和歌山(46位)」「大阪(45位)」「高知(41位)」「北海道(39位)」「鹿児島(36位)」「福岡(36位)」は、離婚率では、「沖縄(1位)」「和歌山(6位)」「大阪(3位)」「高知(7位)」「北海道(2位)」「鹿児島(9位)」「福岡(5位)」となり、幸福度では、「沖縄(41位)」「和歌山(32位)」「大阪(47位)」「高知(46位)」「北海道(43位)」「鹿児島(35位)」「福岡(39位)」となっている。

非常に興味深いではないか。

「学校の勉強ができなくても、世に出て出世している人はいくらでもいる」。確かに、成績は悪くても成功している人はいる。だが、この言葉は、自分の子どもが勉強できない場合に、子どもや自分への慰めに遣っているに過ぎない。「勉強なんかできなくても……」は、通用しないのである。

学力の低い子は勉強をしない。勉強をしないということは、頭を使っていないということ。頭の柔らかい時期にたくさん使わないと、脳の機能は発達しない。すなわち、ものを考える力がないのである。

考えることのできない人間は、社会では成功しない。それは収入に直結する。高収入ではなくとも、ある程度なければ生活ができないので、幸せとは言えない。

また、考えない人間は、何も考えずに結婚する。すると当然、離婚も多くなる。考えないから、計画もなしに子どもを作る。母子家庭・父子家庭も増える。誤解してもらっては困るが、これはあくまで“考えない人”の話だ。離婚や母子家庭・父子家庭が問題だとは言っていない。

「幸福度ランキング」では、「生活・家族部門」「労働・企業部門」「安全・安心部門」「医療・健康部門」の4部門を10段階評価し、ランキング化しているので、離婚だけが不幸の素ではない。だが、離婚率の上位と幸福度の下位に、同じ都道府県が名を連ねているということは、その関連性は高いと言わざるを得ない。

貧困に喘ぐ世界の国々を助けるためには何が必要かを考えると、幸せになるために必要なことがわかる。食糧や水、薬など、生きるための基本的物資はもちろんだが、その次のことが肝心なのである。国を発展させなければ、幸せにはなれない。そこには、誰も疑う余地のない、重要なことがある。

「教育」

教育なくして、幸せはあり得ない。先進国である日本は、教育を徹底してきたがゆえに急成長し、めざましい発展を遂げた。

だが、ここに来て、“もっと大切なことがある”と、ゆとり教育をした結果、学力の低い子どもたちを増やしてしまった。すなわち、幸せになれない子どもを作ってしまったのである。

もちろん、「学力=幸せ」とは言い切れないが、全体の中の絶対数を見ると、幸せになるためには、最低限の学力が必要なのである。

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