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“つながり”を強要する、偽装友だち。

LINEを通じて、仲間同士が会話をしていると、都合が悪く、そこに参加できない人もいる。後でフォローすれば良いが、面倒だからと放置してしまうと、とんでもない状況に陥る。

「どうして返事をしない!」「無視する気か!」「抜けるつもりなのか!」と、罵られてしまう。それが怖くて、抜け出せない人も多いという。

中には、LINEの中で揉めて、その結果が殺人事件にまで発展した例もある。初めは、みんな仲良く友だち意識でいるが、一度こじれると、泥沼に入り込む。

ネットの世界とはまったく関係のないところでつながっている友だち関係では、そこまで酷い状況になることはない。面と向かって話すと、互いの理解を得やすいからだ。

だが、ネットを介していると、相手の表情が見えないので、自分勝手に最悪な事態を想像して、怒り狂ってしまうのである。

なぜ、ひとりで盛り上がってしまうのか。それは、その場に自分とスマホしかいないからである。ネットの向こう側には複数の人がいるが、自分の感情の高ぶりに気づいてくれる人はいない。怒りをネットに書き込んだとしても、冷静な言葉が返信されるだけである。誰も肩を叩いて、慰めてはくれない。

ネットには、本当のコミュニケーションは存在しない。上っ面のつながりだけで、遊んでいるに過ぎない。

特に若い世代は、直接的なつながりが苦手なのかもしれない。きちんとした人づき合いができないでいる。極論を言えば、ネットを介さないと話ができないのではないか。

面と向かって、相談ごとをしたり、悩みを聞いてもらったりすることが、恥ずかしいのかもしれない。だが、ひとりぼっちになるのは避けたいので、ネットにすがっているのである。

また、つながっていたい、という思いが強いので、人にもつながりを強要してしまうのである。みんなが自分と同じだと錯覚している。

上っ面のつながりには、何も意味がないことを理解していない。それが、友だちだと思っており、絶えずつながっていたいと感じている。

だから、書き込みやメールに返信がないと、イライラしてしまうのである。だが、これは相手のことをまったく考えていない、自分勝手なイライラである。

本当の友だちなら、返信がないと心配になるものである。最初のうちは、「忙しいのかな」と思い、少し時間が経つと「具合でも悪いのかな」となり、やがて「事故にでも合ったのでは」と、心配するものである。

だが、イライラするというのは、自分の立場でしかものを考えていない。相手の立場で言えば、そんな見せ掛けの友だち関係は、即刻解消すべきである。そんな友だちが何人もいたって、つき合う時間が無駄になる。

本当に心配してくれる友だちを持つべきである。ひとりでもふたりでも良い。偽物の友だちを持つくらいなら、友だちはいなくても良いのではないかとさえ思う。

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