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成人した子どもに対して、親には“軽減責任”がある。

芸能人の子どもが逮捕され、親が涙ながらにテレビに向かって謝罪する。だが、子どもは立派な大人。はたして、親は謝罪しなければならないのか。責任はあるのだろうか。もちろん、法律的には何の責任も負うことはない。成人したら、保護者ではなくなるのだから。

だが、親としては責任を感じてしまう。自分の育て方が間違っていたのか? 甘やかしてしまったのか? 世間の反応としては、「大人なのだから、親は関係ない」「親を責めるのは、可哀想」という意見が多いかもしれない。だが私は、親にもかなりの責任があると思っている。

罪を犯すような人間に育てたのは誰か。やってはいけないことを教えなかったのは誰か。道徳・倫理を叩き込まなかったのは誰か。すべて親である。子どもの頃から、最低限のルール・マナーを教えなかったために、大人になってもわからないのである。

「大人なのだから、すべて自己責任だ」というのは、正論ではあるが、親にも道義的責任は感じてもらわなければならない。ただし、子どもの年齢によって、責任の重さが変わるのではないかと私は考えている。

20代なら親の責任は重いが、40〜50代となるにつれて、その責任は軽くなってくるのではないか。成人した時点で、まだ道徳・倫理を理解していなかったとしても、そこから20年経てば、0歳児の頭だったとしても20歳となる。つまり、成人してからは自己責任なので、そこからは自身が道徳・倫理を学習していかなければならない。

40歳になれば、最低20歳の考えを持っているはずである。だから、親の責任はほぼなくなるのではないか。これを私は、“軽減責任”という言葉にしてみた。子どもが年齢を重ねるとともに、親の責任が軽くなるということである。

犯罪者の親にインタビューしていると、まったく他人事のように答えている人がいるが、そんな親だから、子どもが歪んでしまったのである。「親を責められても困る」というのが本音だろうが、そんな人間にしたのは親である。

親には、大きな責任がある。だから、子どもの頃の教育が大切なのである。

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