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ツールド福島211kmで勝つための体づくり①|食べものについて

お菓子をやめて、油物を控えて、トレーニングする。

これで1ヶ月に1kgは落とせます。

そんな単純じゃないでしょ?と思われますか?でも実際、これは本当です。というか、もっと本当の話をすると、トレーニングだってしていたし、食事だってそこそこ気をつけていました。

でも、「そこそこ」でした。

トレーニングや食事、どれくらい本気でやっているか? そう自問自答した時、自分の答えは「全然本気でやってない」だったのです。

今年43歳。厄年も終わりました

この先何年走れるかは分かりません。もっと言えば、明日、交通事故で死ぬかもしれない。レース中の落車で半身不随になった友人もいて、そんなことは自分にだけ起こり得ないなんて誰にも言えないんです。

そう考えた時、自分に残された時間は多くないと気付きました。というか、うすうすはわかってはいたけれど、本気ではなかったというのが正直なところ。それは、現役で選手をしていた時から数えて、ほんの数ヶ月前まで。

自宅からスタート地点まで車で30分。そんな距離で、自分の好きな自転車ロードレースが開催される。そしてそれは、国内最長の211km。

このレースで勝ちたいと思ったその瞬間から、本気で取り組むようにしたのです。「そこそこ」やっていたことを本気で。すると、1つ1つの決断が変わりました。

決断が変われば行動が変わる。
行動が変われば結果が変わる。

結果、1ヶ月で1kgの体重が落ちたのです。

では、どのように決断や行動を変えたのか。レースで勝つために無駄のない体を作る。ここに本気で取り組むために変えたのは、精度と確度を高めるということでした。「そこそこ」ではなく、徹底的に取り組むことにしたのです。

今もなお現在進行形で取り組んでいること、その全てを紹介します(一番最後に、超重要なこと言います。気になる人は目次から「強くなるためにすべきこと」へジャンプしてください。)


食事に気をつける|自転車選手的ダイエット

まず、食事に気をつけるようにしました。

ダイエットといえば、〇〇ダイエットなどと巷には山ほど情報が溢れていますが、自転車選手の場合は違います。なぜなら、体重を落とすことが目的ではないからです。

パフォーマンスを高めるために摂生し、練習した結果、体重が落ちている。というのが理想だと考えます。

1年でマイナス5kg。体脂肪率5〜6%。

来年(2024年)の春先3月くらいにはある程度絞った状態でシーズンインできるようにするために、目標を設定しました。早めの準備が大事ですからね。

無駄のない体をつくるには何をすればよいか。無駄のない体をつくるには、無駄をなくしていく作業が必要です。

1.お菓子、スナックは食べない

なんだかんだ食べてたんです。練習するからいいか、とか、たまにはいいか、とか。職場ではお土産をもらったり、差し入れがあったり。みんな優しくて、ホント。人様からもらったものはありがたく、なんて言っていたら、結構なもんなんです、コレが。

で、無駄をなくしていくならここからだ、と思ったわけです。

なので、家にあるお菓子やスナックはもとより、人から頂いたものでも一切食べないようにしました。一切。

…というと、実は正確ではありません。正しくは、おやつや間食としては食べないようにした、と言う方が正しいでしょうか。

つまり、食べるタイミングを変えたんです。「トレーニング中なら食べてもよい」というルールをつくりました。もらったお土産や差し入れは家に持って帰って練習中に食べるようにしたのです。

2.食べる量に気をつける

余計なものは食べないようにしましたが、食事であっても食べ放題飲み放題では困ります。

体を動かすトレーニングでは食べることが必要です。でも、練習して消費する以上に食べてしまえば、体重は減りません。簡単な理屈です。なので、先ずは、食べる量をコントロールするようにしました。

ただ、これがなかなか難しいんです。美味しいご飯をたくさん食べることは、人生の楽しみの一つなので。

ただ、レースで勝つという優先すべきことがはっきりわかった今、食べる量も考えないとな、と思いました。食べる量を抑えるための工夫をいくつか紹介します。

①よく噛む・ゆっくり食べる

腹八分目とはよく言ったもので、コレがなかなか難しいんですが。お腹いっぱいになりすぎないように、よく噛んで、ゆっくり食べます。本当に、本当に、気をつけて食べれば、ゆっくり食べることができます。

ちなみに、かの有名な新城幸也選手。大昔にタイの合宿で一緒に練習をしていたことがありますが、死ぬほど食べるのがゆっくりでした。

②汁物をとる

汁物を取り入れることも効果的です。一汁三菜とも言いますが、ご飯やおかずのほかに味噌汁やスープをメニューに加えることで、満腹感が得られます。

③野菜をたくさん食べる

副菜も大事ですね。どうしてもお腹いっぱい食べたい時は、野菜をいっぱい食べるようにしています。ほぼ毎日ボールいっぱいは食べてますね。なので、仕事から帰ってきて嫁がサラダを作ってないとわかると、途端に不機嫌になります。野菜炒めや具沢山の豚汁など、野菜でお腹を満たせば罪悪感もないので。

④主食の量を決める

以前は「お菓子よりはマシだろう」と、ご飯に限ってお代わりし放題キャンペーンなるものを毎晩開催していました。でも、食べたいだけ食べていては何も変わりません。茶碗一杯分だけ、とか、明日は距離を乗るから大盛り一杯で、とか。何グラムって測っているわけではありませんが、上限を決めるようにしました。

⑤水をたくさん飲む

よく噛んで食べると、食べ物はペースト状になって胃の中に入っていきます。消化に良いんですが、結果どうなるか。早くお腹が空きます。

そんな時、あんまり我慢するのも、精神的にも肉体的にも良くないと思います。

まず、水をたくさん飲みます。水を飲むことで、多少の満腹感は得られるので、食事と食事の間、とりわけお腹が空いたらまず水を飲むようにしています。

⑥間食は果物かナッツ類

水を飲んでもお腹は空きます。そんな時は間食も大事です。ただ、決してお菓子やスナックを食べると言う話ではありません。おやつには、果物かナッツ類と決めています。

果物には果糖が含まれているのに加え、様々なビタミンやミネラルが豊富に含まれています。ナッツ類も然りです。良質なタンパク質に脂質など、自然のものには勝てません。

3.食べる物に気をつける

いわずもがな、スポーツ選手にとって栄養バランスはとても大事です。そう、とても大事なんです。(重要なことなので2回言ってみました)

炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン・ミネラル…。パフォーマンスを維持するための食事の構成、栄養素は奥が深く、とても素人が伝えられるものではありません。

ですが、だからと言って好きなものだけ食べていてパフォーマンスを維持できるほど甘い世界ではありません。

プロの選手には管理栄養士がついていて、レース中は特に食べるものや飲むもの全てに細心の注意を払っていると言われています。

ホビーレーサーであっても、できる限り意識して食事をとることで、パフォーマンスを最大限高めることができると思います。

①主食(炭水化物)

主にお米を食べています。ただ、できるだけミネラルを摂取するという観点から5〜7分つきのお米を食べるようにしてます。玄米だと食べづらいのと、消化器系にも負担があるなと感じるので。それと、子どもから(白いお米が食べたい)と、クレームが入るので。でも、どうしても食べ過ぎてしまうきらいがあるので、3分つき米〜玄米も考え中です。

で、お米を食べるのは主に昼、夜の話しです。

じゃあ、朝はというと、朝ごはんの主食はオーツ麦です。このオーツ麦、鉄分、カルシウム、カリウムが結構含まれているんですよね。

100g中の鉄分、カルシウム、カリウムの量はそれぞれ、

オーツ麦 3.9g 47mg 260mg
白米   0.8mg 5mg 89mg
玄米   2.1mg 9mg 230mg

文部科学省食品成分データベース

持久系アスリートにとっては鉄分が多いというのは大きな味方になりますね。

ロールド・オーツ(押し潰して平べったくしたもの)ではなく、フレーク状に細かく砕かれたものを食べてます。これを、牛乳に一晩浸して翌朝食べます。ナッツやドライフルーツをトッピングして。

因みに、これがデフォルトで、どうしても甘味が欲しくなるときや、長時間の練習前にはハチミツを追加したり。家にある果物でバナナやイチゴ、キウイをプラスしたりと、ちょっとしたバリエーションの工夫もしています。

炭水化物で言えば、麺類も食べますが、消化に良いので食べる時は朝や晩、そして練習後などの間食で食べることが多いでしょうか。月見うどん・そば、ラーメンなども普通に食べます。でも、インスタントラーメンは食べません。必ず乾麺か生の麺を茹でて作ります。

ただ、こうした麺類を食べるときでも、玉子を落としたり、ワカメやネギを散らしたり、ゴマを振ったりと、微量栄養素を意識して食べるようにしています。

ご飯の話に戻りますが、1番のお気に入りは、アツアツのご飯に玉子、ゴマ、鰹節、醤油、ネギをトッピングした卵かけご飯=TKGです。

②肉・魚・豆(タンパク質)

基本的に、昼間に肉類、とりわけ豚や牛、羊などを。夜には魚や鶏を、食べることが多いです。昼はしっかり。夜はあっさりとしたものが食べたくなります。納豆は夜に食べることが多いかな。

卵は練習後やお昼ご飯に食べることが多いですね。豚玉丼やロコモコ、ゴーヤーチャンプルーなど、あえて玉子を組み合わせるメニューにしたりします。

③ナッツ類(タンパク質✖️脂質)

主に間食で食べています。仕事を終えて帰宅するまでの時間が特に空腹を感じる時間帯なので、ナッツを一掴み分食べて帰路につきます。

アーモンド、カシュー、クルミ、マカダミアなどですね。もちろん、素焼きのもので、余計な油脂類や塩分は含まないものを食べています。

④野菜、フルーツ(ビタミン・ミネラル)

できるだけ積極的に取るようにしてます。そして、いろんな種類、バリエーションで。ただ、1年を通して旬の時期がありますし、逆に旬のものでなければ高かったり。

フルーツはもはや高級品の部類なので、スーパーでたまたま見切り品を見つけたとか、頂き物で家にあるとか、そんなタイミングで。安ければ買って食べることもありますけど。

4.食べ方に気をつける

さて、ここまでであれば、「健康的な食生活」で終わってしまいます。

ここからさらに、スポーツ選手、特に自転車ロードレースで勝てる選手という視点で食事の摂り方で意識していることを紹介します。

①脂質を抑える

天ぷらやカツ丼、豚バラ肉や特上カルビ、バター、生クリーム…。それ自体は決して有害ではありません。でも、これらを毎日食べていたらどうでしょうか?

グラム単位で機材の軽量化を図るのと同じように、身体の無駄も少しずつ、確実に削っていくことを考えると、必要最低限の量に留める必要があると考えます。

揚げ物を食べない、脂身は除いて料理する。そんなちょっとの工夫でいくらでも無駄な部分は削ぎ落とすことができます。

②質にこだわる

何も、高級食材を揃えましょうという話ではないです。有機栽培・無農薬など、食べ物にお金をかけることはいくらでもできますし、できるならそうしたいところではあります。

ただ、こだわればキリがありませんし、お金はいくらあっても足りません。ただでさえ機材にはお金がかかるのに、毎日の食事にはそんなにお金はかけられない。当然です。

ではどうするか。

新鮮な食材を調理して温かいうちにすぐ食べることを意識する。ただこれだけでも違うと思います。焼き魚など、EPAやDHAなど、せっかくの良質な油も時間が経てば酸化してしまいます。なにより美味しくない。

お菓子やスナックを食べるよりはずっとマシですが、それでも食材を一番良い状態で身体に入れてあげることもまた大事だと考えています。

③普通のものを食べる

そう、「ふつうのもの」です。「?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でもよくよくスーパーに並んでいる食品・食材を見てください。「脂肪0」とか、「シュガー0」とか、「カロリー・OFF」とか。

それと、原材料表示、これ見てますか?例えば、冷凍食品、加工食品には、添加物や人工甘味料などがたくさん入っています。食品として売られている以上、体に害はないんでしょうけど。食べたからどうとか、食べなかったからといって何かが変わるとか、よくわかんないです。実際、こうしたものを全く摂らないなんて無理ゲーです。

ただ、自分はこの辺りを意識して食事をするようにしています。加工食品や添加物は極力避けるようにしています。できるだけ自然にあるものをそのままの形で。人間が本来あるべき姿に近づきたいなと。

④普通じゃないものはたべない

上の③と一緒ですが、その実、奥は深いと思っています。加工食品は避けるけど、プロテインは飲みますか?添加物はとらないけど、マルチビタミンは飲んでますか?

強くなるためには、厳しいトレーニングを積んで、効率的に栄養を摂取し、できるだけ早く回復する。その繰り返しが大事です。

であるならば、プロテインやサプリメントも効果的だと思います。というか、トッププロの選手の場合、過酷なレースをシーズン通して戦おうとするなら、それら無しではパフォーマンスを維持するのはとても困難だと思います。

だとしても、です。

自分はもちろんトッププロではないです。でも、それなりに負荷の高いトレーニングをするわけですよ。ただ、いつも思い出すのは、フランスでアマチュア時代に監督から言われた一言なんです。

「プロになるまでは、食事でこと足りる。」

考えるわけですよ。何が足りないかを。勉強し、工夫することをやめてしまったら、強くはなれない。それは、トレーニングにおいても、食事においてもだと思っています。

錠剤を飲んだり粉を溶かして強くなりたいわけじゃないんです。注射なんてもってのほか。合法だからいいとか、ルールの範囲内だから良いとかいうもんだいじゃなくて。

ここからはもう主義主張、信条信念の話になるので、独り言と思って聞いてくれればいいですが、少なくとも、このアプローチで強くなりたいと考えています。

ただこれ、基本的な考え方という話であって、レース中の補給食などイレギュラーな場面は例外としていますので、一応。

強くなるためにすべきこと

これ、全部やります。

嘘だと思いますか?

いいえ。本当です。これ、全部です。本気で取り組むということは、毎日真剣に向き合うということです。

ただ、人間なので完璧にはできません。ミスもします。食べ過ぎてしまったり、ふとした瞬間に誘惑に駆られたり。でも、「全部やる、本気でやる。」と心に決めることが大事。ミスっても、誘惑に負けることがあったとしても、早くリカバリーできます。

その気にさえなれば、ここにあげたことの9割5分は実行できます。結果はどうか。2023年12月15日現在、67.2kg。(これは、昨日6時間も自転車に乗ってたからというわけではなく)そこまで練習していない日の翌日でも、コンスタントに67kg台を記録できるようになりました。

70kg台で推移していた9月から約3ヶ月。1ヶ月に1kg痩せることができるようになりました。

食事以外に取り組んでいること


さて。だいぶ長くなってしまいました。

食事については大体こんな感じですが、体づくりのためにやっていることは食事だけではありません。取り組んでいることは他にもあります。

食事以外の取り組みについてはまた次回ということで。

では。

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